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IPOを考える社長の気まぐれコラム

2010.03.30 老舗が負の遺産

「経営破綻」という言葉に抵抗が無くなって随分になります。
世界金融不況で投資銀行から自動車メーカー、航空会社まで様々な破綻が相次ぎました。
これらは所定の手続きを経て何らかの発表という形が取られるため、物理的な影響を受けることはあまりありません。
ところが隅々まで浸透した昨今の破綻では、そんな状況になることもあるようです。

29日、NNAによると、マカオの格安航空会社ビバマカオが営業免許をはく奪されることになったそうです。
運転資金不足で遅延や欠航が相次ぎ、営業継続が困難となったため。
26日にはマカオ発成田行きが大幅に遅れ、出発は翌日となりました。
同社は当初「技術的なトラブル」と説明していましたが、本当の原因は燃油費の未払い。
マカオ政府が一部を肩代わりし出発は出来ましたが、数百人の顧客が足止めを食ったようです。

格安航空会社が現れ始めたのは1970年頃から。
航空規制緩和を受けて1971年にはエア・フロリダが設立され、格安航空会社の先駆けとなりました。
その後、アメリカ南西部を中心に勢力を伸ばしたサウスウエスト航空が成功を納め、路線を限定したビジネスモデルが拡大。
特化型の格安航空会社が台頭し、全盛期を迎えました。

ただ大手も黙ってはいませんでした。
巨大資本が格安路線にも投入され、旗色が徐々に悪くなり始めた頃に原油高騰が直撃。
元々体力の無い格安航空会社は一挙に淘汰、業界再編成へと突入します。
ある会社は存在そのものを消し、ある会社は大手資本の子会社となりました。
ごく一部のニッチ航空会社はなんとか生き残りますが、それも長引く不況で最後の生命力を奪われつつあります。

老舗は安心材料の一つですが、昨今は老舗が環境の変化に対応出来ない様子が散見されるようになりました。
身近なところで昔からあったあの会社、無くなっていませんか?
  
2010.03.29 仕事の誇り

「あの火山はいつ噴火しますか?」
「自然現象ですので、いつ噴火するかは分かりません。」

ディズニーリゾートでキャストに質問をすると、夢のある答えが返ってきます。
行くと必ず満足感が得られますが、大きな要素の一つは徹底されたキャストの教育。
アルバイトですが、個々人が自らに誇りを持ち気持ちの良いサービスをしてくれます。
彼らは自身を「所詮アルバイト」とは考えません。

28日、報道各社によると、某有名百貨店の外商が認知症の疑いのある女性に、合計約7千万円もの宝飾品やインテリアなどを買わせたそうです。
主にクレジットカードで決済し、口座残高が無くなると銀行まで同行。
別の口座から引き落とさせて入金していたそうです。
事件は不審に思った銀行が、消費生活センターに通報して発覚しました。
 
時代の影響は受けるものの、百貨店の外商は概ね資産1億円以上の顧客を相手にするため、それなりの資質が求められます。
通常、販売員で経験を積みそこから外商部員となりますが、誰もが成れる訳ではありません。

倫理観の無い誇りを失った外商と、まだ仕事の経験がなくとも目に輝きのあるアルバイト。
大切なのは、自身が誇りを持てるだけの事を成しているかどうかです。
 
2010.03.27 最高のサービスを無料で

証券会社の営業マンが知っている程度の情報は、誰でも知っている。

証券会社の元営業マンが、勇敢にも自らそう言っていたことがあります。
ここでいう情報がどの程度のものか分かりませんが、確かに支店レベルにまで降りてきている情報にそれほどの価値があるとは思えません。
価値ある情報を得るにはお金がかかりますし、今かけていなければ情報の価値が低いということですので基本的にかけるべきです。

ただもう一方で、極めて上質な情報や時にシステムまで無料で提供してくれるものもあります。
その一つがGoogle。
検索機能は言うまでもなく、一部問題はあるもののGoogleマップなど様々な機能が利用出来ます。
またGoogle Analyticsなどの分析ツールは、極めて高性能ながらこちらも無料で利用出来ます。
Googleに限らず様々な高性能フリーソフトが出回っており、有料ソフトより遥かに優秀なものも無数に存在します。
インターネットの最も偉大な功績は、無料に価値を与えたことかもしれません。

26日、読売新聞によると、英紙ザ・タイムスが6月からネットを有料化するそうです。
英国の有料ネット新聞は、フィナンシャル・タイムズに続き2社目。
費用は1日1ポンド(約137円)で、紙の新聞を定期購読していれば無料になる予定です。
いずれにせよ同紙の情報を得るには、費用がかかるということになります。
「ウチの情報を得るにはユーザーは出費を惜しまない」という姿勢とジャーナリストとしてのプライドは素晴らしいのですが、さて結果はどう出るか。
また他社の追随が更に出るかも、注目されます。

情報が氾濫し、提供側は一定の区分けをし始めました。
利用者は有料か無料かといった一律の基準ではなく、より中身を吟味することが求められる時代になりつつあります。
 
2010.03.26 買ってくれるヒト

大阪の橋本知事は、7人の子がいることで有名です。
特に育ち盛りは、食費だけでも大変ではないか。
子供が多いと、様々な費用がかかるのはイメージしやすいと思います。

ごく基本ですが、ビジネスではそれがチャンスになります。
販売する対象が多い方が、それだけ売上ボリュームが大きくなるためです。
一般にそれはマーケットと呼ばれ、例えば自動車の購入層である18〜65歳人口は約7,900万人です。
日本が飽和してくると海外に展開しますが、基本的に人口が多い国へ進出します。
中国やインドは言うまでもなく、BRICsの一角であるブラジルも人口は1億9,373万人で世界5位に位置しています。
飽和しておらず、且つ人口も多いため、日本より有望なマーケットということになります。

25日、ロイターによると、オーストラリアの人口増加率が過去40年で最高となったそうです。
前年比2.1%増に達し、世界平均1.1%増のほぼ倍。
約15.5万人の自然増もさることながら、その倍近い約29.7万人の移民増が寄与しました。

人口減は働くヒトが減り、且つ買うヒトも減ります。
周知のように日本は減少傾向で、様々な意味で望ましい状況ではありません。
自然増はすぐには期待出来ませんので、改めて外からヒトを呼び込む施策が重要になります。

とりあえず、両替所を増やせないか。
とある調査では、海外の観光客が日本に対して持つ不満の5位に、「両替所の不足」が入っています。
日本に来てもらうにはまず日本に興味を持ってもらう必要がありますが、ご存じのように国際観光集客という点でも日本は劣ります。
不満の上位は「物価高」や「英語が通じない」などでどうしようもありませんが、セキュリティや手数料など問題はあるものの、両替所は増やせます。
海外にゆくと、普通観光地で両替に困ることはありません。

オーストラリアは先進国に先駆けて利上げを実施しましたが、経済が早期に上向いたのは人口増がかなり影響したと見られます。
バブル崩壊以来、長く低迷する日本経済。
ヒトが減ると、より低迷します。
 
2010.03.25 休刊雑誌

2007年、7兆191億円。
2008年、6兆6,926億円。
2009年、5兆9,222億円。

電通の発表によると、日本の広告費は減少の一途をたどっています。
周知のようにインターネットは健闘しており、2009年は7,069億円で前年比1.2%増。
新聞が前年比18.6%減で6,739億円となったため、ついに追い抜きました。
また最も減少したのが雑誌。
金額は3,034億円とインターネットの半分以下にまで減少し、前年比25.6%減となりました。

24日、毎日新聞によると、情報誌「TOKYO1週間」と「KANSAI1週間」が6月8日号以降、休刊となるそうです。
かなり活用した世代ですので、残念です。
97年、99年の創刊当初は30万部以上発行していたのが、最近では8万部程度に減少。
フリーペーパー広告も減少しており、紙媒体の弱体化が目立ちます。

圧倒的な割安さや、費用対効果が見えやすい点などからネット広告へのシフトは随時進んできました。
紙媒体が本当に無くなるのか。
もちろんそうではありません。
いまだに渋く活躍するのが電話帳。
広告費そのものは764兆円で前年比14.3%減ですが、広告費全体に占める割合は1.3%と例年並みの水準を維持しています。
他の紙媒体もある程度下落した後、低空飛行すると考えるのが自然です。

業種別に見てみると、前年比で唯一増加したのが、「官公庁・団体」。
前年比4.6%増で金額は4,766億円。
特にテレビ広告などが拡大し、同17.0%増でした。
はて、そこまで見た記憶は無いのですが。
 
2010.03.24 現預金を追い越す借金

ブラジル、12.76%。
ベトナム、12.03%。
トルコ、10.78%。

5年国債の利回りです。
言うまでもありませんが、リスクを伴う投資は利回りも高くなります。
ごく普通の投資事情ですが、これが通じない聖域が世界には存在します。
日本です。

財政破綻の足音は誰しも耳にしつつありますが、不思議なことに日本の5年国債利回りは0.53%。
米国2.41%、英国2.77%、仏2.26%と比べ異様に低い利回りです。
尚、債務残高のGDP比は、財務省発表で2008年において米国65.8%、英国49.8%、仏71.0%、日本170.9%。
ハイリスク・ローリターンのお手本と言えます。

23日、日銀は「資金循環統計」を発表。
2009年末の家計資産残高は1,456兆円で、前年比2.5%増となりました。
投資信託、株式・出資金がV字回復した影響が大きいですが、現金・預金も前年比1.5%増で804兆円に達しました。

これに対し日本の借金は、2010年末には973兆1,625億円となる見込み。
これまで財政が悪化しても潤沢な家計資産が下支えする楽観論がありましたが、一つ壁が破れました。
次に主張されるのが、保険・年金準備金398兆円を含めた合計1,202兆円をもって安全資産とし、ここまでなら大丈夫、というもの。
空想論とでも呼ぶべき現実逃避です。

逃げると追いかけてくるのも現実です。
このままでは、早晩1,456兆円すら借金が抜き去ってしまいます。

日本が破綻しないもう一つの理由が、外国人の国債保有割合が6%前後と低く、よくある海外投資家の一斉引き上げによる破綻の可能性が低いこと。
ただ実質破綻した国からは、ヒトも企業も引き上げてしまうため、場合によっては企業の一斉撤退がきっかけになるかもしれません。

事業仕分けの第2幕へ向け、準備が進んでいます。
増税は止むをえませんが、無駄削減の現実化後など周囲の納得する形で無ければ実現出来ません。
前回はまずカットありきで素人に何が分かると反発を招き、また一部の特定団体が象徴的に吊るし上げられるだけの面もあったため削減額は1兆程度に止まりました。
今回は独立行政法人や公益法人において特に問題のある法人が事前に選別されており、効果が期待出来ます。
パフォーマンスは不要ですので、実のある仕分けを期待します。
 
2010.03.23 社会的なイキモノ

基本的にヒトは、何らかの組織に属することを求めます。
身近なところでは家族。
次に会社。
そして国。

グローバル化に伴い、国を超える経済圏という枠組みが新たに出来ました。
ただ、ヒトの持つ民族性は、経済圏にはまだ馴染まないようです。

20日、時事通信によると、ギリシャ支援をめぐりEUがIMFの介入を容認する雰囲気になってきたようです。
欧州組織(欧州連合・EU)ではなく国際組織(国際通貨基金・IMF)が助けることになりますが、実現するとEUの信任低下は避けられません。
元々ギリシャ支援が見込まれていたドイツ政府に至っては、IMF支援の可能性を排除しないと公式表明。
選挙を控える政権がドイツ国家負担軽減を国民にアピールした格好ですが、同時にEUの存在否定をしたことになります。

EUは元々1枚岩ではなく、イギリスの通貨はいまだにポンドです。
妥協の産物ではあったものの、あらためて求心力を高めるためEU大統領が誕生しましたが、ほとんど機能していません。

EU加盟国ではありませんが、先日のアイスランドでは、外国人預金者保護が国民投票で否決されました。
EU域内の足並みが揃わないことは基本的に大国の問題ですが、国民という民族がイメージ出来るのは「自国のため」が限界のようで、経済圏の在り方の難しさを感じさせます。

グローバル企業により、ヒトが属する組織は国境を越えました。
国という概念に囚われないのが可能であることは証明されており、それをどのように経済圏に応用するか。
日本でもアジア経済圏構想がありますが、アジア人は比較的同胞意識を持ちやすいものの同じ問題を抱えます。

EUは大統領が妥協の産物であったため、リーダーシップを欠きまとまらなくなりました。
日本は経済力で中国に抜かれますが、長らく世界2位を務めた実績があります。
EUの地位が低下しつつある今、日本は攻める機会です。
近付く選挙では、是非ビジョンのある国際戦略を見せて欲しいところです。
 
2010.03.21 法「人」

早いね。
とある新聞社では、それが最も良い褒め言葉だそうです。
情報のスピードが問われる社風のようです。

正確だね。
とある投資銀行では、こちらが褒め言葉。
スピードよりも正確さが問われるそうです。
膨大なデータをひたすらExcelでカチカチやっているとミスをしやすいから、ということでした。

法人には「人」という字がつきますが、人である以上性格が出ます。
また人である以上、好かれる人と好かれない人がいるようです。

20日、CNNによると、イギリスのブリティッシュ・エアウェイズ(BA)が3日間のストライキに突入したそうです。
会社の人員削減方針に反発したためで、既に27日から再度4日間のストライキを実行することも表明しており徹底的にやる構え。
会社は赤字を削減し経営を立て直したい考えですが、嫌われてしまったようです。

10人でやる仕事を7人でやる方法。
企業は生産性を向上させるため、コストのかかる人件費をいかに抑えるかに腐心してきました。
不況になると様相は変わり、ゴールは生産性向上でなく「とにかく高い人件費をカット」になりがちです。
社員もヒトである以上敏感にその空気を感じ取り、内容が伴わなければ反発します。

BAのケースでは、やはり経営側の「とりあえず出血を止めよう」という姿勢が出てしまっています。
労働組合は「人員削減はサービスの低下を招き、将来的にはマイナス」と訴えており、安易なリストラに待ったがかかりました。

ヒトは影響されやすい側面も持ちます。
これまでは不況の大義名分のもとに様々なものがカットされてきましたが、今回の1件で影響される労働者が出てくるかもしれません。
ストライキはお客様にご迷惑をおかけし、どのみち短期的にはブランドイメージを下げます。
経営するヒトは、しばらく慎重な判断を求められそうです。
 
2010.03.20 海外移転、手伝います

妙な閣議決定です。

19日、政府は登録型派遣を原則禁止とする、労働者派遣法改正案を閣議決定しました。
現場では「本当にそんなことをやるのか」といった状態で半信半疑でしたが、本当に決定されました。
これまであまり現実的に捉えていなかったため、大半の派遣スタッフにはこれから今後の方向性を本格的に伝えていくことになります。

しばしば偽装請負という言葉出てきますが、不思議なことにこの中身はあまり説明されません。
派遣と請負の違いは、誰が指揮権を持っているか、です。
派遣は派遣先が、請負は請負元の人材会社が持ちます。
様々な問題がありますが、その一つが責任の所在です。
製造業が典型で、請負契約にも関わらずメーカー側が指示を出している場合がそれにあたります。
困るのは事故などの問題が起きた時です。
まず請負労働者には労働基準法が適用されません。
また、実際はメーカー側の指示に従って起きた事故にも関わらず、契約上は指揮権が請負人材会社にあるため、立場の弱い請負人材会社は責任をなすりつけられることもあります。

こうした様々なグレーゾーンの解決を目的として、2004年に法改正が実施され製造業の派遣も解禁されました。
また請負から派遣扱いとなることにより、メーカーは労働者に技術指導出来るメリットなどもあります。
働き方の多様化が謳われていた頃で、労働者のニーズにも合致していました。

妙な閣議決定です。

派遣会社に雇用される常用型派遣が除かれましたが、コスト高のため拡大しません。
現実的なのは請負が再び幅を利かせることです。
このため偽装請負が発覚した場合、直接雇用に切り替えられる制度も設けられる見込みですが、誰が現場を監視するのか。
また、正社員登用を促進するなどの大義名分らしきものが掲げられていますが、実際にそんなことをすればやはり人件費が高騰するため実現不可能です。

となるとこれまで派遣で賄っていた人員を適度なコストで調達するため、海外移転せざるを得なくなります。
そんな難しい話ではなく、経団連と密接な関係を持っているお歴々であればすぐに分かることです。
確信犯ではないか。
今のうちに構造改革をやっておきたいメーカーも、海外移転する大義名分を得るために後押ししたのではないか。
ついそんな邪推をしてしまいます。

妙な閣議決定です。
 
2010.03.19 別の店舗で違うものが出ると良くない

このカレー、大盛りに出来ますか?

学生時代、すかいらーくでアルバイトをしていた時に、お客様からご質問を受けました。
中で確認すると、出来ないと言われました。
ただカレーはパックを湯煎するだけのため、増やそうと思えば増やせないわけでもありません。
そのように聞き直してみると、「別の店舗で同じことをお客様が希望した場合、本来出来ないことだから仮にここで出来てもそこでは出来ない。逆にお客様の迷惑になるので、やるべきではない。」とのことでした。
パートながら勤務の長い方で、意識レベルの高い方でした。
ライスの量など目分量でやってしまうことが多いものも、きちんと測って出されていました。

18日、報道各社によると、独立行政法人日本学生支援機構より「平成20年度 学生生活調査」が発表されました。
同調査によると、学費は約118.3万円で平成12年の約112.1万円から5.5%増加。
これに対し生活費は約93.7万円が約67.6万円に。
27.8%もの減少となりました。
学費が上がる中、不況で生活費を切り詰める苦学生の姿が浮かび上がります。

学生の収入で見ると、仕送りは平成18年の約149.6万円から約144.9万円となり、3.1%減少。
これに対しアルバイトは約33.6万円から約35.8万円に。
6.5%増で減少ポイントの倍以上の増加となりました。

学生時代のアルバイトは現実的にどうしても“バイト感覚”になりますが、後から色々と役に立つことがあります。
バイト時代は歩く速度まで定められていたマニュアルに違和感がありましたが、今思えば徹底したサービスの平準化が図られていました。
またその経験を下地にすると、不況下で成功例として取り上げられる王将フードサービスには興味が湧きます。
同社はメニューの決定権の一部を支店に委譲しており、店舗ごとに異なるメニューが出てきます。
ローカル化をさらに徹底した究極の形と言えるかもしれませんが、マーケティングを徹底したこれまでのやり方には逆行し、統一イメージを打ち出せない問題が残ります。
恐らく数年後にはブランドイメージの再集約を図らなければならなくなりますが、現状はうまく機能しているようです。
飲食版アメーバ経営のようにDNAレベルまで浸透すれば、より生産性が向上するでしょう。

ところで家庭の年間平均収入で見ると、大学院の修士課程に進む学生の家庭の年収は、平成18年の798万円に対し平成20年が810万円。
就職難で就職浪人が増え、家庭に余裕のある学生においては大学院に進む者も増えたようです。
大半のヒトがそう言いますが、社会人になって思うのは「学生時代にもっと勉強しとけばよかった」。
手にしたモラトリアム(猶予期間)を、最大限活用して欲しいと思います。
 
2010.03.18 中学レベルの英語

Why not?

留学先で話していた時です。
課外活動で何かを見に行くかどうかを話していた時に、それは行かないと言うと彼はそう聞き返しました。
恐らく誰でも一度は通る道ではないかと思いますが、私はこれが「あぁ、英語を話すというのはそういうことか」と感じた時でした。

それまでは話せない日本人の典型で、「Why dont you go there?」のようにかっちり文章を組んでいました。
日本語で話す時も「行かないの?」と言い、わざわざ「なぜそこへ行かないの?」とは聞きません。
中学レベルの英語で十分とよく言われますが、実際にそうだなと思いました。
ビジネスコースにいると特定の用語が出てきますので最低限は覚える必要がありますが、それでも話すという点ではあまりレベルは変わりませんでした。

J-CASTニュースによると、マンツーマン英会話のGABAがキャッシュバックキャンペーンを実施しているそうです。
所定条件に該当すれば、TOEICスコア増加1点につき500円をバックするとか。
TOEICと実際の英会話はまた違いますが、勉強のきっかけによさそうです。

ただ時間と費用が許すなら、いきなり海外へ行かれることをお勧めします。
話せないから無理、と思う必要はありません。
日本の英語教育は文法や読解に偏りがあるものの、基本的な内容はきちんと押さえられています。
先入観を無くしきっかけさえ掴めば、意外にスルスルと言葉が出てきます。
ビジネスコースには商社や外資企業の方も多くいらっしゃいますが、彼らでも最初はぎこちないのが普通ですので一緒になっても問題ありません。

また先生もアジア人の状況はよくご存じですので、その点でも心配不要です。
どのクラスも、最初に言われる英語は「Dont be shy.(恥ずかしがらないで)」です。
それでも自分からアクションを起こせない場合は、固さが取れるまで向こうからどんどん質問してくれます。
 
2010.03.17 集金力

現金および現金同等物は200億ドル(1兆8,000億円)。
短期的負債は3,594億ドル(32兆3,460億円)。
約18.0倍です。

2008年のリーマンショック直前。
2007年におけるリーマン・ブラザーズのバランスシートには、目を疑う数字が並びます。
当時のゴールドマン・サックスでさえ、手元資金1,318億ドル(11兆8,620億円)、短期的負債4,458億ドル(40兆1,220億円)で、約3.4倍。
他の金融機関も概ね4倍前後です。
破綻結果からすれば褒められた経営ではありませんでしたが、見方を変えるとリーマン・ブラザーズは強烈な集金力がありました。

15日、時事通信によると、経営破綻したリーマン・ブラザーズが再建計画を提出したそうです。
同社は2008年9月15日に破産法適用を申請。
主要資産は売却されましたが、不動産やプライベートエクィティーなど長期投資資産はリーマン社員が管理していました。
新会社を設立し、再建予定です。

新規制がどんどん登場していますが、リスクを取れる会社と取りたくても取れない会社があります。
取れる会社には取らせれば良いのではないか。
その代わりその会社に投資した人間や組織は、一切保護なしです。
「あの会社はヒトの金で博打をした」と憤慨する投資家もいますが、その会社に投資したのは自分自身です。
恐らく結果的に、引き起こされる影響の範囲も小さくなります。

投資銀行の復権は時代に逆行するとの意見もありますが、よりグローバル化する現代では国境を超える潤滑油としてのマネーが必要になります。
投資銀行がそこで果たす役割は大きく、それはステークホルダーからも求められています。

リーマン・ブラザーズの計画は、まだ債務返済計画段階です。
現在はオバマ大統領を筆頭に投資銀行叩きが横行していますので、丁度良いかもしれません。
ほとぼりが冷めた頃に、ひっそり復活するのを期待しています。
 
2010.03.16 春風と不慮の事故

「不慮の事故」という言葉はよく使いますが、定義によってその中身は様々です。
厚生労働省のH18.人口動態統計では、不慮の事故による死亡原因の主な項目は7つ。
細かい分類を入れると19項目程度に分かれます。

最も多いのは「窒息」。
全体の31.0%を占め、特に「気道閉塞を生じた食物の誤えん」は20.5%に達します。
一時期、少し固めのゼリーなどによる事故が騒がれたことが思い出されます。

次に多いのが「不慮の溺死及び溺水」。
全体の29.9%を占め、特に「浴槽内での溺死及び溺水」割合が大きく、これだけで27.3%に達します。
やはり高齢層に多く見受けられ、65〜79歳では36.5%。
入浴には注意が必要です。

若年層が無関係かというと、そうではありません。
15〜29歳で多いのは「建物又は建造物からの転落」
20.6%に達し、「転倒・転落」全体では24.7%を占めます。

こちらでは少しずつ暖かい日が増え、春一番が吹いてもおかしくはなくなりました。
春一番と聞くと春が訪れる第一報のように感じますが、実はしばしば気象災害を引き起こします。
1978年2月28日には東京で春一番による竜巻が発生し、地下鉄東西線の車両が橋の上で脱線。
大きな被害が発生しました。
昨年7月には、丸の内でガラスの落下事故が起きています。

高台の景色の良いところで春のやわらかな日差しを浴びるのは気持ちの良いものですが、春の風には注意が必要なようです。
 
2010.03.15 骨

骨折率は炭酸飲料を飲む場合3倍、コーラの場合は5倍。
骨粗鬆症の診療ガイドラインは、砂糖摂取に警笛を鳴らしています。

人間の体は常に弱アルカリ性を維持するよう調整されていますが、砂糖を大量摂取すると中間代謝物として乳酸などの酸毒が発生します。
これを中和するため、骨などからカルシウムが奪われてゆきます。
砂糖が骨泥棒と呼ばれる所以です。

14日、読売新聞によると、ニューヨーク州政府が炭酸飲料に対して課税する新税の導入を検討しているそうです。
同紙によると、肥満が原因の医療支出は年間76億ドル(6,840億円)。
税収が増え、且つ医療費も削減出来、消費者は健康になるという点で、州政府は画期的な新税と息巻いているようです。
当然、飲料業界は猛反発しており、飲料業界の雇用減も想定されるため議論となっています。

借金慣れしているためあまり騒がれませんが、日本に限らず先進国の財政赤字は深刻です。
OECDによると2009年11月における先進国の赤字見込みは、GDP比で「イギリス12.6%、アメリカ11.2%、フランス8.2%、日本7.4%、ドイツ3.2%」。
見過ごせないのはイギリスで、財政破綻問題でゆれるギリシャの12.7%とほぼ変わりません。

日本でもたばこ税の税率が2010年10月から引き上げられるように、どの国も対象を絞り込んで
増税するのが最近のトレンドです。
ただ抜本的な効果は期待出来ませんので、景気が回復すれば日本の消費税率引き上げのような本格増税がやってきます。

政府は夏の参院選に備え様々なばら撒きや減税策を打ち出していますが、その分大きくなったリバウンドは国民に跳ね返ります。
骨抜きの安易な政策には、ノーを突き付ける強い姿勢が求められます。
 
2010.03.14 ヒューマンエラー

18世紀フランス。
軍事技術者、ニコラ=ジョゼフ・キュニョーは蒸気三輪車を開発しました。
動力システムを持ち、人員の搭乗が可能で、操作も出来る車両。
世界初の自動車です。
またキュニョーは開発中に事故を起こしたことから、世界で最初に交通事故を起こした人物としても知られています。
1台でも事故は起こります。
自動車が増えれば、事故も増えます。
重要なのは事故の原因を正確に捉え、改善することと言えます。

13日、報道各社によると、米ABCテレビがトヨタ車が急加速する現象の再現にあたり、意図的な編集をしたことを認めたそうです。
実験は電子制御システムの欠陥により急加速することを指摘したもので、エンジンの回転数が急上昇する様子が流されました。
ところが問題のシーンは、トヨタ車が停止した状態で撮影されていたそうです。
走行中の車では急加速を再現出来なかったことが原因で、結果的に欠陥がないことを証明したことになります。

選挙前の点数稼ぎでトヨタバッシングをしている、という批判はあちこちで湧きあがっています。
半分正解で半分誤りといったところでしょうか。
議員もイイところは見せておきたいものの、トヨタバッシングをやり過ぎてただでさえ危うい米雇用情勢が悪化するのは避けたい、というのが彼らの本音です。
このため、米ABCテレビも早々に非を認め、事態の収束にかかり始めました。

車を運転していると、革靴とスニーカーではまるで感覚が違います。
靴底の厚さが1cm変われば、その分アクセルはいつもより踏みこまれるため加速します。

キュニョーの最初の事故は、転回時に運転手の操作が追いつかず壁に激突したヒューマンエラーでした。
今回の原因もそこにありそうです。
 
2010.03.12 お金持ちの気持ち

昨今の金融不況で損をした、とおっしゃる方がいらっしゃいました。
軽い気持ちで「どれぐらいですか?」と尋ねたところ、「2億5千万円くらいいっちゃったかな」ということでした。
あっけらかんと話されていましたが、お金持の感覚は少し異なるようです。

桁は更に変わりますが、10日、ロイターによると、フォーブス誌が2010年付け世界の長者番付を発表しました。
今回はビル・ゲイツ氏がトップの座を譲り渡し、新しい世界ナンバーワン長者はメキシコの大富豪カルロス・スリム氏。
資産総額は535億ドル(約4兆8,200億円)で、2位ビル・ゲイツ氏の530億ドルを僅差でかわしました。

世界の富豪の資産総額は、2008年より減少したもののそれでも3兆6,000億ドル(324兆円)。
東京証券取引所によると、平成22年2月末における東証の時価総額は、二部とマザーズを足しても304兆円。
世界の富豪がその気になれば、日本の市場は簡単に操作出来てしまいます。

お金持ちの資産運用は、16%前後の利回りを目標にします。
日本は低金利に慣れきってしまっているためわずか数パーセントでもリスクに感じる傾向がありますが、お金持の感覚ではそれは収益機会の損失となります。

とはいえ資産運用には様々な知識が必要ですので、むやみに手を出すべきでもありません。
まずは慣れることから。
上がり続ける相場が無ければ、下がり続ける相場もありません。
相場は基本的に上昇と下降を繰り返しながら、中長期的には上昇してゆきます。

マイクロソフトの設立は1975年。
ビル・ゲイツ氏の資産も、ここまで来るのに35年を要しています。
お金持ちになるには、まずお金持ちの気持ちになること。
多少損失を出しても、慌てずじっくり構えていれば、色々なことが見えてきます。
 
2010.03.11 百薬の長

A little something to drink is the best medicine.

英語ではこのように言われます。
どこの国でもアルコールに関しては同じようで、意訳すると酒は百薬の長。
希望的観測の印象が拭えなかったのですが、最近の研究ではその効果が認められつつあるようです。

9日、ロイターによると、ボストンにある病院のルー・ワン博士らが医学誌に研究結果を発表。
アルコールを1日に1〜2杯飲む女性は、まったく飲まない女性より体重が増える可能性が30%ほど低いという結果になったそうです。
調査では米国人女性約1万9,200人に対し、平均13年もの追跡を実施。
同博士によると、女性のアルコール代謝が男性と異なる点などが影響したと考えられるようです。

では積極的に飲みましょう、といきたいところですが、日本では2月のビール大手5社によるビール系飲料の出荷量が前年比6.3%減となりました。
2月単月では過去最低。
消費者の買い控えが響いており、こちらも節約ママに仕分けられたようです

飲酒に関しては、いわゆる第三のビール以外にも少し動きがありました。
2008年には20代前半の女性の飲酒率が、男性を逆転しています。
厚生労働省研究班によると、同年の20代前半女性の飲酒率は90.4%、男性は83.5%でした。

景気の回復とともに、飲酒量も回復してゆくと見られます。
アルコールは功罪どちらも報告されており一概には言えませんが、仮に体重増加抑制効果がなくともたしなむ程度の飲酒機会はやはり欲しいものです。

ところで同調査によると20代前半女性において、1日あたりの飲酒量が日本酒3合を超える多量飲酒が、前回調査の6.7%から11.7%に増えていたそうです。
最近しばしば女子飲みが取り上げられますが、盛り上がり過ぎにはご注意を。
 
2010.03.09 家計変遷、まだら模様

平成12年の上下水道料支出は、1カ月あたり平均4,793円。
平成21年の上下水道料支出は、1カ月あたり平均5,023円。

総務省の家計収支調査「1世帯当たり年平均1カ月間の支出(二人以上の世帯 H12〜21)」によると、ここ10年で電気代、ガス代支出はそれぞれ0.4%、3.1%減少。
ところが上下水道料支出は4.8%増となりました。
給水人口の減少や、老朽化した水道設備の維持費問題などで、値上げされたことが原因の一つです。
市区町村合併などで回避するところもありますが、一部では2〜3割の大幅値上げとなり物議を醸しました。
結果、水光熱費全体支出でも0.3%増。
まだ目立ってはいないものの、ライフラインの値上げは静かに家計を圧迫していきます。

不況で仕分けられたのは、やはりお小遣い。
平成12年は21,651円でしたが、平成21年は13,472円で4割弱のカットとなりました。
また時代の流れを感じるのが和服支出の減少。
ここ10年で61.4%の減少となりました。

目を引くのが「健康保持用摂取品」。
健康食品や、いわゆるサプリメントです。
金額はまだ小さいですが、10年前から58.4%増加。
また年齢によって大きな差が出ており、世帯主の年齢階級別で見てみると70歳以上の支出は29歳以下のなんと6.4倍。
サプリメント会社による高齢者向けの「膝が楽になる」、「いつまでも元気で」、といったCMを頻繁に見かけますが、その理由がよく分かります。

一部を除き企業の回復が強調されますが、消費全体も悪くはありません。
全体で見るとここ10年では8.1%減ですが、平成22年1月の消費支出は前年比で1.7%増加。
6カ月連続のプラスで、かなり持ち直してきました。
消費者はメリハリのある支出をしており、今後も仕分けと特定支出への絞り込みをしつつ、緩やかに回復してゆきそうです。
 
2010.03.08 カルネアデスの板

古代ギリシアの哲学者カルネアデスは、ある問題を出しました。

船が沈没し、乗員は全員海へ投げ出されました。
一人の男が、命からがら一片の板切れにしがみつきます。
そこへもう一人の乗組員がやってきて、その小さな板切れにしがみつこうとしました。
二人で掴むと沈んでしまうため、男はそのしがみつこうとした男を突き飛ばし、結果、突き飛ばされた方は水死しました。
さて、この突き飛ばした男は有罪か無罪か?

ご存じのように答えは無罪。
日本では緊急避難と呼ばれます。

7日、時事通信によると、金融危機で経済危機に陥ったアイスランドが、外国人預金者の公的資金による保護に関し国民投票を実施しました。
対象は特にイギリスとオランダの預金者。
途中経過で既に反対票が約93%に達し、否決が確実となりました。

アイスランドは人口32万3千人。
イギリスの北西に位置し、面積も北海道と四国を合わせた程度の小さな国です。
元々、漁業などが中心の国ですが、金融経済への転換に成功し高成長。
EUより高く設定された金利が海外資金を呼び込み、アイスランドの銀行の総資産は一時期GDPの10倍程度にまで膨れ上がりました。
人口が少ないこともあり、2006年における国民一人当たりGDPでは世界5位にまで躍進しています。

暴落がやってきます。
サブプライムローン問題が表面化し、世界中の金融機関はリスクの高い新興国の高金利通貨から売却。
海外資本に依存していたアイスランドの金融システムは、債務不履行を起こし崩壊してゆきました。

一時の栄華と突然の凋落。
93%にまで偏った反対票は、国民の動揺と緊急避難心理をよく現わしています。
ただこの動きは国際的な信頼を損ない、今後の経済再建をより難しくします。

今回の国民投票は、一つ隠れた問題を投げかけました。
グローバル経済下では、自国のルールより他国のルールの影響の方が大きいという問題。
ここでいうルールとは、ルールは変えることが出来る、というルールです。
アイスランドは漁業規制を回避するため、EUへの加盟を拒否してきました。
大きな経済圏、共通のルールに属していないことも原因の一つです。

規制の状況などによってまた変わってきますが、今後も世界経済において新興国が重要な位置を占めることは変わりません。
ただその際は単一の新興国と、経済圏新興国を分けてみる必要があると言えそうです。
 
2010.03.07 中国から来た鉄くず

年間の人身交通事故件数は37.9万件。
このうち死者数は8.9万人。
死亡事故率は23.6%。
総務省の発行する「世界の統計 14-5交通事故」によると、中国の死亡事故率はサンプル数の少ない一部を除いた41カ国中トップです。

2009年の中国における自動車販売台数は1,360万台。
米国を抜いて世界一になりました。
ただ市場はグローバルマーケットとなったものの、中国の自動車メーカーがグローバル化するにはまだ少し時間がかかるようです。

中国で死亡事故が多い大きな理由の一つが、衝突安全性能。
昨年中国の自動車メーカー華晨汽車(カシンキシャ)は、ドイツ自動車連盟の衝突安全テストに挑みましたが、0点という史上最低の結果に終わりました。
シートベルト着用警告装置が搭載されておらず足切りされたためですが、仮にそれがなくても5つ星評価中3つ星。
ドイツでは「中国から来た鉄くず」と酷評されました。

トヨタのカローラは概ね4つ星を獲得しており、車種によっては当然5つ星もあります。
日本の技術レベルの高さは言うまでもありません。
また、その状態で走らせる中国の危うさが浮かび上がります。

国民性や地理的な問題もあり一概には言えませんが、実際に日本の死亡事故率を見てみるとわずか0.9%で同41カ国中トップ。
本家ドイツでも死亡事故率が1.6%ですので、人身事故を起こしても死には至らない日本車の安全性が際立ちます。

ところでいいことばかりではありません。
気になるのが事故の発生割合です。
人口10万人あたりの事故件数は、自動車大国アメリカが626件で2位。
日本は745件で、残念ながらトップです。

狭いニッポン。
皆さん安全運転を。
 
2010.03.06 世界で2番目に高い山は?

周知のように、世界で最も高い山はエベレストです。
標高8,848メートル。
ネパール、中国国境に位置し、ヒマラヤ山脈にあります。

では世界で2番目に高い山は?

答えはK2。
Kはカラコルム山脈から取られたもので、標高8.611メートル。
ヒマラヤ山脈に近く、こちらはパキスタン・インド・中国国境付近にまたがっています。
一部の地理マニアやクイズの得意な方は除きますが、あまり知名度はありません。
1位と2位は、近いようで大きな差があります。

5日、毎日新聞によると、中国の国会に相当する全国人民代表大会において、GDPの成長目標を昨年と同じ8%程度に設定することが確認されたそうです。
内閣府によると、2009年における日中のGDPは日本が5兆849億ドル(457兆6,410億円)、中国が4兆9,090億ドル(441兆8,100億円)で、日本はなんとか世界2位の地位を維持しました。
ところが2010年における日本の成長見込みは、各公表機関によって差はあるものの概ね1%前後。
この見込みを反映すると2010年の日中GDPは、日本が5兆1,357億ドル(462兆2,174億円)、中国が5兆3,017億ドル(477兆1,548億円)。
以前から言われていたことですが、日本が中国に抜かれることはほぼ確定です。

これまで日本はアメリカを除くと世界1位。
アジアでは世界1位。
場面に応じ、しばしば世界1位という表現を用いてきました。
また実際に各国も、世界の経済大国日本として接してきたことも事実です。
商慣習で世界標準にない中国がすぐにスタンダードになることは考えにくいですが、徐々に日本がK2化してゆくことは容易に考えられます。

ただ、案外良いのかもしれません。
東京がオリンピック招致レースでブラジルに敗れた時、大きな敗因の一つは世論の支持が低迷していたことでした。
ヨコの繋がりが薄れ、一体感に欠ける日本。
中国に抜かれることで求心力が高まるのなら、必要な過程なのかもしれません。
 
2010.03.04 義理・人情・プレゼント

GNPとは?
国民総生産ではありません。
周知の通り、「義理・人情・プレゼント」の略です。
昔の保険業界は、いわゆる生保レディーによるGNP営業に支えられてきました。
現在の礎を築いた先達には敬意を払いますが、時代は変わりました。

ファイナンシャルプランニングが浸透し、昨今の流れは「おカネのことをきちんと考えよう」です。
生命保険文化センターによると、月々の保険料の全国平均は約4.4万円。
仮にこれを35年間払い続けると、総額は1,848万円。
家の次に高い買い物と呼ばれる所以です。

折からの不況もあり、いかに無駄を省くかに注目が集まりました。
まず意外に活用出来るのが、遺族年金などの公的保障。
各加算は簡略化しますが、現行制度ではサラリーマンのモデル世帯の場合年間79万2,100円、月換算で約6.6万円が支払われます。
これに遺族厚生年金が月約4.3万円程度足されるため、11万円程度は確保出来ます。
月々の生活費が30万円なら、いざという時の生活費は1人減る分目安7割程度となるため21万円。
従って民間保険で準備すべきなのは、月換算で10万円程度です。

またこれまでの、保障額がずっと一定の保険も見直されるようになりました。
もっとも一般的な定期保険は、数千万円の保障が一定期間続きます。
ところが、子供が社会人となり独立するなどするとその分の保障は不要となります。
子が増えると逆に保障額は増えますが、全体で見ると必要保障額は徐々に減少してゆきます。
このため保障逓減型の保険が登場し、より合理的になりました。

2日、日本生命は自社ホームページにて「平成22年度 組織改正および人事異動について」を発表。
常務執行役員に生保レディー出身の矢崎氏が名を連ねており、業界でも異例の昇任となりました。
長く営業に従事しており、現場に精通。
現場の声を吸い上げる点では適任と言えます。

同社の意図と異なりますが、期待するのは現場否定です。
生保レディーはヒトの入れ替わりが早く、半年もすればメンバーががらっと変わっています。
このため教育が難しく、結果、短期間の身内売りが横行します。
ただ親戚を取りきったところで終了するため、長くは続きません。

実際に現場にゆくと、ヒトの良い方ばかりです。
ただ、保険知識はほとんど教育されていません。
金融知識となるとパンクします。
誰が悪いというつもりはありませんが、良い方がいて伸びないのであれば会社の責任です。

先達は約28兆円の巨大市場を築き、またその市場の地位を落としめました。
辞令は3月25日付。
現場に媚びない、改革の第一声を期待します。 
 
2010.03.03 モノを造らないニッポン

2日、総務省は「労働力調査(基本集計) 平成22年1月分」を発表。
失業率は4.9%と前月に対し0.3ポイント改善。
また同日、厚生労働省は「一般職業紹介状況 平成22年1月分」を発表。
有効求人倍率は0.46倍となり、前月比で0.03ポイント改善しました。

日経平均は、前日から49円高の10,221円。
日本の雇用情勢よりも週末の米雇用情勢が注目されており、あまり材料視されませんでした。
ただ就業者数の推移を見てみると、なんとなく感じていることが徐々に現実となりつつあるようです。

1月の就業者数は全体で6,213万人。
このうちモノ造り大国ニッポンが誇る製造業は1,053万人で、構成比では16.9%に達します。
もう一つ就業者数が多い業種があります。
卸売・小売業。
こちらの就業者数は1,054万人。
僅差で製造業を抜きました。
もちろん卸売・小売業が躍進したわけではありません。

製造業の就業者数は減少を続けており、平成14年からは12.4%減少。
卸売・小売業も減少していますが、同4.9%減で製造業の減少が大幅に上回りました。
逆転自体は平成6年にも起こっていますが、その後製造業がもち直した時に卸売・小売業を抜き返し、一旦元に戻っていました。

雇用縮小が大きな要因ですが、もう一つ大きな要素はやはり生産の海外シフト。
今回の金融不況で中身が見えにくくなりましたが、人件費に苦しむ日本企業が海外に活路を求める構図はより拡大しています。

「日本を見捨てるのか」といった議論もあり、感情論であるもののそれはそれで大事なことです。
ただそういった主張をする方々でさえ、純日本製品のみで生活してゆくことは現実的ではありません。

100年に1度の不況という特殊な状況下のため、もう少し様子を見る必要はあります。
ただこういった不況は構造転換を促すため、ユニクロのように大半が海外生産となる方向へ動くかもしれません。
 
2010.03.02 自転車の練習

自転車のペダルを勢いよく踏み込み、ぐいぐい前へ進みます。
しばらくしてふと後ろを振り返ると、押さえているはずの親がいません。
するとそれまではちゃんと前に進んでいたのに急にバランスが悪くなり、そのままバタンと倒れてしまいます。
誰もが経験したことのある、自転車の練習の一コマではないでしょうか。

ヒトの運動は、基本的に随意運動と不随意運動から成り立っています。
随意運動は自らの意志による運動で、大脳から刺激が送られ随意筋が収縮することによって起こります。
これに対し、心筋の収縮や反射などが不随意運動にあたります。
自転車のケースでは事態を意識することにより筋肉が緊張し、円滑な収縮が妨げられることによりバランスが崩れます。

28日、長かったバンクーバーオリンピックも閉会式を迎えました。
以前は無邪気にぽんぽんとジャンプを飛んでいた、浅田真央選手。
「ジャンプに失敗したときのプログラムは考えたことがなかった」とコメントしたことがあるように、自然に演技が出来ていたようです。
それから数年の月日が経過。
バンクーバーの頃には「金が欲しいです」とのコメントになり、明確な意識が見られました。
フリープログラムでの普段あまりないミスは、この意識が作用したようです。

世の中には様々な天才がおり、いきなり普通は出来ないことが出来てしまいます。
ところがその状態がずっと続くかというと、周知のように続かないことが普通です。
競技は順位という分かりやすい目標がありますが、天才であるかどうかは問われません。
天才の取った1位も、そうでない者が取った1位も同じ1位だからです。
厳しい世界では、結果が全てです。

浅田真央選手は、オリンピック初参加にも関わらず銀メダルを見事に勝ち取ってきました。
重圧の中結果を出したことを、賞賛したいと思います。
 
2010.03.01 リュウグウノツカイ

味覚や聴覚は感覚器により認識されています。
辛い物を食べれば舌にある受容体がそれを感知し、脳に知らせます。
他に視覚、触覚、嗅覚があり、五感と呼ばれています。
その向こうにあるのが第六感。
いわゆる予知などがそれに当たりますが、受容体が無いという点で科学的には認められていません。

先月27日、読売新聞によると、深海魚リュウグウノツカイが日本海沿岸で相次いで見つかっているそうです。
全長4〜5メートルの大型の魚で、ウナギの深海魚版のような風貌をしています。
昨年末頃から富山県や石川県などで10数匹以上が捕獲されたり漂着したりしており、過去に例が無く原因も分からないそうです。
大きいものでは10メートルを超え、普段は水深200〜1,000メートルに生息。
めったに姿を現さないことから、出現すると「地震の前触れ」という言い伝えがあります。
こういった生物には通常、人間にはない感覚器が備わっており、地磁気や電磁波の異常などを事前に感知できると考えられています。

同27日、南米チリでM8.8の地震が発生。
ビルの倒壊など大きな被害となっており、日本にも太平洋沿岸の一部に多少の津波が押し寄せました。
メディアや公共機関は迅速に対応し、情報の周知徹底から避難勧告まで円滑に進んだように感じます。
テレビでは大津波の警戒画面が、常時表示されていました。

現在、地球は約46億歳。
その時間の中では、現在の人類の繁栄は地球にとって瞬き程度の一瞬です。
周知のように日本でも定期的に地震が発生しており、首都圏でもM7〜8程度の大地震が科学的に予測されています。

今回は一部を除いて比較的軽微の被害で済みました。
避難が不要であった地域もあります。
気を付けなければいけないのは、今後かもしれません。
言われ慣れると、どうしても軽視しがちになるからです。

無駄になっても、何も無いのが一番。
マスコミは様々なシーンで意図的に偏った伝え方をすることがありますが、避難に関しては騙されるぐらいで丁度良いのではないでしょうか。
 
 



Adual株式会社(アデュアル)

 

代表取締役 堀池泰)

 


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