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IPOを考える社長の気まぐれコラム

2010.04.30 基地と米軍が守るもの

だましだましやってきたが、抑えきれなくなってきた。
普天間基地の移設問題は、負の歴史を改めて突き付けると共に、一つの危うい転換点を迎える危険性をはらんでいます。

沖縄に米軍が駐留しているのは戦争の歴史があるためですが、日本はバラックから奇跡的な経済成長を遂げました。
当初は占領軍であった米軍も次第に役割は変わり、日本やアジア・パシフィックの地域安定に貢献するようになりました。
見方を変えれば米軍という盾のおかげで日本は国防を半ば無視して経済活動に専念でき、結果、世界2位の経済大国になったとも言えます。

あまり流されませんでしたが、日本人の一団から「国へ帰れ」コールを受けた米軍の兵士が、泣きながら「君たちを守りにきたんだ」と訴えるシーンが放映されたことがあります。
米国からすれば、長年守ってきた“つもり”の日本に出ていけと言われるのは、飼い犬に吠えられるようなことに感じるのかもしれません。

様々な事件もあった沖縄県民の気持ちは、汲み取らなければなりません。
とはいえ本当に米軍が日本から出ていくと、空母も爆撃機も持たない日本は何かあった時に戦えません。
先進国家が台頭する現代では戦争の起こる可能性は極めて低いですが、孫の孫ぐらいの世代の頃にはどうなっているか誰にも分かりません。
歴史を真正面から読み解けば、少なくとも有事への備えは必要です。
ただ現状の日本にその経済力はありません。

どこかが受け入れなければならない。
私は川崎に住んでいます。
徳之島の反対派の方々を批判するつもりはありませんが、仮に移転先が川崎となっても反対はしません。
少なくとも地域の代表は、話し合いのテーブルに着く義務があります。
 
2010.04.29 魔女狩りの行方

どこか潰れないと止まらない。

サブプライムショック以降、下落が止まらない米国株式市場では、そんな声が囁かれていました。
行われたのが魔女狩り。
ターゲットになったのがAIGやリーマン・ブラザーズです。

保険の枠を超えてリスク投資をした保険会社、極端なハイリスク・ハイリターン運用をしていた投資銀行は、格好の的になりました。
市場はその後も暴落しますが、こちらは予定暴落。
落ちるだけ落ちた後に反転上昇し、ようやく市場は落ち着きを取り戻しました。

27日、報道各社によると、ギリシャ国債の格付けが引き下げられ投資不適格と評価されました。
スタンダード・アンド・プアーズは、「BBBプラス」から「BBプラス」まで3段階引き下げ。
BBプラスはジャンク債扱いです。

どうやら市場は見つけたようです。
ギリシャ問題に関してはEUでは収まらず、IMFも出動して最大450億ユーロ(約5兆6,000億円)の緊急融資が見込まれたばかりでした。
既にギリシャの喉笛に喰らいついていた市場は、徹底的にやるつもりのようです。

魔女狩りが怖いのは、魔女の周囲も魔女とみなされるところ。
飛び火は避けられないかもしれません。
 
2010.04.28 駆け引き、プロ野球と検察

何かのプロ野球記事で、印象に残っているものがあります。
引退が近付いていた頃の落合選手のバッティングについての記事で、落合選手が打てたのは「わざと空振りしたからではないか」という内容でした。

正確な内容は覚えていませんが、力の衰えを自覚していた落合選手は、難しいコースに来た球を一度わざと空振り。
すると投手は今の落合ではあのコースは打てない、と判断します。
そこで決め球にもう一度そこへ投げ込みますが、そこへ来るのが分かっているので落合選手は待ってましたとミートします。
それが事実かどうかはさておき、見えないところで色々な駆け引きがあるようです。

27日、報道各社によると、民主党の小沢一郎幹事長が政治資金規正法違反事件に関して検察審査会から「起訴相当」と議決を受けたそうです。
現状では、当人は「何もやましいことはない」と早々に続投を明言してはいます。
同事件においては、検察当局の強引な捜査があったにも関わらず、最終的には不起訴と結論付けられていました。

不当政治介入の恐れまで指摘されながら本丸を落とせなかった捜査は、一部で嘲笑もされました。
さてこの空振り、決め球を打つためのものだったのか。
ただ、現時点では決定打にはなりません。
今後起訴に持ち込むには、議決を受け東京地検特捜部が再捜査の上で起訴するか、再び不起訴処分となっても再度「起訴相当」と議決されれば強制起訴となります。
不正があったのであれば正さなければなりませんが、いずれにせよ現時点では検察のプライドが政局の混迷を深めています。

落合選手はミートしたものの、ホームランには至りませんでした。
同記事によると、「今の力じゃ、あそこまでしか飛ばないか」といった苦い顔をしたように見えたそうです。
今回の一件で検察はどこまで飛ばせるのか。
もっともスタンドまで飛んだとしても、方向によってはホームランボールを拾うのが自軍のファンとは限りませんが。
 
2010.04.27 やる気が下がると1万ドル

孫子の兵法では、「戦略・戦力・士気」が重要であると説かれます。
状況によって重要性が変わり、武器などの戦力が同じであれば戦略が重要になります。
調査研究によると、現代で重要なのは士気。
疾病による士気低下が問題のようです

26日、プレジデントは健康と生産性の関係を発表。
疾病による損失額がいかに大きいかを説いています。
同発表では、米ダウ・ケミカル社の社員1万人に対するアンケート結果を引用。
アレルギーや喘息、うつ病などの仕事への影響を調査したところ、労働時間の約20%に悪影響を及ぼしていることが分かりました。
これらを金額に換算すると、1人あたり年間約1万ドル(約94万円)の損失。
同社では人件費の10.7%に相当するそうです。

大企業では「メンタルヘルス」という言葉が比較的定着しましたが、制度化されている企業は少なく、制度がうまく機能しているところとなるとごくわずかです。
見方によっては長所ですが、基本的に息抜きが苦手の真面目な日本人。
今年のゴールデンウィークは日並びがよく、有給を取れば最大11連休です。
最近は直前のキャンセルばかりを集めた“ワケあり”ツアーサイトなどもあり、活用すればむしろ割安。
まだ間に合いますので、行き詰った方は是非どうぞ。
 
2010.04.26 ゴボウとすい臓がん

元々日本には自生しておらず、入ってきたのは縄文時代。
食卓に並ぶようになったのは江戸から明治にかけてと比較的最近で、根や葉が食用になります。
根の調理ではきんぴらが代表的な料理。
繊維質が多く便秘予防に効果のあるゴボウは、人気食材の一つです。

25日、読売新聞によると、国立がん研究センターはゴボウの種子にすい臓がんの抑制効果があることを公表。
まだマウス実験段階ですが、抗がん剤が効きにくいすい臓がんに対する新しい治療法が期待されます。

5年以内の相対生存率はわずか5.5%。
すい臓は他の臓器に比べ、相対生存率が圧倒的に低いのが特徴です。
実際に皮膚がんは同87.5%、女性のがんでは乳がん同83.1%、子宮がん同70.5%など高い相対生存率があります。
病気の性質よりは発見が難しいことが原因で、すい臓は体の真ん中にあり、胃・十二指腸・小腸など各種臓器に囲まれています。
初期は自覚症状がないこともあり、早期発見は稀。
少しでも相対生存率を向上させる治療法の確立は急務でした。

リレーなどで後方から他の選手を一気に抜き去ることを、ゴボウ抜きといいます。
今回の発見で、すい臓の相対生存率が劇的に改善されゴボウ抜きとなるか。
国立がん研究センターの次の発表に注目が集まります。
 
2010.04.24 会議はぶれる、そして決まらず

もうどちらでも良い。
そんな国民の声が聞こえてきそうです。

物議を醸した高速道路の新料金案は、先送りされ最終的に何も決まりませんでした。
以前「戦略的曖昧さ」という奇妙な言葉を使った方がいましたが、米国から決定しないという決定など存在しないと呆れられたことも忘れたようです。

無料化と値上げ。
正反対の主張であるものの、ゴールは経済の活性で一致しており発言がぶれたことなど問題ではありません。
議論するならどちらの施策がより効果的か。
ところが両施策における経済効果の比較もなく、誰が何を言ったかばかりが取り上げられています。
そもそも無料化するだけの財源がないことから、選択肢は初めから極めて限定的です。

自民党は分裂し、新党が産声を上げました。
そんな中で、自民党から出てきた参院選公約は法人減税・消費増税。
まだ数値目標が盛り込まれていないため正式決定待ちですが、税財政改革という点であるべき形の一つが提言されました。

様々なパフォーマンスが目立ちますが、大切なのは政策の比較。
政治ゴシップはさておき、民主党も早々に方針を定めなければなりません。
 
2010.04.23 ペンと検閲

ベラルーシ、ミャンマー、中華人民共和国、キューバ、エジプト、イラン、朝鮮民主主義人民共和国、サウジアラビア、シリア、チュニジア、トルクメニスタン、ウズベキスタン、ベトナム。

国境なき記者団は、ネット検閲反対を訴え13のインターネット敵国を発表。
ネット巡回そのものは各国で行われていますが、少々厳しい検閲をする国として残念ながら一般的なイメージに反しない国々等が挙げられました。
2006年11月のことです。

20日、報道各社によると、グーグルは国別のネット検閲件数を発表。
昨年末までの半年間で各国から削除するよう求められた件数を合計したもので、トップはブラジルの291件。
撤退した中国については、グーグル側が発表を控えました。

ブラジルに関しては、以前からネットカフェの利用者に電話番号と身分証明書番号の登録を義務付けるなど、ネットに関して厳格な対応を取っていました。
2位のドイツは188件、3位のインドが142件です。

中国ではメジャーポータルサイトに政府に対して批判的なコメントが掲載されると、ものの数分で削除されることがあります。
専門の検閲部隊が捜査しており、特に政治的な発言には敏感なようです。

様々な民族が存在しそれに合った社会体制が必要になりますが、世界が近くなった現代では認められる体制である必要もあります。
中国に関しては残念ながら今に始まったことではありませんが、自ら開催する万博を契機に改めて国際社会について考えなければなりません。
 
2010.04.20 打ち水か、冷や水か GS証券詐欺容疑

夏場になると、道路に打ち水をする光景があちこちで見かけられます。
まかれた水は蒸発する際に熱を奪い気温が低下。
水1gの蒸発で、約0.58kcalの熱が吸収されます。
見た目にも涼しげで、やわらかなひと時を提供してくれます。

ゴールドマン・サックスが証券詐欺容疑で米証券取引委員会より訴追を受け、市場は結果的に打ち水を浴びました。
過熱感を示す騰落レシオが一時150%を超えていた日経平均は、株価の急落により騰落レシオが117.9%まで低下。
警戒ゾーンの120%を下回りました。
短期的な調整のためしばらく余談を許しませんが、ひと時の涼風となりました。

ウォール街では規制強化を強行するオバマ大統領の意地と、抵抗金融機関の構図が続いています。
どちらも引くに引けませんが、大枠で規制強化が進む方向は恐らく変わりません。
今回の一件でオバマ大統領は、再び存在感を示す機会を得ました。
ワシントンで開催予定のG20で、主要議題とする構えです。

古来、玄関先などへの打ち水は場を清める神道的な意味合いがあり、お客様への心遣いとされてきました。
安易な規制強化がむしろ経済回復を妨げることは、周知の通りです。
打ち水となるか、冷や水となるか。
米国の心遣いが試されます。
 
2010.04.19 国際舞台

同じアジア人であることもあり、髪質で見ると中国人と日本人はかなり近いそうです。
ウィッグやいわゆるカツラなどがありますが、髪の毛の出元は大半が中国。
それも中高生の髪が最も質が良く、農村の貧しい家庭では重要な収入源です。

19日、報道各社によると、盗作疑惑のあった上海万博のPRソングに関し、万博実行委員会が
正式に元歌の権利を有する事務所に楽曲使用申請をしました。
事務所側は快諾の意向を表明しており、事態は収束しそうです。

WTOに加盟して以来、中国は国際ルール化の努力をしてきましたが、なかなかこれまで慣れ親しんできたスタイルから抜け出せていません。
海賊版は相変わらず流通し、有名テーマパークに酷似したアミューメントパークも存在します。
今回の対応は経緯が経緯だけに難しいところですが、その中で珍しく正規のルールに乗っ取ろうとしています。
信憑性はさておき一般統計上は世界2位の大国になるのですから、身近なところから少しずつでも改善されてゆくことは評価出来ます。

上海万博に出典を表明している国、および国際機関は既に221。
過去最大の国際博覧会となることが予想、期待されています。
北京オリンピックでは天候をコントロールしようとするなど、相変わらず異質なところが見受けられました。
違いを出すことは重要ですが、それがある一定の枠からはみ出すと誰からも認められません。
国際舞台で正しく振舞える成長を示すため、2度目の機会を活かして欲しいところです。
 
2010.04.17 鶏が先か卵が先か

草食動物が肉食動物の殺気を事前に察知して逃げるように、動物は本能的に様々なことを悟ります。
動物と言う点ではヒトも同じ。
科学が発達して生活が便利になった結果忘れ去られたように感じますが、いざという時には本能が蘇ります。
馴染みのある言葉を用いると勘が良いということですが、この本能は意外に身近なところでも働いているのかもしれません。

15日のNY金相場は1トロイオンス1,160ドル。
昨年末に1,000ドルを超えてからも、相変わらず高止まりしています。
主な原因は米国が低金利政策の継続を表明していることですが、それでも金利のつかない現物資産に資金が集中するのは違和感のある光景です。

金がその価値を最も発揮するのは、インフレ。
紙幣が紙くずとなれば、現物資産が価値を発揮します。
世界的に不況が底を打ちつつあり、各国は出口戦略に頭を悩ませています。
中国の不動産バブル再燃が典型ですが、巨額の財政出動は潜在インフレとなっているからです。

いわくつきのデフレ宣言で昨今の日本ではインフレという言葉がピンときませんが、消費者物価指数を時系列で見てみると過去39年の年平均総合物価上昇率は3.0%。
物価は3.1倍となり、39年前に1万円で買えたものは今では3万1千円必要です。
ただしここ10年での、同上昇率はマイナス0.3%。
確かに物価高を感じにくい結果となっています。
ところが過去20年で見てみると、同上昇率はプラス0.5%。
今後を占う上で昨今のデフレは、やはり一時的なものと言えそうです。

円高が続いていますが、周知のように日本に国力があるわけではありません。
消去法的に円が買われているだけで、中長期的には円安方向へ適正化されると考えられます。
一時期は円高還元セールが流行りましたが、円安では逆に輸入物価高。
日本は輸入大国ですので、モノの値段がじわりと上がります。

インフレが来るのではないか。
各国の投資家にはごく自然な本能が働いているようです。
 
2010.04.15 車高の高い車

以前、何人かで旅行に行った際、今乗っている車が2シーター車のためワゴン車をレンタルしました。
橋を渡る際風にあおられ、車がググッと片側に寄せられた記憶があります。
風にかなりあおられたことから、車自体に疑問も持ちました。
ただ、普段乗っている車がスポーツタイプで車高が低いため、車高差が大きかったことによる錯覚が原因と考えています。

14日、AP通信によると、トヨタのレクサスに消費者団体の専門誌が注意喚起したそうです。
対象はレクサスSUVタイプのGX460。
同誌によるとGX460は、テスト結果シャープカーブにおいて横滑りや横転事故を起こしやすく、深刻な事故となる可能性があるそうです。
ただし注釈があり、実際にそのような事故の報告があった訳ではないとか。

一連の騒動が一段落したところに、また新しいトピックスが提供されました。
功名心による報道の感が拭えませんが、万が一のことを考えると放っておくわけにもいきません。
トヨタは今回は早々に声明を出し、米国におけるGX460の販売一時停止を決定しました。
現在、同様の環境下で徹底調査中です。

出る杭は打たれますが、鉄は打てば打つほど強靭になります。
米国自身のおかげで、GMとトヨタの差はますます広がりそうです。
 
2010.04.14 役所仕事

印刷会社の方がされることですので、分かりません。

先日「料金受取人払い郵便」の手続きをしていると、こんな返事がきました。
自身の仕事を放棄しているのと同じですが、残念ながら発言主はその事にすら気付いていないようです。

「料金受取人払い郵便」は後納郵便の一つで、会社でまとめて支払います。
手続きには認可番号が必要で、番号とバーコードを封筒に印刷すると完成です。
早速申請したところ、まずわら半紙のような古い紙がきました。
バーコードが記載されており、通常サイズと拡大サイズがあります。
誰のバーコードか書かれていないため、最初はサンプルと勘違いします。
また自社用であることが分かっても、それをどうやって転写するか記載がないため方法が分かりません。
ホームページを調べると完成図のみが掲載されており、やはりプロセスは分かりませんでした。
仕方なく問い合わせたところ、今度は冒頭の回答が返ってきました。

2007年に10月1日に民営化。
2年超が経過しましたが、中身は全く変わらないようです。
なかなか難しいもので、組織体制が変わっても現場の意識が変わらなければ改善はありません。
ところが現場はその状態に慣れ切ってしまっているため、改善の前段階である問題意識を持つことがないようです。

郵政見直しでは、差し当たり限度額の引き上げが決まりました。
扱うお金の金額が大きくなればより丁寧な説明やサービスが求められますが、現場にそのキャパシティはありません。

選挙対策であることは明白ですが、決まってしまったものは仕方がありません。
ただこのままではお客様に迷惑がかかりますので、せめて社員教育の拡充が求められます。
 
2010.04.12 クニのエネルギー

留学先のクラスに、1人だけタイ人女学生がいました。
専攻によりますが、留学には多額の費用がかかります。
結果欧米のビジネスマンが多く、アジアでは韓国人、中国人が大半でした。
所得の低いタイからの参加は費用面でかなり厳しかったはずですが、彼女はごく普通に授業後のアクティビティにも参加していました。
もちろん直接聞いたりはしませんでしたが、恐らく本国ではかなり裕福な家庭であったのではないかと思われます。

ハーバード大学の大学基金運用内訳を見てみると、1割程度のTIPs投資が入っています。
TIPsはタイ、インドネシア、フィリピンの総称で、次の新興国投資の一角とみなされています。
実際にタイの1人あたりGDPは4,115ドル(約38.3万円)。
中国の3,315ドルの約1.2倍に達します。

10日、報道各社の発表によると、タイの首都バンコクではデモ隊と治安部隊との衝突があり、多数の死傷者が出ました。
7日に非常事態宣言が出されていましたが、直接発砲もあり半武力衝突の様相を呈しています。

成長期に見られるエネルギーの歪んだ発散。
日本も高度経済成長期に、学生運動が活発になった過去があります。
団塊世代がこの時期にあたり、競争人数増から大学入試の倍率が高騰。
ところが大学入学後の授業は緩慢なものであり、競争を突破した優秀な学生はフラストレーションを貯め込みました。
そのエネルギーは過度に学生運動へ注がれ、思想的なリンチ事件や学生の死者が出るなどの社会現象に発展しました。

日本はその後も更に急成長し、世界2位の経済大国へ発展します。
日本が経済拡大の目安となる1人あたりGDP3,000ドルを超えたのは1973年で、ほんの37年前のことです。
タイに限りませんが、今後過渡期の新興国において似たような状況が増えてくることが考えられます。
それは20〜30年後に新たな新興国が台頭する、出発点かもしれません。
 
2010.04.11 妥当な高速料金値上げ

土日祝や時間帯も関係なく、普通車の上限は2,000円。
目安は、走行距離が70キロメートルを超えると上限に達します。
高速道路の新料金制度は、6月から適用予定です。

民主党は高速道路の原則無料化を掲げていましたが、無料路線と有料路線を併用する現実的な着地となりそうです。
この施策によって土日は事実上値上げとなりますが、結果財源はかなり浮きました。
前原国交省によると、削減効果は1.1兆円に達するそうです。
削減分の使い道は既に決まっており、一部の高速道路の整備や拡充などいわゆるコンクリート関連にあてられます。

一つ、線が引けました。
国民にもう少し痛みをお願いしても、大丈夫そうです。

今回の制度見直しは、極めて大きな拒絶反応には至っていません。
もちろん実際に動き出すとどうなるか分かりませんが、今のところ自然に動いています。
少し前からその流れがありましたが、調査では国民はマニフェストに囚われすぎずに将来を見据えた政策をして欲しい、という意志をしばしば見せていました。
どこまで許容されるかは判断の難しいところですが、今後も痛みを伴う改革がある程度は受け入れられそうです。

選挙の争点がどこになるかはまだ分かりませんが、そろそろある覚悟を持った出口戦略が求められます。
相場の暴落を招くとしても、出来るうちに財政赤字を停止、収縮すべき手を打たなければなりません。

次は消費税増税選挙にしてはどうか。
少しずつ理解されつつありますが、どのみち消費税増税は避けられません。
ただ激変緩和は必要ですので、増税幅は2〜3%に抑え、逆に法人税は下げます。
香港やシンガポールと競争するため基本税率ベースで20%を切れれば理想ですが、いきなりそこまでは望めませんので、せめて中国なみの25%程度にします。

現在消費が力強さを見せないのは給与所得が増えないことが主因の一つですので、うまく行き渡れば結果的に企業業績と消費の両軸での回復が期待出来ます。
また日本は法人税率が各国に比べ高いことから税引き後利益が低く、キャッシュをなかなか蓄積出来ません。
結果投資に資金が回らず低成長となる構造は、そろそろ改められるべきです。

おカネが無い時の増税。
嫌悪感を持つのが普通の感覚ですが、私達も受け入れる準備が必要です。
 
2010.04.10 ハトのリーダーシップ

フランスの心理学者ギュスターブ・ル・ボンは、群集心理を人格の喪失、及び操縦者の暗示により行動する集団の心理、と説きました。
構成人数がある一定のボリュームを超えると自然な現象ではありますが、英国とハンガリーの研究チームによると、集団の中にも自律性は存在するようです。

ロイターによると、同研究チームは伝書バトにGPSを取り付け追跡調査を実施。
群れは飛ぶ方向などを瞬時に決定する際、「柔軟なリーダーシップ制度」をもって判断していると発表しました。
ハトは全ての個体が意志を持っているものの、決定の際には影響力を持つ個体とそれに従う個体に分かれる結果となったようです。

ポイントは影響力を持つ個体が複数存在すること。
必ずしも先頭のハトに従うとは限らず、左翼にいる影響力を持ったハトが方向転換した場合、群れ全体がそれに従ったりします。

新しい政党が登場し、再び政局が劇場化してきました。
2大政党であったはずが、どちらのリーダーも大きな影響力を持つに至っていません。
パフォーマンス要素が強く一大組織になるとは思えませんが、結果的に現民主党がそうであるように一度影響力を持つと誰が従うか分かりません。

本来影響力を持つのは、選挙権を持った国民です。
あちらの群集とは一定の距離を保ち、冷静に判断したいところです。 
  
2010.04.06 ムンバイの鮮やかなファッション

米国、46,859ドル(約440万円)、世界15位。
フランス、46,015ドル(約433万円)、世界16位。
ドイツ、44,660ドル(約420万円)、世界19位。
イギリス、43,785ドル(約412万円)、世界20位。
日本、38,559ドル(約362万円)、世界23位。

ロシア、11,806ドル(約111万円)、世界51位。
ブラジル、8,197ドル(約77万円)、世界63位。
中国、3,315ドル(約31万円)、世界104位。
インド、1,016ドル(約9.6万円)、世界142位。

国民の豊かさを示す1人あたりGDPで見ると、2008年IMF調べでは先進国と新興国との間にはまだ大きな隔たりが見られます。
ところが数10倍の差があっても、周知のように現在の新興国の存在感は先進国を凌ぎます。
また消費拡大の目安は、1人あたりGDP1,000ドル。
インドは2008年に分岐点を突破し、10.4億人の人口パワーで更なる拡大を続けています。

5日、朝日新聞によると、インド・ムンバイの消費動向では特定の傾向が見られました。
調査は経済産業省が行い、ムンバイ・香港・シンガポール・バンコクのアジア4大都市における、20〜30代の中間層が対象。
結果、「ファッション、美容にお金をかける」はムンバイが最も高く、92%がそう回答しました。
1カ月の平均衣料支出は約3千円。
若い女性には、鮮やかな色合いの洋服が好まれているそうです。

日本も分岐点を越え、高度経済成長を遂げてきました。
特殊な社会構造や宗教の問題もあり一概には比較出来ませんが、新興国は引き続き経済をけん引しそうです。

ところで世界で最も豊かな国は?
あまり知られていませんが、答えはルクセンブルク。
1人あたりGDPは113,043ドル(約1,063万円)で、日本のほぼ3倍です。
  
2010.04.04 上場する会社、しない会社

現在、当社は、当社株式を証券取引所に上場する予定はありません。

サントリー社の財務情報ページトップには、そのような注釈が記載されています。
2009年売上高1兆5,507億円。
与信と言う点においては、同社に上場は不要のようです。

世界最大の非上場企業は?

答えは米カーギル社。
2009年売上高1,166億ドル(約10兆9,600億円)。
何の会社かというと穀物会社です。
以前5社あった“穀物メジャー”は現在同社と、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの2社に再編され、世界の穀物取引を事実上支配しています。
また世界各地の情報を得るため、独自の人工衛星を持つことでも知られています。
アメリカの政策も一部担う巨大企業で、ここまでいくと上場云々と次元が少し異なります。

第一生命が上場し、相場が活況を呈してきました。
同社においては上場の主眼は今後の世界的な業界再編を見据え、機動的なM&Aに対応することと見られています。

世界最大の上場企業は、米国のエクソン・モービル。
2008年売上高は4,773億ドル(約44兆8,662億円)に達し、企業の枠組みを超えて成長し続けているようにも感じられます。

日本には、まだまだ世界で戦える企業が少ないのが現状です。
サントリーとキリンの統合破談は残念でしたが、ここのところようやく積極的な動きが散見されるようになってきました。
企業が活性化することにより、景気指標も随分改善してきました。

そう言えば一時期、景気の二番底懸念がかなり騒がれました。
最近はほぼ聞かなくなっています。
  
2010.04.03 エイプリルフールのから騒ぎ?

相場は概ね3つの要素で動きます。
ファンダメンタル、テクニカル、プレーヤーメンタル。
どれも重要で俯瞰的に追いかける必要がありますが、ここ最近は投資家心理(プレーヤーメンタル)が幅を利かせているようです。

4月1日、日経平均は前日から154円上昇し、11,244円に達しました。
前日比1.4%増。
各国も堅調で、同日はアメリカ0.6%増、イギリス1.1%増、ドイツ1.3%増、フランス1.5%増。
日本、アメリカは政権不安、ヨーロッパは債務不安が解消されていませんが、景気回復期待先行で各国とも上昇トレンドです。

新興国も続いており、ブラジルは前日比1.1%増の71,136。
昨日に年初の1月13日以来、約2カ月ぶりの7万を回復し、且つ続伸しました。
ブラジルは2008年5月20日に最高値の73,517を記録していますが、96.8%を取り戻しています。

日本が顕著ですが、地合いはかなり力強い様相。
3月30日に発表された鉱工業生産指数2月速報は、前月比0.9%減で市場予測平均の0.5%減を下回りました。
反動減要素があったものの12カ月ぶりの低下で影響が危ぶまれましたが、日経平均ではまったく材料視されず、この日は111円も上昇しました。

第一生命フィーバーもあり、ここのところ投資家心理はかなり攻めの姿勢を持っています。
収益改善が期待される企業の決算報告までこのままの勢いでいけば、選挙対策のばら撒きも相まってより続伸する展開となるかもしれません。

急変する可能性は?
あります。
騰落レシオは148.8で警戒ラインの120、過熱ラインの130を突破し、膨れ上がった風船のような状態です。
どこかのタイミングで、一旦ポンといっても不思議ではありません。
ただ、それはむしろ自然な状態ですので、慌てずどんと構えていきましょう。
  
2010.04.01 自殺率、米国の2.2倍

1897年、フランスの社会学者エミール・デュルケームは「自殺論」を発表。
初めて社会的な要因から自殺を研究したものであり、19世紀後半においてヨーロッパの自殺率が急上昇していたことから一部の脚光を浴びました。
それまではキリスト教的価値観から自殺は罪と考えられており、自殺は社会的要因などが誘発するものである、としたデュルケームの考え方は現実に即した新しいものでした。

近年ではWHOの自殺予防に関する特別専門家チームが、自殺を決定づける最大の因子は自殺集団の入手である、と発表。
自殺は個人や社会に内在する多くの複雑な原因によって引き起こされますが、予防がいかに重要であるかを説いています。

30日、内閣府は自殺に関する調査結果を発表。
自殺者数は12年連続で3万人を突破し、先進国における自殺率の高さが改めて認められました。

WHOによると、2009年における人口10万人あたりの自殺数は日本24.4人、韓国21.9人、フランス17.0人、中国13.9人、ドイツ11.9人、米国11.0人、英国6.4人。
以前から言われているように日本は先進国の中で自殺率がトップで、米国の2.2倍、英国の3.8倍に達します。

日本の自殺が特に際立ったのは、1997年における北海道拓殖銀行、山一証券などの大型経営破綻事件前後。
失業者が増えたこともあり、自殺者数は2.3万人から3.1万人に急増。
社会的に大きな注目を浴びました。

日本も高度経済成長期は自殺率が今よりも4割程度少なく、国に活力がありました。
個々人が夢に向かい、その結果全体が伸びていく社会への再構築が必要と言えます。
  
 



Adual株式会社(アデュアル)

 

代表取締役 堀池泰)

 


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