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2010.09.12 蓄用マグロ卒業、クロマグロの完全養殖化
養殖マグロ○○円。
よく見るこの値札、“商人”の世界では非常に珍しい、控え目な値札でした。
これまでいわゆる養殖マグロは存在せず、実は天然マグロだったからです。
市場に出回っているのは、蓄用マグロ。
まず30kg程度に成長した天然マグロを捕獲。
冷凍したイワシなどを与え、人工的に成長させてゆきます。
特に問題なさそうですが、指摘の多いのが天然マグロを取ってくるためマグロの減少に歯止めがかからない点。
また大量のイワシを捕獲して与えるため、局地的なイワシの減少による生態系への悪影響が懸念されていました。
とはいえマグロの需要が高いことも事実。
悩ましい問題でしたが、大学の新しい技術により解決の見込みが出てきました。
10日、朝日新聞によると、近畿大学と豊田通商はクロマグロの「完全養殖」技術で提携したと発表。
これまで難しかった養殖技術が確立され、また商業化により普及する目途が立ちました。
同紙によると、近畿大学の技術は完全養殖。
卵から孵化させて、マグロの中間魚であるヨコワまで成長させます。
ヨコワの販売は豊田通商が担当。
養殖業者などへ卸す予定になっています。
晴れて養殖となったマグロが、マーケットに登場するのはまだしばらく先。
もっとも値札の表記は変わらないので、分からないかもしれませんが。
もし「完全養殖マグロ」と記載されていれば、是非一度試してみてください。
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2010.09.09 年金制度に苦しむ各国、フランスで大規模スト
古代歴史家ポリュビオスは、著書「歴史」の中で政体循環論を唱えました。
同著では政治体制には「王政・貴族政・民政」の3つがあり、この形態は相互循環する、とされています。
現状、一つの理想形として一般に捉えられている民主政治も、ポリュビオスは大衆の政治離れにより衆愚政治となることを指摘。
やがて大衆はカリスマ的な指導者を待望し、王政へ戻ると説いています。
7日、産経新聞によると、フランス政府の年金改革に反対する大規模ストが同国全土に発展。
今年最大規模のストとなり、同法成立を最優先とするサルコジ政権は窮地に立たされました。
ただフランスも財政事情は厳しく、2008年はGDP比で3.0%の財政赤字。
債務残高ではGDP比71.0%で、ヨーロッパ先進国ではイタリアに次いで2番目に財政健全性の低い国家となっています。
歳出の抑制は急務ですが、国民の同意が得られず政権は難しいかじ取りを迫られています。
高齢化が進む先進国では、年金制度改革は共通の問題となっています。
ストは認められた権利ですのでこれを行使するのは自由ですが、権利を濫用してもあまり解決には至りません。
代案を出し、数値目標を定め、どちらがより合理的か議論するのがあるべき姿です。
ポリュビオスの出生は推定紀元前200年頃。
民政の衆愚化は、古代ギリシア時代に既に指摘されていました。
ただ現代政治が王政に戻ることは有り得ませんので、民政はここに来て次の段階へ進化することを求められています。
1789年、「自由・平等・同胞愛」を掲げ王政を打破したフランス革命は、現代民主主義の土台となりました。
ただの衆愚政となるか、民賢政となるか。
民主主義の祖国に新たな試練が訪れています。
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2010.09.07 静かな猛威、結核
昨年4月、お笑いコンビ「ハリセンボン」の箕輪はるかさんが入院され、少しニュースになりました。
病名が結核で、関係者やロケ先で接した人などに感染の恐れがあったためです。
厚生労働省の「H21.結核登録者情報調査年報」によると、平成21年の結核による死亡者数は2,155人。
1日に5.9人が結核で亡くなっています。
また結核登録患者数は59,573人。
ここ5年では徐々に減少していますが、患者数自体は依然として多いままです。
6日、産経新聞によると、京大病院において同病院の内科医が結核を発症したと発表がありました。
病院は同医師の担当患者や接触頻度の高かった関係者を中心に検査を行う予定ですが、現在のところは新たな結核患者は発見されていないようです。
患者の咳やくしゃみなどによって感染する結核は、都市部に患者が多いのも特徴。
同年報によると、都道府県別の罹患率では1位大阪、2位東京、3位愛知で3大都市圏が並びます。
特に大阪府は高率で、罹患率の最も低い群馬県と比べると3.1倍に達します。
結核(肺結核)の初期症状は、全身の倦怠感や長期間の微熱。
咳が出るようになり、進行に応じて血痰を伴ったりします。
結核のスローガンは“過去の病気ではない”。
気になる方は、お早めに病院へ。
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2010.09.06 テレビの苦悩、批判と視聴率
平均視聴率15.8%。
チャリティーマラソンのゴールの瞬間は、最高視聴率35.7%を記録。
24時間テレビの視聴率は、今回も一つの結果を出しました。
J-CASTニュースによると、批判の多い内容の一つがやはりギャラ。
長時間出演に対する謝礼という形ではありますが、ボランティアのはずのタレントに事実上のギャラが支払らわれている点に違和感を持つ人は多いようです。
また障害者が視聴率稼ぎのために利用されているという指摘も。
ただ様々な批判を抱えながら同番組を続けるテレビ局にも、それなりの苦悩があるようです。
2009年における日本の広告費は5兆9,222億円で、前年比11.5%減。
内テレビ広告費は1兆7,139億円で、前年比10.2%減。
電通発表の「2009年日本の広告費」によると、金融危機で企業が広告費を抑制した影響を受けました。
同番組放送の大元である、日本テレビ放送網株式会社の業績も右肩下がり。
3月期決算は売上高が、2008年3,422億円、2009年3,246億円、2010年2,969億円。
利益は営業利益・経常利益・当期利益全てで改善していますが、売上高は前年比8.5%減となり、3,000億円を割り込みました。
退路を断たれ、視聴率を改めて求められているのが実情です。
倫理的な指摘は当然ですが、障害者の活躍が同じ境遇に置かれている人達に新しい力を与えるのも事実。
それが視聴率と言う結果と伴っていれば・・・。
様々な余波をもたらした金融危機。
それを真っ先に伝えたテレビ局自身も、また大きな被害者なのかもしれません。
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2010.09.04 高感度センサー、金融機関が感知する信号
恐竜の化石のような風貌。
トビウオに似た胸ビレを持ち、目はあるものの光は失われているようです。
ナショナルジオグラフィックによると、深海に生息するギンザメは約4億年前にサメから枝分かれして進化。
頭部に高感度の受容器官を持ち、生体が発する電気信号を感知して捕らえます。
8月31日の長期金利は0.975%。
9月1日、1.020%。
9月2日、1.105%。
8月は1%未満の日が多かったのですが、ここにきて急上昇を見せました。
代表選回避か、一騎討ちか。
ぎりぎりまで調整が続きましたが、小沢前幹事長が正式に出馬を表明。
これを見て金融機関は国債売りに走りました。
財政再建の菅首相。
危機対応として追加経済対策を最優先する小沢前幹事長。
仮に小沢前幹事長が新しい首相となれば、財政赤字の拡大が確実視されます。
本当にジャパンショックが起きかねない。
危機感を持った一部の銀行が国債保有削減の気配を見せると、他の金融機関も追随しました。
深海には無数の生物がいます。
それぞれのセンサーを備えて。
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2010.09.02 グローバルに考え、行動はローカルに
経営学者ピーター・ドラッカーは様々な名言を残しましたが、その一つが「think
global act
local」。
広義に解釈すれば、ボーダーレスに考え現場をよく踏まえて行動する、と取れます。
どちらも必要で、どちらかが欠けると非効率になります。
先月31日、読売新聞によると、自動車部品メーカーのユーシンは、公募により社長と幹部20人程度を採用する方針を発表。
新聞広告により1,722人の応募があり、逸材が多いことからポストを増やすことにしたそうです。
同公募はその手法や社長就任後に6,000万円程度の年棒が予定されていることもあり、話題になっていました。
同紙によると現職官僚なども含まれるそうで、多種多様な人材による大量の新経営陣が誕生しそうです。
米国が超大国となった理由の一つに、よく多民族国家である点が挙げられます。
異なる考えを取り入れ、お互いの長所を取り込み合い成長していったのがアメリカです。
ユーシンの取り組みは当初の予想を超え、大きな反響となりました。
結果、通常長い時間のかかる異文化の取り組みがごく短期間で実現出来そうです。
問題は船頭が増えすぎる点。
またその道のプロでない人間が、現場に即してローカルに行動するのはなかなか難しいものです。
実際の採用がどうなるか分かりませんが、採用分母数が多いことから新しい人材募集の試金石にはなりそうです。
また人材紹介会社を利用すると一般に年棒の3割程度を支払う必要があることから、コストも非常に割安です。
M&Aの浸透により、突然上司が大量に入れ替わること自体はあまり珍しくなくなりました。
枠に囚われない考えを維持しながら、現場と融合できるか。
まずは、実際どれくらいの採用数になるのかが注目されます。
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Adual株式会社(アデュアル)
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代表取締役 堀池泰) |
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