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2009.07.31 「真の貧民」か「貧しき人々」か
NYホームレス
宗教改革を主導したドイツの神学者マルティン・ルターは、その教えで「真の貧民」と「無頼の徒」を区別すべきだと説きました。彼は、真に貧しい者は救われるべきであるが怠惰な者は神聖な義務である労働を汚しておりそれは罪である、と主張し、後の思想に大きな影響を与えました。宗教改革以前までのキリスト教は、分け隔てなく「貧しき人々」に救いの手を差し伸べることが善行である、と説いています。ニューヨーク・タイムズ紙によると、NY市当局はホームレスを減らすため片道航空券を無料で支給する施策を行っているそうです。条件は目的地の身内らがホームレスの受け入れに同意すること。この条件のみ満たせば世界中のどこであろうと航空券などの片道切符を無償配布し、実際にフランスで受け入れられたホームレスは60万円相当の支給を受けました。片道という点でいささか乱暴な方法である印象は拭えませんが、長い間しゃがんでいた人間は急には立ち上がれません。貧しき人々の救済方法として、その成果が注目されます。
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2009.07.30 指導者のイマージュ、選挙と群衆心理
1895年、心理学の古典「群衆心理」の著者ギュスターブ・ル・ボンは、「これからは群衆の時代になる」と予言しました。氏は同著の中で「群衆は指導者の言葉が産み出す心象(イマージュ)に囚われる」と説いており、現代でもメッセージを伝える技術として選挙の公約などが使われています。毎日新聞は全国世論調査を実施。次期衆院選で勝利を望む党はどちらかを尋ねる質問では56%が民主党を支持し、23%の自民党を大きく引き離しました。選挙対策のみに明け暮れ生きたメッセージを発しない自民党は、あるべきイマージュを今のところ形成出来ていません。また、同著は「必ずしも頭脳明晰なものが指導者になるとは限らない。群衆は指導者の持つ思想や目的にではなく、その確信に囚われる。それが例え盲信であっても、それが強固であればあるほど群衆は理性を失い本能的にそちらへ向かう。」とも説いています。様々なばらまき公約が発表されていますが、応急処置の近視眼なものが大半で一部の外交戦略を除いて将来のビジョンは何も語られていません。指導者が誰であれ、投票する私たちは盲信せず冷静にイマージュを見極める必要があります。
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2009.07.29 現代の楽市楽座
楽天証券、手数料69%減
優れた経済感覚も持ち合わせていた織田信長は、新興商人に対し自由営業を許した商業政策を実施。「楽市楽座」と呼ばれたこの施策は、経済の活性化に一役買いました。これに、自分の境遇を天の与えたものとして受け入れ人生を楽観する「楽天」という考え方を加え、楽天株式会社が産まれました。楽天証券は1999年に楽天により創られた、日本初のオンライン専業証券です。28日、楽天証券は現在の株式売買手数料の大幅値下げを発表。値下げ割合は最大69%で、約定代金10万円以下の場合は現行の472円から147円に引き下げられます。楽天証券は現在、ライバルのSBI証券と手数料の値下げ合戦を展開中。体力勝負の消耗戦の様相を呈していますが、どちらもまだ余力を残しており一段の値下げが実施されそうです。
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2009.07.28 情緒的価値「LEXUS」、英国にパトカー配備
ブランドとは学問的には情緒的価値をもった財と解され、それは予測可能な経験をもたらします。ヴィトンのバックは高級感あるスタイルを実現させ、ポルシェは次元の異なる走りを約束してくれるのがそれにあたります。創るのが難しいのは言うまでもありませんが、もう一つ難しいのがそれまでのブランドイメージをくつがえすこと。米国でのLEXUSはその貴重な成功例でした。以前のトヨタ車は「丈夫で壊れないが、安い大衆車」のイメージが強く、高級車に関しては参入の余地がない、という見方が大勢でした。ところが、アメリカンドリームの象徴でありながら、米国の高級車は故障が頻発。顧客には潜在的な不満があったと考えられます。LEXUSは品質、機能性、安全性、耐久性、経済性を高次元で達成。また、日本のお家芸であるきめ細かい上質なサービスも実施。結果、発売初年度に約1万1,600台を販売し、大成功を収めました。次のターゲットは比較的手薄な欧州。英国レクサスの発表によると、LEXUSの特別グレード車がヨークシャー州のハンバーサイド警察に納車されることが明らかになりました。英国の制服警官は、専従班を除いて拳銃を所持しないのが特徴。基本的に警棒で対処するよう訓練されており、パトロールを重視することから市民に親しみと敬意を持たれています。LEXUSの新たな情緒的価値が欧州で形成されるのか、注目されます。
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2009.07.27 8.2×10の10乗J、政経融合を図るインド
天然ウランに存在する、核分裂を起こしやすい不安定因子。ウラン235は、中性子を吸収させると2つの原子核と高速中性子に分裂します。分裂後の質量は分裂前から減少。この質量差が外部に放出されるエネルギーに相当します。そのエネルギーはわずか1グラムのウランで8.2×10の10乗J(ジュール)。1円玉1枚の量で、火薬約20t分に匹敵します。中国新聞社の発表によると、26日、インドは原子力潜水艦の進水式を実施。世界で6番目の原子力潜水艦保有国となりました。原子力潜水艦はその莫大なエネルギーのおかげで海水から酸素を作ることが出来、長期間の潜航活動が可能です。また、一度発見すれば比較的破壊が容易な陸地の核基地と異なり、海中を3次元で移動する全ての原子力潜水艦を瞬時に捕捉し、且つ同時に破壊するのは困難です。そのため原子力潜水艦は攻撃目的よりも、万一核攻撃を受けた際の報復手段として威力を発揮します。IMFの発表によると、2008年のインドのGDPは約1兆2,097億ドル(約114兆6,700億円)で世界12位。ただ、8位までは1兆ドル台で並んでおり、成長率を考えると早晩TOP10にランクインしそうです。インドは政治、経済ともに国際的な発言力を高めつつあります。
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2009.07.26 捲土重来なるか、東証2部への降格相次ぐ
中国は秦王朝時代。劉邦と天下を争うも、敗れた項羽は戦場でその最後を遂げました。唐の詩人杜牧(トボク)は項羽の死を悼み、「捲土重来未だ知るべからず」と詠み上げました。項羽が故郷で再起を図っていたら、その後はどうなっていたか分からない、という意味で、ここから捲土重来という語が引かれるようになりました。その後は一度勢力を失ったものが、勢いを取り戻して攻め返してくること、の意で使われるようになりました。平成16年度から平成20年度の4年間で、1部から2部へ降格したのは7社。ところが今年は既に4社が2部へ降格しています。理由は債務超過。特にパシフィックホールディングスは不動産市況の悪化で資金繰りに行き詰まり、3月に会社更生法の適用を申請して破綻しました。かつては現在の10倍以上の株価を誇った企業も含まれており、再起が期待されます。
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2009.07.25 「I'll be back」
政治家シュワルツネッガー
オーストリア出身。UCLAで心理学を学び、1983年に米国籍を取得。ボディービルダーから俳優、政治家へと華麗な転身を遂げたシュワルツネッガーは、昔からPRの上手な人物としても知られています。俳優シュワルツネッガーの出世作、ターミネーター。警察署窓口での台詞「I'lll
be
back(また戻ってくる)」は彼のトレードマークとなり、以降の出演作の多くで同台詞のシチュエーションが設定されています。また来日の際やマスコミのインタビューの際は必ずこの台詞を発し、作品のPRに一役買っています。政治家シュワルツネッガーは23日、トヨタの社長に嘆願書を提出。GMが既に撤退を表明したトヨタとの合弁会社NUMMIの存続を求めたもので、約5,000人の雇用がかかっています。嘆願書の存在は同知事から明らかにしたもので、雇用問題が改めて注目を浴びました。財政状況が苦しいトヨタとしては波風を立てずに撤退したいところですが、知事の一手で苦境に立たされました。
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2009.07.24 ラテン語で「毒」、進化とワクチン
古代ギリシア時代、医学の父と呼ばれたヒポクラテスはその著書にウイルスという言葉を登場させました。「病気を引き起こす毒」という意味で記載しており、元々はラテン語で「毒」を意味する言葉です。疫学の祖とも呼ばれたヒポクラテスも、細胞そのものは持たない特殊な構造体に手を焼いたようでした。WHOの発表によると、7月21日時点での新型インフルエンザによる死亡者数は700人超。7月6日時点では死亡者数は429人で、依然増え続けています。各国もワクチンの開発を急いでおり
、既にオーストラリアが治験に着手。米国も8月初旬に開始予定です。同ワクチンは動物実験では有効性を証明済。今回の治験を通じて人体への安全性が確認されれば、事態の改善が進みます。ヒポクラテスは医学から迷信や呪術を切り離し、科学的な医学を発展させました。現代の科学が古代からの宿敵に挑みます。
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2009.07.23 サーチャージ、10月から復活見込み
紀元前3000年頃、エジプトではミイラの防腐剤として原油の一種が使われていました。原油が資源として大量利用されるようになったのは最近で、19世紀半ばにランプ油として使用されるようになってから需要が拡大しました。現在の原油市場は投機筋の影響を受け乱高下。2008年7月11日には史上最高値の1バレル147ドルをつけましたが、ここ最近では70ドル前後を推移しています。全日空の伊東社長は22日、10月からのサーチャージ復活の可能性を示唆。燃料価格が2〜4月の平均から27%程度上昇したことが原因で、「需要に水を差すことは望ましくない」としているもののサーチャージ復活は避けられない見通しです。古代エジプトでは地表に染み出したわずかな原油を採取し、灯火としても利用していました。現代では、不況の出口を照らす灯火とはいかないようです。
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2009.07.22 黄金のM型アーチ、コーヒー無料キャンペーン
ピューリッツア賞を3度受賞した米国の著名ジャーナリスト、トーマス・フリードマンは、様々な見解を示しました。その一つが黄金のM型アーチ理論。それは「ある国において経済が発展し、中流階級がマクドナルドのチェーン展開を支えられる位に増加するとその国は戦争しなくなる」というものでした。日本マクドナルドホールディングスの発表によると、6月の全店売上高は前年比2.9%減。3年5カ月ぶりのマイナスとなりました。巻き返しを図る同社は24日から30日まで、朝8時から9時の間の1時間にコーヒー無料キャンペーンを実施すると発表。通勤時間帯にあたるため大きな反響が予想されます。今回の売上高前年割れは昨年の大型キャンペーンの反動減等の要素が大きく、マクドナルドの競争力低下と見るのは少数です。黄金のM型アーチは変化に迅速に対応し、貪欲に拡大を狙います。
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2009.07.21 近場の夏休み、変貌するレジャーパチンコ
パチンコ玉をスプリングレバーにセット。狙いをつけて玉を弾く。1970年後半頃までは、パチンコ台は微妙な手加減が命の手動遊技台でした。現代ではパチンコ玉は0.6秒に一発の割合で自動射出され、液晶パネルではハイテク制御されたアクションが展開されます。レジャー白書2008によると、2007年の余暇市場規模は74兆5,370億円。パチンコ業界は30.8%を占め、市場規模は22兆9,800億円に達します。ただ巨大市場に成長した業界も2007年は逆風。射幸性の高いパチスロ機に規制が入り、市場規模は一気に4兆4,750億円減少。前年比16.3%減となりました。巻き返しに躍起の業界はタイアップ機を拡充。倖田來未がモチーフのパチンコ台も登場し、CMも盛んに露出されています。気になるのが換金。現在の方式は、「ホール・古物商・景品問屋」の三店方式と呼ばれる形態が主流です。換金そのものは違法であるため、ホールで出玉を特殊景品と交換した顧客が、特殊景品を古物商に売却。古物商は景品問屋に特殊景品を売却し、景品問屋がホールに卸すという流れになっています。実際は古物商がホールのすぐそばにあり、ほぼ一体化しているのが一般的です。その為違法性が問われやすいのですが、法的には換金ではなく「古物の売買」にあたるため違法ではありません。CM増に関しては不況で出稿量が減少した広告業界が歓迎した、という側面もあります。また音楽業界は1,450万人とも言われるパチンコ人口に注目し、新たな版権収入源として期待しています。たばこの煙がうずまくイメージは遠いものとなり、パチンコ業界は産業としての存在感を徐々に高めつつあります。
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2009.07.20 46年ぶりの皆既日食、日経平均の吉凶
古代メソポタミアの宗教儀式の一つに、「身代り王」と呼ばれるものがありました。当時は将来を予測するための占星術などが盛ん。不吉な兆しが現れたときは王を災いから守るため、影武者を立てていました。特に皆既日食など、周囲が暗くなるような異常事態は強く恐れられようです。日本での前回の日食は46年前の1963年7月21日。前後の日程の日経平均は、「1963年7月20日(土)
終値1,391円」「1963年7月22日(月)
終値1,429円」。日経平均は前後日程の終値ベースで2.7%上昇しており、近代においては相場に関しても歓迎されるイベントのようです。
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2009.07.19 車の維持費も節約傾向、総整備売上高減少
国土交通省は、自動車分解整備業の実態調査結果を発表。平成20年度の自動車総整備売上高は5兆7,720億円。ユーザーの維持費節約などの影響で、前年比3.0%減となりました。内訳では定期点検整備が3.1%減、その他整備が4.6%減となっています。また保有車両数そのものも減少しており、車検整備は前年比5.3%減となりました。新規販売が厳しい昨今では、どの業界もメンテナンスフィーが貴重な収益源。自動車業界も例外ではなく、平成20年度の整備士数は34万3,531人。前年比2.6%増となっています。供給サイドの準備は整っており、ユーザーの心理が回復すれば再び拡大するマーケットの一つと言えます。
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2009.07.18 インドの20万円カー、欧州衝突テスト「合格」
今年の3月23日、インドのタタグループは11万2,735ルピー(約21万7,000円)の自動車「ナノ」を発表。最安モデルではエアコンまで無いなど徹底して装備が削られましたが、結果安全性や耐久性が心配されていました。そのため欧州への輸出計画も不安視されていましたが、衝突テストは合格。また担当者は「別の自動車と比べても特別問題は感じない」とコメントしました。発売当初予約が殺到すると思われたナノは、目標50万件に対し予約が20万3,000件で大きく予想を下回りました。納期が数カ月後であることや、本体価格の70%という預託金の高さなどが要因と見られています。ただ金融機関との提携による自動車ローンの優遇など、販売支援策も充実した中であった為今後の展開が憂慮されていました。欧州での発売は2012年を想定。衝突テストの合格により第一関門は突破しました。
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2009.07.17 中国、回復
4-6月期GDP7.9%増
中国の4-6月期GDPは、実質ベースで前年比7.9%増。1-3月期も6.1%増でしたが、更に拡大しました。4兆元(約55兆円)の景気刺激策や積極的な銀行融資促進が功を奏し、不況脱出競争で一歩リードしています。上海総合指数も持続回復中。サブプライム危機前は6,000台をつけていましたが、2008年10月には1,700台まで下落。その後反転上昇し、7月14日には3,145をつけています。2008年10月からの上昇率は80%を超えており、鮮明なV字回復を継続しています。
懸念はカンフル注射の効果切れと副作用。特に銀行融資は政府の後押しで必要以上に積極的に行われており、再び不良資産を抱える可能性をはらみます。
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2009.07.16 ジェット機CEO、退職金9億円超の是非
新生GMは、破綻した旧GMの会長兼CEOであったワゴナー氏の8月1日退職を発表。同氏には1,000万ドル超(約9億4,000万円)の退職金が支払われる予定で、波紋を呼びそうです。内訳で大きいのが退職後5年間の給付金。毎年約164万ドル(約1億5,000万円)を受け取ることになっています。また現金受け取り可能な257万ドル(約2億4,000万円)相当の生命保険証券も、会社から提供されます。同氏は32年間、アメリカの象徴の重圧の中で勤務してきました。2000年6月には47歳の若さでCEOに就任。GMの最年少CEO記録を更新しています。米議会にプライベートジェットで出席し痛烈な批判を浴びたりもしましたが、32年間会社に尽くした点は評価されるべきです。問題は金額ですが、日本方式で見てみると退職金額目安は「退任時の最終報酬月額×役員在任年数×功績倍率」。功績倍率を0とすると、同氏の年収は推定14億円程度とみられており、単純に計算すると約10億5,000万円になります。妥当な金額とみるか、破綻の責任を再度問うか。GMは手厚すぎる年金・医療保険など、元々組織構造として強さを失っていました。自身の在任時の成績のみに目を奪われ、リスクの高いレバレッジ運用勝負に走ったCEO達とは一線を画します。
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2009.07.15 陸海空、「海」が悲鳴
高速道路割引のひずみ
高速道路1,000円乗り放題が順次拡大、延期されていますが、輸送機関のうち海路が悲鳴を上げ始めました。関西発着フェリー8社の代表は、大阪で異議を表明。利用者減で6月末に廃止されたフェリー路線も出ており、バランスを欠いた施策のひずみが散見され始めました。今後空路への影響も懸念され、陸路の周辺産業が恩恵を受けるだけでは全体の損失を吸収しきれるかどうか危ぶまれます。5月の消費支出は前年比0.3%増。それまでは10カ月以上前年割れが続いており、久しぶりにプラスに転じました。ただ5月は定額給付金効果などがあり、まだ本格回復と言える段階ではありません。税金の問題を除くと、適度な景気刺激策は歓迎されます。特定の業種に偏らない政策が求められます。
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2009.07.14 最も安全な乗り物「航空機」
事故率0.0009%
13日、成田空港で大韓航空機が尻もちをつく軽度な事故がありました。機体後部が滑走路に接触したもので、幸いケガ人はいない模様です。航空機の事故は墜落イメージ等があり、軽微な事故でも大きく取り上げられがちです。実際は世界で最も安全な乗り物の一つ。国際航空運送協会によると、全世界の年間航空事故死亡者数は909人。これに対し交通事故の年間死亡者数は、日本だけでも5,500人です。また、米国の国家運輸安全委員会によると、航空機の死亡事故遭遇率は0.0009%。これは8,200年間毎日航空機に搭乗しても、一度事故に遭うか遭わないか程度の確率です。尚、2005年時点で最も安全な航空会社に選ばれたのはカンタス航空。1946年以降、一度も死亡事故を起こしていません。
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2009.07.13 株価と反比例、ビーチへの来場者数
梅雨明けより一足早く、湘南のビーチが順次海開き。鎌倉の由比ヶ浜では6月28日に海開きが行われ、雨の中くすだまが割られました。ビーチへの来場者数は株価と反比例。日経平均は2007年、2008年と年初から年末にかけてそれぞれ11.1%、 42.1%減少。これに対し由比ヶ浜の来場者数はそれぞれ前年比11.1%、16.9%増加しています。2009年の日経平均は上昇傾向ですが、実体経済が追い付いていないことから買い材料に乏しく上値は重め。原油価格も下落しているとは言え高値圏にあり、今年も来場者数の増加が見込まれそうです。
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2009.07.12 新生GM、時代に逆行する馬力戦略
新生GMに日本法人は10日、7年ぶりにスポーカー「シボレー・カマロ」の新車を発表しました。売りは馬力。V型6気筒と8気筒の2種類があり、それぞれ304馬力と406馬力です。昨今のトレンドは言うまでもなく「小型・低燃費」。またそれだけでは消費者は飽き足らず、さらに「走り」が求められていますがそれはあくまで上乗せです。ただ確かに小型化やハイブリッドの細やかな技術は日本のお家芸で、GMのポジションではありません。トヨタとの合弁や各社との資本提携も次々に解消され、自動車の兄貴分イメージも無くなりました。自身の姿を再度見直し原点に回帰する戦略は、ブランドアイデンティティとしては正しいと言えます。問題は戦略の達成ゴールを時間軸でいつに設定するか。価格帯が500万円前後の新型カマロは普及モデルではなく、中長期的に販売していくことになります。GMがNYダウに復活するには少し時間がかかりそうです。
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2009.07.11 ARPANETから40年、サイバー攻撃の標的
1957年、ソ連が世界初の人口衛星スプートニクの打上げに成功。ショックを受けた米国は遅れを取り返すべく、米国防総省内に “ARPA(高等研究計画局)” を創設しました。1969年、ネットワーク研究の為 “ARPANET” を開設。当初は参加大学4台のコンピュータを結んだだけで、通信速度もわずか50kbpsでした。同年8月UCLA、10月スタンフォード、11月カリフォルニア大学サンタバーバラ校、12月ユタ大学、にコンピューターを設置。同年10月、ARPANETに最初のパケットが流れました。40年を経て、サイバーシステムは防衛システムの要に成長。諸説あるものの、一連のサイバー攻撃の犯人はまだ定かではありません。ただ仮に北朝鮮であった場合、サイバー攻撃により防御システムを無力化し、弾道ミサイルで有効ダメージを加えるという極めて合理的なシミュレーションをしていると言えます。
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2009.07.10 たばこを吸わないモデル、29歳で肺がん死去
モデル兼デザイナーの勝野七奈美さんが、29歳の若さで亡くなられました。原因は肺がん。たばこは全く吸われなかったそうです。厚生労働省の発表によると、がん(悪性新生物)死亡を部位別に見た場合、男性で最も多いのが肺。48,612人に達し、がん死亡の2割強を占めます。また女性の肺がん死亡は、大腸がんに次いで2位。死亡数は18,235人ですが、がん死亡における割合は13.4%に達します。若年のがん死亡も増えており、20代女性の死亡の1割強は悪性新生物によるものです。
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2009.07.09 建設業の倒産件数、0.9%減少
倒産件数が増加する中、建設業は2009年上半期(1〜6月)の倒産件数が2,100件。公共投資増加の恩恵を受け、前年比0.9%減となりました。統計は東京商工リサーチが発表。全体の倒産件数(負債額1,000万円以上)は8,169件で、前年比8.2%増となりました。公共投資関係費は、昨年の概算要求時点で既に前年比19%増の6兆2,628億円。さらに1兆3,790億円の「地域活性化・公共投資臨時交付金」など、各補正予算が上乗せされており実弾が効いてきています。
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2009.07.08 あずきバー、販売目標2億500万本
井村屋製菓の売上の2割を占めるロングセラー、「あずきバー」が好調。昨年度は過去最高の1億9,100万本を販売しましたが、今年度は大台の2億本超を狙います。井村屋製菓は赤字が続いていたものの、2009年3月期は黒字を回復。株価も回復基調となりつつあり、4月9日に年初来安値の410円をつけてから反転。7月1日には年初来高値の465円まで上昇し、4月9日以来13.4%増となりました。2005年12月には700円台をつけており、もう一段の上昇が期待されます。
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2009.07.07 日銀さくらレポート、全9地域で改善判断
日銀は6日、7月の地域経済報告「さくらレポート」を発表。北海度ブロックから九州・沖縄ブロックまで、全9地域で改善判断が報告されました。特に生産に関しては東海ブロックが「低水準ながら持ち直している」、九州・沖縄ブロックが「大幅に落ち込んだあと、持ち直しに転じつつある」となり、「持ち直し」が確認されています。ただ北海道などは、改善後でもまだ「低迷している」の判断。また設備投資は依然低調で、9ブロックとも減少を示しています。今回のさくらレポートでは、下げ止まりつつあるものの引き続き厳しい状況と言えそうです。
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2009.07.06 婚活、道半ば
平均初婚年齢上がる
厚生労働省の平成20年人口動態統計によると、平成20年の平均初婚年齢は夫30.2歳、妻28.5歳。前年よりそれぞれ夫0.1歳、妻0.2歳上昇しました。平成5年の平均初婚年齢は夫28.4歳、妻26.1歳。15年で約2年平均初婚年齢が上がりました。また逆の「離活(りかつ)」も最近増えてきていますが、こちらは6年連続減少中。平成14年の離婚件数は289,836組で史上最高でしたが、平成20年は251,147組。6年で約13.3%減少しました。尚、同居期間でみるとほぼ全区分で減少していますが、同居15〜20年未満の夫婦の離婚のみ前年から0.4%の微増。50歳の節目を迎える前に、何かしら考える夫婦が多いようです。
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2009.07.05 サイフを握る妻、ボーナス小遣い「渡さない」
損保ジャパンDIY生命によると、今年の平均手取りボーナスは65万5千円で前年から10万円減少。家計防衛に走る主婦が増え、夫にボーナスからの小遣いを「渡さない」と回答した主婦は48%に上りました。日経平均はここ1カ月ほど9,800円前後で安定。NYダウも8,500ドル付近を推移しており、上値をうかがっています。来週は7月10日に米国の5月貿易収支が発表予定。4月は291.6億ドル(約2兆8,000億円)の赤字でした。5月は新興国向けの輸出回復による改善が期待されており、下半期を占う試金石となりそうです。
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2009.07.04 怖いのはどちら?サメか、雷か
映画の影響もあり夏になると自然にイメージの沸くサメ被害ですが、実際にそのような事件が発生する確率は極めて低いようです。ISAF(International
Shark Attack
File)の発表によると、1580年から2007年までのサメによる被害は2,199件。内約40.1%がアメリカで、アジア圏は約5.3%の117件でした。統計ではなんらかの形でサメを刺激したことによる被害は含まれておらず、自然な状態での被害を集計しています。米国での統計を見てみると、1959年から2007年のサメによる被害は903件。内死亡被害はわずか23件です。これに対し同期間の雷による死亡被害は1,945件。サメによる死亡被害の80倍以上に達します。
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2009.07.03 従業員平均6,800万円、社長平均3,541万円
ストレステスト(金融機関の健全性テスト)などの影響もあり、4-6月は金融機関の大型増資が集中。一般企業も社債発行による資金調達を活発化した為、証券会社は多額の発行手数料を取得しました。ゴールドマン・サックスは業績が回復し、従業員の年収を大幅に引き上げ予定。今年度は年俸平均70万ドル(約6,800万円)を計画しており、前年から倍増する見通しです。産労総合研究所によると、日本の社長の平均年収はボーナス支給企業で3,541万円。従業員の平均年収が、社長の平均年収の約1.9倍に達する計算です。
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2009.07.02 花火市場に新風、火を使わない花火登場
セガトイズは、室内用打ち上げ花火の販売を発表。商品名は「家(うち)上げ花火」で、花火の映像を映し出す仕組みになっており火を使いません。希望小売価格は税込み1万5,540円。2007年の玩具花火マーケットは推定約200億円。24時間営業店舗の取扱いが増え、夜間マーケットは拡大。ただ消防規制等により売り場面積の縮小を余儀なくされ、市場は前年比5%減となりました。原油価格は再び上昇しており、外出しない「家(うち)」需要が改めて高まる可能性はあります。祭りの熱気までは再現出来ないためイベントスペースなど利用範囲は限定されそうですが、
アナログの世界にデジタルの花火が挑みます。 | |
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2009.07.01 ポルシェ、ワーゲン買収で勇み足
融資拒否
ドイツ復興金融公庫は、ポルシェの17.5億ユーロ(約2,363億円)の融資要請を拒否。ポルシェはワーゲン買収を見込んで90億ユーロ(約1兆2,150億円)の債務を抱えましたが、買収に失敗。勇み足が財政を圧迫し始めました。ポルシェの発表によると、2008年8月1日から2009年1月31日の上半期売上高は前期比12.8%減の30.4億ユーロ(約4,104億円)。
特に販売台数は同26.7%減の34,266台で、苦戦が続いています。ただカイエンは販売台数の減少割合が18.7%で、全体から見ると傷は比較的浅め。2月から販売を開始したカイエンディーゼルは好調で、期待がかかります。
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