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2009.08.31 選挙を経て
更に10年を失わないために
「とりあえず民主党にやらしてみよう。」
これが本音のところではないでしょうか。30日の衆議院選挙では、自民党が歴史的な大敗。山崎拓や与謝野馨など、様々な問題はあったものの抜群の知名度を誇る自民党の大物が次々に小選挙区で敗れていきました。数年後に改めて評価されるかと思われますが、現状を前向きに捉えると2大政党制の自浄機能が働いたと言えます。一方に問題が起きればもう一方を選ぶ。この点では極めて健全な民主主義の成果です。今後懸念されるのは、今回の選挙で発生する大量の未熟な議員による政権運営。現状では強いて言えば第二新卒レベルの人間が、いきなりグローバル企業のマネージャーになるようなもので熱意では埋めきれないものがあります。民意の一つであったはずの官僚との適切なバランスが構築されるどころか、相手にされなくなりかねません。民主党自身が政権奪取をイメージしていなかったため、まだ具体的な政権移行手続きは着手されていません。国家戦略局などの構想は出ましたが、「選挙後の話はまだ早い」との声が大きく議論を深めるに至らなかったからです。青写真もなく実行力もまだない。ただ、潮流があったにせよ、結果論であるにせよ、これが民意であることには変わりありません。今後、政策など様々な面で弊害が発生し、「やはり」という空気になることが予想されます。拙速な判断をせず、議員も官僚も企業も国民も、互いに理解し協力することが求められます。
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2009.08.30 平成の列島改造論
1972年、第64代内閣総理大臣に就任した故田中角栄は、富国策の一つとして「列島改造論」を掲げました。その著書では当時のイタリアやアメリカの事例が取り上げられており、日本の北部を工業地帯に、南部を農業地帯にすべきであるとうい持論が展開されています。北部の工業地帯化は出身地が長岡であることに起因すると言われていますが、日本列島を高速道路や新幹線で結び地方の工業化を促進する大規模な構想でした。地方自治体への借金のしわ寄せ、地方都市の郊外化、など様々な副作用はあったものの、日本の工業化促進に大きな貢献をしました。30日、今回も総選挙では民主党が高速道路の無料化を主張。物流コスト低下により企業の設備投資・賃金引き上げなどに波及すれば、家計の消費増など内需拡大につながる、としています。確かに「調査→開発→製造→流通→販売→消費」の過程において、販売と消費はエコポイントや定額給付金などで補強済。海外での製造が増えている為、他に国が間接的に関与出来るポイントの一つは流通過程であり、的は得ています。
問題はやはり財源。大綱では既に35兆円に達している保有機構の債務を国が承継。国債を返済に充てる予定ですが、この施策による国の負担は年間1.26兆円と試算されています。政策の目玉の子供手当だけで、必要となる財源は5兆3,000億円。出来る出来ないではなく、本気なのかどうか。大勢の判明は本日深夜の予定です。
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2009.08.29 ペレストロイカとリストラ
ペレストロイカはロシア語で「再構築」の意。この英訳がRestructuringで、元々は同じ意味で使われていました。基本的に企業規模や従業員数の増減は伴わない、企業組織の再構築のみを指します。日本では1990年代のバブル崩壊以後盛んに利用されるようになりましたが、内容は事業規模の縮小と従業員削減が大半で「リストラ=整理解雇」のイメージが定着しました。少子化により労働人口が減少しているのは周知の通りですが、感覚が麻痺し応急処置であることを忘れたかのようなリストラが今も続いています。28日、日本航空は総務など間接部門の1,400人のリストラ計画を発表。前線にもメスが入り、路線の見直しなどでパイロットや整備士などの人員削減も計画されています。融資団からの圧力もあり不採算路線の縮小などによる人員削減は避けられませんが、ダイエットは成功しても筋肉がつくわけではありません。今後もしばらくは単価の高いビジネス路線需要の回復は見込めず、原油価格も高止まりすると考えられます。利用率は低いですが、今後需要拡大が見込める中国線を異業種との提携で活性化するなど、アクティブな「リストラ」が無ければ数年後にGM化するかもしれません。
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2009.08.28 賃貸住宅の更新料は今後不要?
ニューヨークの賃貸物件は、トラブルが多いそうです。原因は家主。ニューヨークでは家主の権限が強く、また多国籍化しているため国ごとの風習の違いが出てより複雑になります。また収入制限も厳しく、通常は1カ月の賃貸料の50倍の年収が求められます。仮に1カ月の賃貸料を15万円とすると、750万円の年収が必要になる計算です。ニューヨークで快適な賃貸生活を送るにはある程度の収入と、家主との人間関係が重要になるようです。27日、大阪高裁では賃貸住宅における更新料に関して判決が下されました。判決は「無効」です。画期的なのは、消費者の利益を一方的に害する契約条項を無効とする、消費者契約法10条の適用。これまでは更新料に関して記載がある場合は契約書を有効としてきましたが、今回は同条項そのものが消費者の利益に反するものとして司法判断されました。
家主は最高裁まで持ち込む構え。更新料は礼金に似た性格で、一部の地域を除き慣習として定着しているものの請求根拠は乏しい費用です。根拠無き既得権は即廃止すべき、というのはいささか乱暴ですが、本件は長くくすぶっていた問題であり良い機会ではないでしょうか。
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2009.08.27 日経平均、年初来高値更新
「証券会社のレポートは読みません。
床屋に行って『散髪したほうがいいかな』と聞くようなものです。」 経営者、慈善家、投資家。
様々な顔を持つ世界の大富豪ウォーレン・バフェットは、自身の投資スタイルをそう語りました。
企業の中身や将来性を見る姿勢は、世界中の投資家のお手本となっています。
26日、日経平均終値は前日より142円高い1万639円。前日比1.36%増となり年初来高値を更新しました。
最近の指標はまだら模様。
プラス材料は4-6月期実質GDP前期比3.7%増、6月鉱工業生産指数前月比2.3%増、6月消費支出前年比
0.2%増、など。
マイナス材料は6月完全失業率5.4%、6月有効求人倍率0.43倍、回復傾向であった米国の7月小売売上高
が予想に反して前月比0.1%減、など。 どちらに傾くかは分かりませんが、バフェットはこうも言いました。
「郵便が3週間遅れて届くような田舎に住んでいたほうが、優れた運用成績を残せるかもしれません。」
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2009.08.26 質量と重さ
アニメや映画では、月面を軽やかにと歩くシーンが出てきます。周知のように、重力が地球の約6分の1しかないためです。地球上で体重60kgの人は月では10kgですから、歩行が楽なのは容易に想像出来ます。質量はどの場所でも変わりません。質量は物体本来の量で、これに重力を加えたものが重さだからです。25日、米国のスペースシャトル「ディスカバリー」は8匹のネズミを積んで打ち上げ予定。補給品や実験装置とともに国際宇宙ステーションへ向かいます。無重力空間では宇宙飛行士の骨の強度が低下。半年間の滞在では座骨の強度が平均14%低下することが報告されており、より長期の滞在では骨折の可能性が懸念されています。ネズミはその研究のためで、謎の解明が期待されます。国際宇宙ステーションはアメリカ、ロシア、日本、カナダ、欧州宇宙機関(ESA)加盟11カ国が協力。2010年に完成予定です。
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2009.08.25 人間ドックの「異常なし」減少
「もうじき私は死ぬということは、自分自身でもはっきり分かっている。しかし、どんなことをしたって逃れることの出来ないこの死そのものに関しては、私は何一つ全然知らない。」かつてフランスの500フラン紙幣に肖像が描かれたこともある数学者パスカルは、死の深淵についてそう語りました。10歳の頃に1からnまでの和が(1+n)n/2である事を証明した天才も、死を理解し、受け入れることには苦しんだようです。24日、日本人間ドック学会は2008年の調査結果を発表。人間ドックで「異常なし」と判定された人の割合は前年より減少し、問題がなかったのは10人に1人となりました。人間ドックの受診者数は例年300万人程度で、2007年の内訳は要治療13.3%、要精密検査16.4%。約30%が何らかの治療・検査を必要としている結果となりました。また人間ドックで発見されるがんの内最も多いのが胃がんで、発見されたがんにおける占有率は30.7%に上りました。
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2009.08.24 7,407万倍の宝くじ
皮肉屋で有名な劇作家のバーナード・ショウは、「結婚をしばしば宝くじに例えることがあるが、それは誤りだ。宝くじなら当たることもあるのだから。」
と述べました。ただ、実際はなかなかそれも厳しいようです。1枚300円のジャンボ宝くじの期待値は約142円。投資リターンは約52.7%のマイナスで、投資対象としてはジャンク債にすらなれません。しかしこれらは周知の事実でありながらそれでもなお多くの人が売り場で列をなし、不思議な魅力があることも事実です。22日、イタリアの宝くじ「スーパーエナロット」でヨーロッパでは過去最大の賞金当選が出ました。1月末から当選者が出ておらず賞金額が膨らんでおり、今回の当選額は約1億4,700万ユーロ(約200億円)。尚、購入金額は2ユーロ(約270円)だったそうです。
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2009.08.23 予言、想定
2009年4月、ブルガリアでは有名な占星術師の予言が外れたことで、罪を問うべきか物議を醸しました。占星術師Leshtanski氏は、イースターの祝日にマグニチュード7.0の地震が起きると予言。
ブルガリアは迷信が信じられる傾向が強く、多くの人がテントや車の中で過ごしました。無事地震は起こりませんでしたが、市民の一部の怒りは収まらず検察は風評被害の疑いで調査をしたそうです。8月11日、駿河湾を震源とする地震が起こりました。その後中部電力では浜岡原発5号機において、耐震設計の想定を上回る揺れが観測された模様です。同社は安全性に問題ないとしているものの、原子炉におけるリスク想定の甘さが露呈されました。一部の機関の予言では、2030年の原子力発電比率は49%になるそうです。環境問題や原油資源問題を考えると、比率が増えることはまず間違いありません。ただ仮に比率が減少したとしても、運用における想定には慎重さが求められます。
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2009.08.22 消えないインク
約5,000年前の中国。石の表面に絵や文字を刻むための黒いインクが開発されました。当時は油や松煙、膠(ニカワ)などの混合物であったそうです。古代ローマではアトラメンタムと呼ばれる、緑色のインクが利用されました。銅板に熱した酢か尿をかけて作られたそうです。現代。インドやフィリピンなどの発展途上国では、とある状況で「消えないインク」が用いられました。それは選挙。不正行為を防ぐためで、特にインドでは多くの選挙で消えないインクが用いられています。21日、アフガニスタンの大統領選では、主要2陣営の両者から勝利宣言が飛び出しました。現職のカルザイ氏陣営が独自集計で「決選投票は必要なくなった」とコメントすれば、アブドラ元外相陣営も「投票総数の6割を獲得した」と述べるなど互いの主張は食い違っています。巷では投票所で投票用紙を受け取るための有権者登録証の偽物が、1枚10ドル以上で売買。選挙の不正が横行しており、票そのものが対象となっているためインクでは対応しようがありません。私達はインクによって残されたかすかな記録から、昔の様子を垣間見、想像することができます。インクも正史の記録に使われることを望んでいるのではないでしょうか。
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2009.08.21 老人と杖
「年をとると勇気もやる気も元気も根気も衰えて来るが、その分それ迄に築いた地位・名誉・財産・権力に執着するようになる。」孔子は老いについて、それは欲との戦いであり執着心は捨てなければならない、と説きました。権力はしばしば杖に象徴され、杖は高齢者が獲得した威厳の代用品と考えられます。西欧では宗教的な権力を表し、国王は杖を持つことにより政治と宗教の両方の権力を持つことを誇示しました。さて、厚生労働省は20日、2008年の高年齢者雇用結果を発表しました。全国の民間事業所のうち60歳以上の労働者を雇用する割合は59.4%で、04年の前回調査に比べ8.9ポイント上昇しました。こちらは杖も持たず、それまでの収入にもそこまで執着せず、自身の技術やノウハウを後身へ残したいそうです。年金問題などから、高齢化社会はあたかも負の遺産であるかのような目で見られがちですが、長い時間をかけて磨き上げられた彼らの暗黙知(ノウハウ)は貴重な財産です。
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2009.08.20 Employee
Satisfaction
「We are Ladies and
Gentlemen serving with Ladies and Genglemen」
世界のホテルランキングで常に上位に入るリッツ・カールトン。顧客満足度(CS = Customer
Satisfaciton)の高さは言うまでもありませんが、従業員満足度(ES = Employee
Satisfaction)の高さでも有名です。彼らはリッツ・カールトンのサービス信条を記した、クレドと呼ばれる名刺サイズのカードを常に携帯しています。そこにはひときわ大きな文字で、冒頭の1文が記載されています。能登半島の高級旅館・加賀屋は、29年連続でプロが選ぶ日本一の旅館に選ばれました。マニュアルにはない心遣いを客室係の裁量で行い、顧客の感動が広まって年間20万人が訪れる大旅館となりました。巨大化しても昔と変わらないのは「お迎えからお見送り」までを1人の客室係が行うこと。今でも「お客様のためなら隣の県までハイヤーを飛ばして銘酒を買う」精神が息づいているそうです。
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2009.08.19 アクティブ・シティズン
マサチューセッツ州産まれ。ハーバード大学を優等で卒業し、29歳で下院議員に。1961年第35代合衆国大統領に就任。1963年ダラスにて暗殺。歴史上最も有名な大統領の一人であるジョン・フィッツジェラルド・ケネディは、就任演説で市民の在り方を説きました。「アメリカ人はみなアクティブ・シチズンでなければなりません。祖国があなたに何をしてくれるかを尋ねるのではなく、あなたが祖国のために何をできるかを考えてください。」政権選択を看板に、18日衆院選が公示され選挙戦に突入しました。不透明なばらまき合戦、巧妙な既得権益の保護、見えない成長政策。選ぶのは私達です。
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2009.08.18 もうはまだなり、まだはもうなり
もう底値だろうと思うとまだ下がる。まだ下がるだろうと思うともう既に底値だった。古くから使われる格言ですが、何事も本質を突くものは時と場所を選ばず輝きます。内閣府は17日、2009年4〜6月期のGDP速報値を発表。実質ベースで前期比0.9%増、年率換算で3.7%増となりました。プラス成長は5四半期ぶり。日経平均の過熱感が指摘され続けてきましたが、裏付け指標が追い付いてきました。ただ、政府発表はあったものの「底」に関する判断は引き続き慎重を要します。中国の上海総合指数は、一時期の勢いを失い下落傾向。8月4日には年初来高値の3,471をつけ1月13日の年初来安値から86.3%高騰しましたが、昨日17日の終値は2,871。6月30日以来約1カ月半ぶりに3,000台を割り込みました。巨額の財政出動によるミニバブルの崩壊か、過熱感の自律調整か。もうなのか、まだなのか。
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2009.08.17 義賊か、海賊か
飢えた子に食事を分け与える。学校の費用を工面する。ソマリアの「義賊」の姿です。石油タンカーや貨物船の襲撃。乗組員の拉致。被害は前年の3倍で、身代金は約30億円とも言われます。ソマリアの「海賊」の姿です。死者も出ており、またそもそも略奪行為は許されませんが、ソマリア沖の情勢は一言では片付けられません。海上自衛隊の護衛艦2隻が、4カ月の活動を終えて広島の呉港に戻ってきました。部隊の指揮官は「武器使用の可能性を常に心に置いていた」とコメントしており、緊迫感が伺えます。実際にドイツ海軍が襲われたケースもあり、今後も予断を許しません。ソマリア沖におけるヨーロッパ各国の軍事展開は、EUのEUFOR構想(欧州連合部隊)などが背景にあると言われ様々な思惑が交差しています。日本はどうあるべきなのか。外交は重要な争点です。
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2009.08.16 ウイルスは宿主を殺すのか
体長数cmから1m。直径1〜3mm。ミミズのような細長い外見をしたハリガネムシは、宿主を殺す不思議な生態を持っています。主にカマキリに寄生し、体内で成長。元々水生生物で産卵のため、成虫になるとカマキリを水辺へ誘導します。この際カマキリの誘導のため自殺を促す成分を分泌すると言われていますが、まだ詳しい仕組みは解明されていません。水を感知したハリガネムシはカマキリの体を破って脱出し、再び水草などに産卵します。その後のカマキリは大半が急激に衰弱し、死に至ります。宿主を殺す生態となっており、次に別の仲間が寄生することはまずありません。ただ、これは自然界で珍しい例。一般にイメージするようにウイルスは繁殖のために寄生し、宿主には極力悪影響を出さないようにします。エイズウイルスでさえ免疫を破壊するものの致死性はなく、免疫不全の結果として他の疾病を発症しそれが原因で死に至ります。15日、沖縄で新型インフルエンザによる国内初の死亡が確認されました。慢性腎不全で透析治療を受けていたため抵抗力が低下していたそうで、新型インフルエンザが変異して強力になったわけではありません。改めて冷静な対応が求められます。
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2009.08.15 人類はどこまで進化するのか、世界陸上開幕
1999年6月、9秒79。2008年6月、9秒77。2008年8月、9秒69。男子陸上100m走は、人類の限界に対する挑戦の歴史でした。人類はどこまで進化するのか。スタンフォード大学のマーク・デニー教授は、生物学研究専門誌に論文を発表。人類の限界値は男子9秒48、女子10秒39としました。教授は同論文で、馬と犬は最高速度が既に進化のピークに達したが人類の進化はまだ続く、と記しています。15日、ベルリンで第12回世界陸上選手権が開幕。注目はやはり男子100mで、現世界記録保持者のウサイン・ボルトと100分の8秒差で世界2位の記録を持つタイソン・ゲイとが対決予定です。勝つのはどちらか、記録はどこまで伸びるのか。決勝は16日に行われます。
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2009.08.14 企業1000年の歴史、進歩を続ける組織
「進歩の無い組織で持ちこたえたものはない。まだなすべきことがたくさんある。」
クリミアの天使として有名なフローレンス・ナイチンゲールは、英国統計学の先駆者であり、また病院建築でも名を馳せるなど非凡な才能の持ち主でした。戦地で縦割り行政の壁に阻まれたナイチンゲールは、組織に関しても多くの名言を残しています。東京商工リサーチの発表によると、日本最古の企業の設立は飛鳥時代。寺社建築の金剛組で、企業年齢は1431歳。また他に1000年以上の歴史を誇る企業は8社あるそうです。1000年の歴史は進歩の歴史。金剛組は四天王寺のお抱え宮大工の地位を失った際も、独自の組み上げ工法を武器に新しい道を求めてきました。2006年には一度破綻したものの、2008年には金剛組エンジニアリングとして復活を遂げています。悠久の時を越え何をなすのか。息づく英知には学ぶべきところがあります。
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2009.08.13 自公
「消費税を含む税制の抜本改革を実行」
18歳でハーバード大学を卒業し、その後ボストンで教鞭をとった米国の天才思想家ラルフ・ワルド・エマーソン。彼は税金に関し「あらゆる借金の中で、人は税金を一番払いたがらない」と述べました。税の機能は公共サービス資金、所得の再分配、景気の調整などで、借金と考えるのは利己的な印象を拭えません。ただ、消費者の立場で見ると現実的に後回しになっているのは事実です。自民、公明両党は衆院選の共通マニフェストを発表。焦点の一つである消費税に関しては「消費税を含む税制の抜本改革を実行」と表現され、事実上増税が明記されました。国の借金は860兆円に達しており、選挙戦において劣勢の中での増税明記は評価出来ます。CM露出もされるようになり、メッセージは「あるべきは政権交代か、政策実行か」。設計から打ち出しまで“本質の追究”イメージで統一されており、危機感からかようやく力を入れてきたように感じます。センセーショナルな事件があり、一時的にニュースが偏りました。8月後半戦の展開が注目されます。
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2009.08.12 穀物メジャーの遺産、食糧自給率41%
1954年、米国では余剰農産物処理法が成立しました。第2次世界大戦後、本土決戦の無かった米国は余剰食糧がありました。その処理と新たな販路を求めた穀物メジャーが、政府に働きかけたとも言われます。法律の条文には、米国農産物の学校給食への無償贈与も可とする旨が記載されていました。戦後の食糧難が残る日本が助かる一方で、長期的な視野で食生活を米から小麦へ誘導する目的があったと言われる所以です。幼少期から食しているものが、成人してからの食生活を決定するからです。11日、石破農相は2008年の食糧自給率が前年より1ポイント改善し、41%になったと発表しました。各国の食糧自給率は米国128%、フランス122%で、日本の自給率は先進国の中で極めて低いのが現状です。メーカーの輸出ウェイトが高い日本では円安が歓迎されますが、自給率の低い状態で極端な円安になれば物価が急騰します。もちろん小麦食が悪いわけではありません。ただ資源は無尽蔵でもありません。
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2009.08.11 保険金不払い問題の間違い
過当競争により保険商品が複雑化したが、支払い部分に関しては対応を放置した。解約させないマニュアルまで存在し、悪質であった。2007年は不払い問題が大々的に取り上げられ、業界がマスコミにさんざん叩かれた年でした。当時私は外資保険会社に勤めておりました。該当された方にはこの場を借りてお詫び申し上げます。ただ、その後私は不払い調査チームに入りましたが、実際の現場はマスコミが辛辣に書くようなことはありませんでした。残念ながら皆無という訳ではありませんでしたが、少なくとも悪質な事例は担当の調査範囲では確認されませんでした。「解約させないマニュアル」に関しては「解約防止マニュアル」であって、状況をきちんと伺い保障が途切れるなど解約が望ましくない場合などに継続や他の方法をご案内する内容になっています。「解約させない」という言葉が連想させる、威圧的な対応などモラルに反する内容でないのは言うまでもありません。アメリカンホームは10日、3億円以上の支払い漏れがあったと発表しました。こちらは事務マニュアルのミスが原因だそうです。原因がなんであれ、お客様にご迷惑をお掛けすることは許されません。ただ、マスコミに対しては節度ある対応を望みます。なぜなら彼らは取材能力に優れており、きちんと事実関係を掴んでいることも多いからです。
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2009.08.10 区間タイム改善、F1とトヨタとスターバックス
このカーブは別の選手より少し遅い。コーナー突入時の速度は変わらないから、コーナーからの立ち上がりの問題だ。ただ、ドライバーは立ち上がりの際、アクセルを限界まで踏んでいる。ではタイヤのグリップ力の問題だから、グリップ力を上げる改善をしよう。F1の区間タイム計測からは、様々なデータが得られます。それは事実を客観的に計測し、科学的な判断を下すためです。トヨタ自動車は、それを生産の現場で実践しました。ストップウオッチを持ち歩き、工程のタイムを計測。原因を知り、無駄を省き、区間タイムを向上させました。業績が一時低迷し、NO.1ブランドの失墜と騒がれたスターバックスは、2009年4〜6月期の決算が前期の赤字から約144億円の黒字に回復。トヨタで「Kaizen(改善)」を学んだスタッフにより全米の店舗にそのノウハウが伝授され、提供時間などの区間タイム短縮によるサービス向上が奏功しています。スターバックスは提供商品名をカップに手書きするなど、現場のアナログなオペーレーションが目立っていました。業績低迷の原因には、原材料高騰などの外部要因も大きく影響していました。企業力の強化と景気の回復が並行し、内と外からのKaizenが起こればスターバックスはより大きな存在になりそうです。
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2009.08.08 失業割引の危機、米国の失業率改善
ニューヨーク・マンハッタンのとあるバーでは、「レイオフ・マンデー(解雇の月曜日)」と題したキャンペーンを実施。失業証明書を持参するだけで、1杯の値段で2杯を提供。また、真夜中はテキーラを無料で振る舞うなどしました。この失業割引、好評を博しているそうですが少しだけ寿命が縮まったようです。米労働省の発表によると、7月の失業率は9.4%。前月からの改善割合はわずか0.1ポイントですが、1年3カ月ぶりの改善となりました。米国の2008年の失業率は5.8%。2009年も1月の7.6%から上昇を続けていましたが、ひとまず歯止めがかかった格好です。とはいえ、失業率は5%を超えると不況と言われるため、極めて高水準であることは変わりません。ただサブプライム危機の震源地であった住宅関連の指標は改善の兆しを見せ始め、底入れ感はより拡大しました。マンハッタンのキャンペーンは、カウントダウンに突入するかもしれません。
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2009.08.07 Googlezon vs
新聞メディア
2004年で最も話題になったフラッシュムービーの一つ「EPIC2014」。GoogleとAmazonの合併によるGooglezonの誕生など、様々な示唆に富んでいました。ストーリーでは10年後の2014年、ニューヨーク・タイムズがGooglezonへの最後の抵抗としてオフラインとなることを予言しています。2009年8月5日、ニューズ・コーポレーションのCEOルパート・マードックは、傘下の新聞ウェブサイトを1年以内にすべて有料化する方針を打ち出しました。賛否両論ですが、思い切った決断です。問題は価格設定。同氏の決断は2009年6月期の決算が33億7,800万ドル(約3,200億円)の赤字であったが一因と言われています。勝算は有料化による収入増と、情報に投資する優良顧客へのサービスによる新しい収入源。ただ同氏も認めているように少額でも課金すると読者の減少は避けられない見方が大勢で、また情報への投資を厭わない顧客向けのサービスに特化する場合それなりの金額でなければ採算が合いません。従って、改めて一般紙と専門誌を再編成し専門誌のみ課金する、というのが王道の戦略ですが、今のところ全ての新聞ウェブサイトが対象のようです。メディア王の次の動きが注目されます。
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2009.08.06 ダイエットと痩身
ギリシア語のdieta。生活様式や生き方という意味で、ダイエットの語源と言われています。「過激なダイエット」といった使い方をしますが、実はダイエットとは本来「食餌療法」の意で、減量のようなニュアンスでは使わないそうです。その場合正しくは「痩身」。強いて言えば痩身の手段の一つとしてダイエットがある、というのが正しい解釈です。最近タレントのくわばたりえやはるな愛など、痩身の成功が大きく取り上げられるようになりました。gooリサーチによると、今までにダイエットを経験したことがある、と回答した女性は76.5%に達したそうです。ところで海外の国を見てみると、肥満トップはやはり米国。BMIという指標を用いて測定しており、これは「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で簡単に計算出来ます。BMI値が30以上になると肥満にあたりますが、身長が160cmの場合約76kg以下であれば30を超えません。米国のBMI値30以上は人口の30.6%。メキシコ、英国などが20%台でこれに続きますが、日本はOECD諸国の中で最も比率が低く、わずか3.2%にすぎません。尚、ダイエットに成功したと回答した女性は27.9%。ただし、43.6%は成功したがリバウンドした、と回答したそうです。
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2009.08.05 無期懲役か、死刑か
世界最古の裁判記録は、古代メソポタミアまでさかのぼります。「目には目を、歯には歯を」で有名なハムラビ法典の時代で、労働者や失業者を保護する法律があるなど、優れた法体系がありました。裁判では既に陪審員制度がとられていました。東京地裁では、日本初の裁判員制度による公判が開かれています。目的は民間の普通の感覚を法廷に持ち込むことや、裁判の短期化など。特に期間に関しては3日程度が想定されており、これまでのいつ終わるともしれない裁判から比べれば非常に画期的です。肝に銘じなければならないのは、量刑も判断しなければならないこと。これは無期懲役か、死刑かといった生死に関わる重大な判断も含まれます。これまでは、死刑制度の議論もどこか遠い世界での出来事に感じるのが普通だったのではないでしょうか。素人がそこまで判断してよいのか。議論は尽きないところですが、最高裁判所長官を指名するのは内閣です。間接的とは言えこれまでされてきた司法判断の一部は、実は既に私たちが下した判断であったのかもしれません。
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2009.08.04 フロッピーディスク、勇退へ
「重要な事は、明日何をなすかではない。不確実な明日の為に今日何をするかである。」
数々の名言を残した経営学者ピーター・ドラッカーは、
変化への適応に関してそう述べました。進化論を紐解くまでもなく、変化に適応出来ないものは滅びてゆきます。フロッピーディスクドライブ(FDD)の主要メーカーは、生産の調整に苦慮。周囲に配慮しつつ、いよいよ段階的な生産撤退に動き始めました。FDDの生産台数はピークで約1億5,600万台に達しましたが、2009年度の出荷見込みは約540万台。USBやフラッシュメモリなどが主流となり、約30分の1まで激減しました。困惑しているのはユーザーサイド。財務データなどがまだフロッピー保存されている企業も多く、対応が追い付いていません。現実的な調整は当然必要ですが、適応が遅れている企業に対する教育やそれぞれの自助努力も求められます。
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2009.08.03 0.21打差、ゴルフの神の微笑み
「ゴールデン・ベア」、日本では「帝王」の名で親しまれたジャック・ニクラウスは、男子メジャー大会で通算18度優勝。不滅の記録と言われましたが、タイガーウッズは既に14度の優勝を記録。更新は時間の問題と言えそうです。トップクラスのゴルファーのスコアは非常に接近しており、2004年はゴルフの神がタイガーウッズ以外に微笑んだ年でした。同年はタイガーウッズが平均スコアランキングで1位をキープ出来なかった年。この年のトップはビージェイ・シンで平均スコアは68.83。タイガーウッズは69.04で、その差は0.21打差しかありませんでした。どの世界でもそうであるように、ゴルフの世界も最後の勝敗はほんの僅かの差で決まるようです。石川遼は、北海道で開催された男子ツアー「サン・クロレラクラシック」で優勝。今季2勝目を挙げました。2週間後には全米プロ選手権が控えており、弾みのつく勝利です。コンマ数打の世界。待っているのは神の微笑みか、苦笑いか。
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2009.08.02 十合呉服店、2度目の閉幕
お人形さん達は、約束でお家に帰ることになりました。そう書かれた案内板が、そごう店舗の前に掲げられました。2008年4月、そごうは東京ディズニーリゾートとのスポンサー契約を終了。毎日正午に「イッツ・ア・スモール・ワールド」のからくり時計を稼働していましたが、人形は取り外され鐘のみになったからです。2009年8月31日、十合呉服店から132年を経て心斎橋そごうは2度目の閉店を迎えます。皮肉にも閉店セールは活況を呈し、消費が低迷する中7月の紳士服販売は前年比約2倍に膨れ上がりました。店舗はJフロントリテイリングが買収済。11月に大丸心斎橋店としてOPEN予定です。
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2009.08.01 変わる食文化
コメ消費、過去最低
チンパンジーは文化を持つのか。生物学者の間では、まだ完全に答えが出ていない問いの一つだそうです。答えの主流は文化を持つ。チンパンジーの中には美食家が存在し、食べ物を洗ってから口に入れる個体がいます。ヒトが食において様々な嗜好性を持つことを食文化と言うことから、チンパンジーも文化を持つと言えるのではないか、と。農水省の発表によると、昨年7月から今年6月までのコメの消費量が2年ぶりに過去最低を更新しました。食の欧米化により米の消費量は年々減少しており、平成18年の1人1年あたりの消費量は61.0kg。昭和37年の118.3kgからほぼ半減しました。昨年度は小麦の価格が急騰した為一時的に米の消費量が増加しましたが、全体的な減少傾向は変わりません。日本の幸島に住む猿は、さつまいもを洗ってから食べます。学者が、観察可能な場所へおびき出すために与えたのがきっかけ。当初は真水で洗っていたのが、そのうち海水で洗うようになりました。今では海水に浸しながら食べるそうです。食の変化は自然の摂理であり、コメもその一つです。未だに族議員の影が散見されますが、手垢にまみれた手を突っ込むところではありません。
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