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2009.09.30 健康保険対象外の混合診療、原告敗訴
お金でいのちを買う時代。少し前からこのフレーズは、あちこちのメディアで使われてきました。私達の多くはごく普通に健康保険の恩恵を受けているため、健康保険が利用できない時の苦しさをなかなかイメージ出来ません。混合診療とは、保険診療と保険外診療を併用した診療を指します。問題は、厚生労働省が認めていない保険外診療。これを行うと、現在の制度では通常の保険診療分に関しても健康保険が適用されない(全額自己負担)ことになっており、医療費が高額になることから問題視されています。本来は未認可の診療が増えないように抑制するための制度でその意味では正しいのですが、既得権にすがる反対勢力があるのも事実で問題をより複雑化させています。特にがん治療では、国際的に有効性が確認されながらまだ日本では承認されていない治療法が多く存在します。結果、全額自己負担出来る人間だけが助かるため、“お金でいのちを買う時代”と揶揄されました。29日、東京高裁では、混合診療禁止の是非を問う裁判の判決が下されました。原告、がん患者側の逆転敗訴。医療の質の確保の点から混合診療禁止は妥当である、との判断です。確かに保険外診療をなんでもかんでも解禁するのはそれこそ問題ですが、がんなど特定の領域に関しては門戸を開くべきだと考えます。原告は上告する方針。禁止か解禁かといった二元論ではなく、細かいガイドラインを策定しそれに応じた部分解禁があるべき姿ではないでしょうか。
2009.09.29 迷走為替、信任なき円高
7月の鉱工業生産指数は前月比では2.1%増ながら、前年比ではまだ8割弱の水準。消費支出は2カ月連続前年比プラスを記録したものの、7月は同2.0%減に。経済の基礎指標は、日本が回復基調にあるもののまだ途上であることを改めて示しています。28日、為替市場では一時的にドルが88.23円まで下落。実体経済の信任無き中、約8カ月ぶりの円高となりました。背景は内外の声明。外では23日に、FOMCが低金利の維持を確認。G20でも各国の経済刺激策の継続が認識され、米国がやはり低金利政策を続けることが再確認されました。中では藤井財務相が、多少ニュアンスを変えつつやはり為替介入に否定的な旨を表明。90円を抵抗線とした為替介入警戒感は薄れ、一気になだれ込みました。恐らく迷走が正常をもたらす展開になりますが、この間にドルの損失確定売りが急増しています。膨張したリスクを好むマネーは、正常化した為替市場には戻らないでしょう。
2009.09.28 増える暴行罪?10年で認知件数は4.4倍
鉄道係員への暴力行為は、1日2件のペース。週末の深夜帯が大半で、やはり泥酔した客が引き起こします。発生場所は改札が最も多いとか。2008年は年間で752件でした。前年が751件であまり変わっていません。平成20年版「犯罪白書」によると、平成19年における暴行の認知件数は3万1,966件。平成9年は7,254件で、約4.4倍に達しました。一時期テレビの特集等で、犯罪が増えているのに検挙率は低下している、と騒がれた所以です。少し数字を吟味する必要があります。統計を見てみると、まず2000年から件数が急増していることが分かります。以後増加を続けていますが、これは一概に犯罪件数の増加を表す訳ではありません。1999年、桶川ストーカー殺人事件が起こりました。被害者が身の危険を感じ警察に相談していたにも関わらず捜査はなく、最悪の結果に至りました。警察の怠慢や体制の在り方が痛烈に非難された事件です。これを受け2000年には、警察に持ち込まれる相談事案についてはその内容の如何に関わらず全てを受理し、国民の安全にかかわる問題が認められる事案は適切な対応措置を講ずるように、警察庁内で指示が出されました。全件がそうである訳ではありませんが、認知件数の増加は警察の取り組み姿勢が向上したことによるものと言えそうです。
2009.09.27 利き手はどちら? 左利きは26%高収入
ノーベル賞受賞者などに左利きが多いことは、よく知られています。左利きには様々な不思議があり、例えば古今東西左利きの割合は概ね10%程度で変動していません。これは石器時代にまで遡っても同じで、壁画などを調査するとやはり同じ結果になるそうです。また全米経済研究所の発表によると、大卒の年収を利き手で比較した場合、左利きの方が26%収入が高い結果となりました。23日、英国では下着ブランドの「Hom」が、左利き男性向けの下着を発売。英国百貨店チェーンのディベンハムズでも取り扱うことになりました。英国でも、やはり男性の10%程度が左利きだそうです。
2009.09.26 日本はウサギ小屋、日米住宅事情
25日、米商務省は8月の新築一戸建て住宅販売件数を発表。戸数は42万9,000戸で、前月比0.7%増となりました。前月比では5カ月連続のプラスですが、米国住宅市場の9割を占める中古住宅市場は迷走。8月の中古住宅販売は前月比2.7%減でした。日米では住宅事情が異なり、日本の住宅は「狭い・高い・短い」の3拍子から通称“ウサギ小屋”。まず平均床面積では米国の195平方メートルに対し、日本は140平方メートル。その割に坪単価は日本が約1.7倍で、耐用年数は米国の44年に対し日本は26年しかありません。結果、日本では20年もすると住宅はタダ同然になりますが、米国ではそれなりの資産価値を持ちます。この点は、サブプライム被害拡大の一因にもなりました。日本における不動産購買は、理性判断よりも感性判断の方が圧倒的に多いそうです。長期的な視点で不動産市場を活性化するには、資産価値の上がる住宅の存在が不可欠と言えそうです。
2009.09.25 お得意先のシェア増加、8月貿易統計
中国二十四史の一つ、後漢書に「挙足軽重」という言葉が出てきます。2つの勢力下では、第3者が左右どちらかに足を挙げることにより全体の流れが決まることが語源です。転じて、小さな動きが全体に影響を及ぼすことを意味します。24日、財務省は日本の8月貿易統計を発表。輸出、輸入ともに減少したものの、収支では約1,857億円の黒字を確保しました。輸出のお得意先は引き続き中国。8月の対米国輸出額が約7,130億円、対EU輸出額が約5,143億円に対し、対中国輸出額は約8,846億円に達します。全輸出における対中国の輸出シェアは昨年8月から2.3ポイント増加し、19.6%となりました。シェア2割が目前で、貿易総額減少下でもより中国の存在は大きくなっています。
2009.09.24 クラーケン伝説、メキシコで約6mの巨大イカ
スカンジナビアでは、深海に潜み時折り水面に現れては漁船ごと水中に引きずり込む怪物の伝説があるそうです。人々は畏敬の念をこめて、それをクラーケンと呼びました。21日、メキシコ湾で全長5.9m、体重46.7kgのダイオウイカが捕獲されました。調査船が仕掛けた、水深約450mのトロール網にかかったため。残念ながら引き上げる際に死んでしまいましたが、ワシントンの国立自然史博物館に送られました。ダイオウイカは都市伝説さながらに様々な記録が残されており、1882年にカナダのニューファウンドランド海岸には全長約27m(胴の長さは約9m)のダイオウイカの死体が打ち上げられました。推定体重は2tを超えるそうです。
2009.09.23 プライベートバンクの憂鬱、儲からない富裕層
「プライベートジェットの予約をして欲しい。」 最低100万フラン(約8,900万円)以上預けなければ口座を開設出来ないスイスのプライベートバンクには、富裕層特有の依頼が入ります。全てのご希望を叶えるノーの無い世界ですが、厳然たる高コストは企業収益を圧迫してきました。近年では100万フランの敷居は事実上消滅。金融不況の影響で、2008年はミリオネアが15%も減少したことが原因です。残存するミリオネアは世界で860万人程度で、次のターゲットはセカンドミリオネア。身の丈以上の要求をしない彼らは高収益をもたらし、これまでの富裕層ビジネスモデルに一石を投じています。日本における金融資産100万ドル(約9,100万円)以上の富裕層は、2007年末時点で推計約151万人。人口比で約1.2%に相当し、意外にも100人に1人以上は富裕層です。昭和21年2月17日の預金封鎖の経験者もおり、こちらは根強く現金主義。預金にすら至らず、プライベートバンクを悩ませます。ターゲットゾーンにもよりますが、富裕層ビジネスは必ずしも儲かる訳ではないようです。
2009.09.22 イヌもヒトも、宿敵はがん
厚生労働省「平成20年度 人口動態統計」によると、がんによる死亡者数は34万2,849人。年齢によって異なりますが、死因別順位の総数で第1位となっています。かつて、イヌの死因は感染症が第1位でした。近年では急減しており10%程度と推測されています。現代のイヌの死因第1位はヒトと同じくがん。第2位もヒトと同じく心疾患で、死亡全体の6割に達します。がん発生のメカニズムはヒトと同じで免疫機能の低下。免疫が低下すると自己防御機能が衰え、リンパ球ががん細胞を排除してくれなくなります。となると免疫機能低下の原因は?答えは過度のストレス。ペット飼育が増え群れ生活が無くなったことが原因の一つで、遊び相手がいないことからストレスが蓄積されるようです。解決策の一つは多頭飼い。性格的に合わないケースもありお見合い期間を設けるなど注意が必要ですが、“話し相手” がいるだけで随分変わるそうです。イヌとヒトは昔からの盟友ですが、その分似ているところも多いのでしょうか。
2009.09.21 鶴丸の消滅から1年、JAL争奪戦
1959年、日の丸とタンチョウ鶴をモチーフに作成したJALのロゴが商標登録されました。1987年11月の完全民営化の際にはロゴ廃止が検討されましたが、最終的には尾翼に残されることになりました。2002年に日本エアシステムと経営統合。新ロゴマークが決定され、順次入れ替えへ。2008年5月を最後に、鶴丸は完全にその姿を消し、日航の名前が残りました。それから1年と少し。日航は単独での生き残りが難しくなり存続の方法を模索しています。現在、アメリカン航空陣営とデルタ航空陣営が日航争奪戦を展開中。アメリカン航空はブリティッシュ・エアウェイズを、デルタ航空はエールフランスなどを陣営に加え、資本提携というよりは吸収型経営統合の様相を呈しています。8つの労働組合が存在するなど内部の問題で経営が進展しない状況はGMと共通する部分があり、日航の自力再建は期待出来ません。日本で起業した会社でも、海外売上高が半分以上を占める会社が増えました。米国では、ソニーが米国の会社と思っている人もいます。民主党よりの御用組合内で存続を熱望する動きが見られますが、日航の名は既に十分その役割を果たしました。
2009.09.20 揃わない手役、ポーカーとウォール街
ビル・ゲイツはポーカーの名手としても有名で、事業立ち上げ資金はポーカーで稼いだと言われる程の腕前。盟友バフェットも得意としており、ビル・ゲイツとは数年来のポーカー仲間です。ポーカーの手役は9種類。ワン・ペアの発生確率は2.4分の1ですが、ツー・ペアは21分の1。スリーカードでは47分の1まで低下します。ストレートは255分の1。基本的に手役が揃わない不思議なゲームですが、より不思議なのは手役が揃わない同士が戦うことになるにも関わらず極端に勝率の高い人間が存在することです。視線の動き、手札の握り方、息遣い。彼らはわずかな反応から様々な情報を読み取り、確実に勝利します。リーマンショック後、ウォール街では株式ディーラーからポーカープレイヤーに転じるものが続出したそうです。あるプレイヤーは「金融市場とポーカーはよく似ている。確率論と心理学だ。」と述べました。元リーマン・ブラザーズのビニー・パフジャも同社が倒産後、ポーカープレイヤーに“転職”。昨年の年収はリーマン時代の約2,000万円から約6,000万円に増え、「カード・プレイヤー」誌の年間プレイヤー10位にランクインされました。
2009.09.19 値下げか、毎日低価格か
EDLP(Every Day Low Price)戦略で知られ世界に席巻するウォルマートも日本の消費者に関しては「難しい」との声が漏れ、その特性を掴みかねています。安さよりも “安くなった” ことの方が受け入れられる独特の風土に、今回も馴染めないようです。18日、ニトリは2009年8月中間連結決算を発表。売上高は前年比18.8%増で、税引き後利益は同30.3%増に達しました。値下げ効果が如実に現れ、2月以降の来店客数は18.9%増となったことによります。ウォルマートは既に韓国やドイツから撤退するなど、再編を模索中。ニトリは8月時点で193店の国内店舗を、来年2月までに211店に増やす予定です。
2009.09.18 Who are you? 支持率狂想曲
「最初に『How are you?』と挨拶してください。」 2000年5月、森首相は側近にそう耳打ちされました。出たのは「ふ〜あ〜ゆ〜?」。クリントン大統領は苦笑いし、「I'm Hillary's husband.」と返しました。森内閣の支持率は、歴代最低の9%を記録しています。17日、毎日新聞は鳩山内閣の発足を受け、緊急世論調査を実施。内閣支持率は77%に達し、小泉内閣の85%に次ぐ歴代2位の高水準となりました。安部内閣も発足時は67%の支持率がありご祝儀的な支持率である点は否めませんが、自民党支持層でも43%が支持を表明しており順調なスタートと言えそうです。支持率において懸念されるのは、一言の怖さ。神の国発言など失言を連発した森首相は論外ですが、少し踏み込んだ発言が過剰な受け止められ方をすることがあります。民主党の政策は、特に外交面においてこれまでとは異なる路線を歩もうとしています。今後は、国民の耳に痛い発言も出てきます。選んだのは私達です。安易な不支持表明は避け、マスコミに対しては報道なのか煽動なのか、冷静に見極める必要があります。
2009.09.17 スピーカーの無いプレーヤー
「スピーカーの無いプレーヤーは絶対に売れない」 ソニー創業者の一人、盛田昭夫は社内から大きな反発を受けました。娘が自分の部屋にこもって音楽を聴いているのを見てヒントを得た同氏は、“いつでもどこでも”音楽を聴けるモノを創るよう指示。反対を押し切り開発を続行しましたが、当時は多くの人間が疑問を抱いていました。1981年2月1日、WM-2型を発売。250万台を出荷する大ヒットとなり、ウォークマンスタイルが確立されました。2009年9月16日、ソニーのハワード・ストリンガー会長兼社長はiPodに奪われた栄光を取り戻すべく、10月10日からの新商品発売を発表。デザイン性を重視しており、またノイズ除去機能を高め音質向上も図られています。日経平均が前日比0.52%増とさえない中、同日のソニーの株価は前日比2.27%上昇しました。
2009.09.16 準新興国投資TIPs、回復するタイ
世界で最も権威のある大学の一つ、ハーバード大学。ロースクールが有名ですが、一部の投資家の間では資産運用機関としての方が有名です。大学基金を自前で運用していますが、2008年6月30日時点での基金は369億ドル(約3兆3,600億円)。サブプライム危機の真っただ中において、前年から20億ドル(約1,800億円)の増加。利回りは5.8%に達しました。運用方針はリスクテイク。商品やハイイールド債など幅広くリスク投資しており、1割弱は準新興国のTIPs(Thailnad,Indonesia,Philippines)に向けられています。タイ株主要指数SETINDEXは、先週700ポイントを回復。2008年12月の400ポイント前後から7割増と、他の新興国と同様に急ピッチで上昇しています。「アジアのデトロイト」を標榜するタイは、自動車産業を中心に直接投資誘致を強化。中国やインドなどの輸出を中心に、ハブ拠点となることを目指しています。GDP成長率も今後5年程度は5%成長をキープする見込み。政情不安は懸念されますが、バーツ危機を乗り越えポストBRICsの一員としての地位を固めつつあります。
2009.09.15 ハイテク資産運用時代、半数がアルゴリズム
今年8月、証券取引委員会はフラッシュ・オーダーの禁止を検討する、と発表しました。フラッシュ・オーダーは合法的なフライング取引。主な利用者はヘッジファンドで、手数料を支払えば取引所が一般公開する0.03秒前に、証券会社からの注文内容を見られるようになります。通常では問題にならないわずかな時差ですが、高速大容量取引の世界では異なります。昨今のプログラム取引は市場のわずかな値動きを読み自動的に利益を得る仕組みになっていますが、0.03秒は処理可能な時間だからです。野村総研は国内株式トレーディングの実態調査を発表。資産運用会社の半数が、コンピューターによるアルゴリズム取引を利用していると回答しました。取引金額ベースでは大半が10%未満のためまだそれほどではありませんが、今後も確実に取引割合が増えてゆくと考えられます。
2009.09.14 世界の風変りな食べ物トップ10
旧約聖書「出エジプト記」には、“マナ”と呼ばれる食物が出てきます。イスラエルの民が荒野で飢えた時、神がモーゼの祈りに応え天から与えました。蜜を入れたせんべいのように甘いとされ、約束の地「カナン」を目指した40年の間、イスラエルの民の食糧を担ったと伝えられています。旅行情報サイトVirtual Tourist.comは世界の風変りな食べ物トップ10を発表。栄えある1位には、台湾の「豚の血のケーキ」が選ばれました。材料は豚の血と米などで、アイスクリームのように食べるスイーツだそうです。尚、2位は韓国の「タコの生け造り」、3位はウガンダの「バッタ」。ウガンダのバッタは雨期になると市場に出回り、生のまま食べる習慣があるそうです。
2009.09.12 8月の倒産、二ケタ減 件数は今年最少
古代ギリシアでは、「倒産」は存在しませんでした。亡くなった父に借金があった場合は、残された家族が債務奴隷となる制度だったためです。期間は5年間で、生命と手足の自由は保証されていました。通常の奴隷にはその保証が無かったため、債務奴隷は多少優遇される制度になっていました。帝国データバンクによると、8月の倒産件数は1,042件で、件数ベースでは今年最少。前月比では13.5%減になりました。引き続き公共工事の前倒し発注効果が続いており、建設業は前年比でも7.5%減となっています。政権交代により恩恵が受けられなくなる業界は、景況悪化でしばらくは引き続き高水準になると見込まれます。ただ負債総額も6カ月連続で減少中。恐らくあと一山は越える必要がありますが、倒産に関しても出口の光が見えつつあります。
2009.09.11 「北に問題ありと考えている」 鳩山代表
1993年、ニューズウィーク、ワシントンポスト、ニューヨークタイムスに北朝鮮に関する記事が掲載され、大きな反響を呼びました。同年、クリントン大統領は北朝鮮との戦争を視野に入れ、米国防総省に戦争シミュレーションを指示。結果は、開戦90日でベトナム戦争10年間に匹敵する米軍死傷者が出る、というものでした。北朝鮮は、化学兵器などを搭載した数百のミサイルを発射。また標的には、原子力発電所なども含まれる見込です。米国はもちろん強硬路線をあきらめました。10日、民主党の鳩山代表は核実験や拉致問題などに関し「北朝鮮側に問題ありと考えている」と発言しました。日米地位協定の見直しなど対等外交を打ち出していますが、現実的に在日米軍はすぐには動かせません。対策の一つはやはり経済制裁ですが、中国が代替措置をとるため効果が半減しています。最初に対等外交を再構築しなければならないのは、北でも西でもなく中国ではないでしょうか。
2009.09.10 玉石混合のWEB2.0、高い信頼性
2001年、ドットコムバブルが崩壊。この頃を境にWEBの在り方は徐々に変化してきました。明確に分けられる訳ではありませんが、これ以前をWEB1.0、以後をWEB2.0と呼びます。それまで情報の発信は発信者と受信者が固定されていたことに対し、ブログなどに見られるように「誰でも」発信者となれるようになったことが最大の違いです。新聞等の媒体社は、WEB2.0は玉石混合で敵にはならないと見ていました。インターネットコム株式会社と株式会社リアルワールド リアルサーチが実施した「Q&A サイトに関する調査」によると、Q&A サイト利用者の9割超が、投稿されたユーザーの回答を「信頼できる」と回答しました。内訳は、「十分信頼できる」8.6%、「まあ信頼できる」83.3%、「あまり信頼できない」8.1%。紙媒体が無くなることは恐らくありませんが、口コミサイトなどは急増しています。仮に新聞とWEB2.0の信頼性を等しいと考えた場合、実体を伴わない発行部数1000万部の新聞と閲覧回数が億単位のインターネットサイト。You TubeやQ&Aサイトなどは、昨年あたりからマーケティングの利用頻度が高まりつつありました。また集まった口コミを開発に活かすケースも増えています。ただこれらは基本的に企業側からの吸い上げでした。相互に機能し、要件定義から開発、生産まで進み完成までこぎつけたのがLinuxです。2010年は、一般商品におけるLinux生産モデルの年になるのではないでしょうか。
2009.09.09 BCP準備出来てますか?インフルエンザ拡大
平成18年2月20日、経済産業省中小企業庁よりBCPに関する運用指針が公開されました。BCPは「Business Continuity Plan」の略で、“事業継続計画”の意です。例えば感染症が局地的に大流行した場合、該当地の社員は誰も出社できず企業活動が停止します。また直下型大地震が発生した場合、別の場所でお客様からの電話を受ける必要があります。いずれの場合もフロー策定と人員確保が必要ですが、東京都などが実施したBCPに関するアンケート調査によると「人員体制の整備計画がある」と回答した企業はわずか9.5%でした。既に厚生労働省は8月21日に、新型インフルエンザが「流行期に入った」と宣言。8月発表時点で患者数は全国で1万1600人。死者も10人に達しています。
2009.09.08 新世代ロールスロイス 加速はポルシェに匹敵
運転手に「エンジンをかけてくれないか」と声を掛けたところ、運転手は「エンジンは既に回っております」と答えたそうです。またアイドリング中のボンネットに硬貨を立てても倒れない、とも言われました。1930年頃、既にロールスロイス伝説は世に広まっていました。第二次世界大戦よりも前のことです。6日、ロールスロイスは15日開幕のフランクフルトモーターショーに、新型車「ゴースト」を出展することを正式発表しました。基本仕様は現行ロールスロイスの中で最強。最大出力570ps/5250rpm、最大トルクは79.5kgm/1500rpmに達します。0-100km/h加速はわずか4.9秒。トップモデルではないものの、ポルシェの「911カレラ4」は0-100km/h加速5.0秒。「ゴースト」は超高級車でありながら、ポルシェに匹敵する加速性能を持ち合わせています。デザインは大型ヨットをイメージ。ロールスロイスシンボルの一つであるラジエーターデザインは、パルテノン神殿をモチーフにしています。
2009.09.07 G20高額報酬抑制に合意、投資弱体懸念
2007年8月9日、フランスのBNPパリバ銀行は傘下サブプライムファンドの一時凍結を発表。世界金融不況の契機となったサブプライム問題は、火元の米国ではなく欧州に端を発しました。同年末、各金融機関のバランスシートは既に近い将来を暗示しています。企業は赤字でもキャッシュがあれば、倒産しないのは周知の通りです。従って、フローの側面を除くと指標の一つとしてキャッシュと短期借入のバランスを見ることが出来ます。同年末のAIGは、キャッシュ(現金及び現金同等物)が約23億ドルに対し短期借入が約130億ドル。借入はキャッシュの約5.7倍に達します。同年のシティバンクは約0.7倍、三菱東京は約0.2倍です。リーマンブラザーズはキャッシュが約200億ドル(約1.8兆円)に対し、短期借入は約3,594億ドル(約33兆円)。倍率は約18倍に達しました。誰にでも負えるリスクではなく一概に悪いとは言えませんが、問題とされたのは在任中のわずかな期間をやり過ごせれば極端なリターンが得られる点。評価は年度単位だからです。実際にドイツでは、ストックオプションの行使権を4年後とする役員報酬制限を法制化しました。一考の余地があります。これまでは四半期決算の開示など、企業活動の透明化には短期的な動向の公開が欠かせない、という流れでした。年商から月商、月商から日商とビジネスの活動時間単位はどんどん短くなり、その中で成果が求められることから怠惰な時間が減り生産性が向上してきました。短期的な成果はむしろ今後も追及されるべきです。仏独を中心とした動きは、この機会にウォール街やロンドンを中心とした金融体制にとって代わることを意図しており本質的ではありません。行き過ぎた短期化は是正されなければなりませんが、投資に関しては元々弱い日本の金融機関がよりリスクを取れない体質となることは防がなければなりません。
2009.09.06 伸びるライツビジネス、2010年は15億ドル
一般的にはプログラマーのイメージが強いビルゲイツですが、氏の最も偉大な業績の一つはライセンス供与です。IBMがコンピュータビジネスに参入する際、OSはマイクロソフトに委託。この時ビルゲイツは「MS-DOS」のライセンスを開放し、広く提供しました。当時としては極めて異例。マイクロソフト躍進の時です。中国はアジア第二のライセンシング市場として成長中。2010年は15億ドル(約1,380億円)に達する見込みです。大半のビジネスに共通しますが、インフラが充足すると次はコンテンツの勝負になります。結果はさておき、ソニーは5年前にハリウッドのメジャースタジオMGMを、49億ドル(当時で約5,400億円)かけて買収しました。日本の場合、今一つライツビジネスが伸びないのは著作権など複雑な利権が絡むため。中国では比較的寛容で、ようやくある程度のボリュームに成長してきました。次の投資テーマとして、悪い選択肢ではありません。
2009.09.05 肝硬変、アルコール過多とメタボはご用心
3日、香川大学医学部付属病院は、日本初となる胎児の肝硬変治療に成功したと発表しました。今年6月に男児を無事出産。現在母子ともに健康です。これまでは国内で21例の報告があり、軽症の1例を除いて全員亡くなっていました。一般的な成人の肝硬変は、長い時間をかけて進行してゆきます。肝炎に気づかず肝硬変になった場合などは、かなり進行しなければ大半のケースで自覚症状が出ません。肝機能が低下し肝臓内に繊維が蓄積、硬化してゆきます。肝硬変の主な原因は、慢性肝炎の放置、メタボリックによる脂肪肝の悪化、アルコール過多によるアルコール性肝炎の進行、など。場合によっては、その後肝臓がんへと変化します。代表的な治療法はインターフェロンによる薬物療法ですが、何より日々の摂生が重要です。特にタンパク質の摂り過ぎは、肝不全の原因になるため要注意。塩分も成人の適量は1日10gですが、1日7g程度に抑えるのが理想です。
2009.09.04 民主党、補正予算凍結
2008年11月9日、日本の内閣に相当する中国国務院は総額約4兆元(約56兆円)の財政出動策を決定。これを受け翌日の上海総合は7.3%上昇。12月に一旦反落したものの、以後は上昇を続け2009年8月4日には年初来高値の3,471をつけました。財政出動発表前の1.99倍に達します。やはり息切れしたかのように下落。わずか一カ月の間に4%超の下落が4度もありました。クスリが切れてきたようです。日本も2009年3月10日にバブル後最安値を更新してから、9月3日までの約半年で44.8%上昇。高値圏で推移しています。3日、民主党は補正予算の一般会計総額13兆9,256億円のうち、未執行分の予算の執行を原則として全面停止する方針を固めました。2つの意味で英断と言えます。1つは単純に浮いた予算が子ども手当などの財源に充てられ、約束が守られる点。もう1つは財政出動バブルの抑制。持続的な回復とのバランスをとる必要はありますが、早い段階で「無心にとにかく景気回復」の流れが断ち切れたのは意義があります。秋の臨時国会では、骨太の第2次補正予算案が期待されます。
2009.09.03 怯える巨大飲料メーカー、肥満対策税?
日本で最も肥満の多い県は?2008年食育白書によると、答えは沖縄県です。最も長寿であることで有名ですが、意外に肥満傾向。これは交通手段が影響しており、公共交通があまり発達していないことから移動はもっぱら車であることが原因となっています。白書によると都会より地方の方が肥満傾向で、歩くことが肥満脱却の第一歩と言えそうです。米国では肥満は深刻な問題。公園で軽く走る光景は馴染みがありますが、それだけでは追いつかないようです。米国の研究機関は肥満対策に関する報告書を発表。肥満の最大の原因はソフトドリンクからの大量の砂糖添加物摂取で、10%程度の値上げをすれば消費量は8-10%減少する可能性があると提唱しています。たばこの研究では、喫煙量の抑制は増税が最も効果的であると言われています。ソフトドリンクに対し、米国が10%の増税をする日は近いかもしれません。
2009.09.02 失業してからか、失業する前か
諸説様々ですが、世界最古の職業は「密偵」「兵士」だそうです。職業認定してよいのか定かではありませんが、「泥棒」を世界最古の職業に挙げるケースもあります。ただポピュラーなのは兵士で、葬儀屋と兵士は失業しないと言われたそうです。ミシガン大学とカリフォルニア大学の研究者らは、失業と雇用不安に関する研究を発表。分析では「実際に失業するよりも、雇用不安の状態が続くことの方が健康により悪影響を及ぼす」としています。失業への不安が血圧を高くし、ストレスホルモンのレベルが変化して健康状況が悪化することが一つの原因だそうです。人員削減が半日常化した昨今。自身ではどうにもならないことを憂いて余計に気が滅入るよりは、あまり気にせず次へ進んだ方が良いようです。
2009.09.01 ビジネスの制空権、大航行時代
「翼よ、あれがパリの灯だ。」 1927年、愛機スピリット・オブ・セントルイスに乗りニューヨークを離陸。約33.5時間後にパリに到着し、大西洋単独無着陸飛行に成功したチャールズ・リンドバーグは75万人を超える聴衆に迎えられました。約80年を経た現代。年間旅客数は1千万単位となり、都市レベルでニューヨーク約8,400万人、パリ約6,000万人。東京は約7,500万人に上ります。年間の発着数は、最も多いニューヨークのニューアーク空港で44.3万回。1日当たりでは実に約1,214回に達します。日本の年間発着数は、成田空港約12.2万回、物議をかもしたものの関西国際空港約12.9万回。さて、31日関西国際空港は新規就航の国際路線向けに着陸料を30%割り引く制度について、割引率を80%に引き上げると発表しました。他にも自治体などで着陸料の20%の報奨金制度が実施されており、事実上着陸料が無料になります。アジアにおける発着数で見るとソウルの年間発着数は約22.9万回で、これまで成田や関空は遅れをとってきました。期間は1年半で減収も見込まれるものの、制空権の巻き返しに期待がかかります。

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