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2009.10.31 知られざるドイツ、ウェブでは世界2位
IMFの発表によると、ドイツの2008年GDPは3兆6,700億ドル(約330兆円)で世界4位。ベンツ、BMW、ポルシェ、アウディ等を擁する工業大国です。また一般にはビールとソーセージでよく知られています。ところが日本人の旅行先ランキングで見てみると、多いのは米国・中国・韓国・タイ・香港でドイツはベスト5にも入ってきません。実際のドイツの旅行先ランキングは8位。また「なかなか行けないけれど行ってみたい旅行先」はイタリア・オーストラリア・ニュージランドなどで、こちらにもランクインしてきません。その時々の景気やサーチャージの問題もありますが、中国に抜かれるまでは日本に次ぐ世界3位であった経済大国の割には、人気に乏しいようです。さて、言語としてみた場合はどうでしょうか。まず医学に関してはドイツ語に権威があり、そもそもカルテ(Karte)がドイツ語です。インターネット言語の世界ではやはり英語がトップですが、ウェブページ数で見ると意外に少なくそのシェアは4割程度。世界2位が実はドイツ語で、全体の8%程度を占めます。利用者数ベースで見てみると、2002年末にドイツがイギリスを抜いて欧州1位に。ドイツは環境先進国として有名ですが、ネットの世界でも先進的です。ところで、ドイツという呼び名の由来をご存じでしょうか。諸説様々ですが、「Duits」が起源とか。「Duits」はオランダ語で、自国語以外の言語が国名の起源となっている珍しい例です。 | |
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2009.10.30 美人な指標
株式相場が美人投票に例えられるのは周知の通りですが、様々な指標にもその時々の美人が存在します。グローバルな指標でここ数年美人の座をキープしているのは、ニューヨークのWTI原油先物相場。規模を見てみると、まず世界の主要9証券取引所における時価総額は今年8月末で41.7兆ドル(約3,800兆円)。これに対しニューヨーク原油相場の時価総額は、わずか1,200億ドル(約11兆円)程度しかありません。ところがご存じのように原油先物相場は、株価に大きな影響を与えます。投資家がその指標を、美人と思っているからです。29日、経済産業省は9月の鉱工業生産指数速報を発表。前月比1.4%増となり、市場予測平均の1.0%増を上回りました。株価は冴えない反応。前日から184円安の9,891円で引けました。6月29日の5月速報では、今年最高の前月比5.9%増が発表されました。この日も日経平均は下落し、前日から94円安の9,783円で引けています。生産指数そのものは7カ月連続の前月比増で、年末はまだ苦戦が予想されるものの生産は回復基調に入りました。ただ、投資家はまだ美人とは思っていないようです。 | |
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2009.10.29 薄毛、2億9,200万人
成人男性369万人、推定薄毛人口158万人。アデランスの「世界の成人男性における薄毛調査」によると、対象21カ国において栄えある1位はチェコのプラハ。薄毛率は42.8%となりました。21カ国の平均薄毛率は32.1%で、ストレス大国日本は26.8%の14位。調査実施場所は東京ですが、先進国の中では意外に平均より低い結果となりました。人数ベースでは1,342万人で、4人に1人程度です。ただ昨今の金融不況ではストレスがより増加傾向にあるようで、先進国において経済の回復が遅れ気味な日本では今後の展開が気になるところです。同社によると、対策で重要なのはまず睡眠、次に食事。睡眠の理想は夜10時から深夜2時にかけてとることで、この時間に髪に関与する副交感神経が活発に作用するそうです。また髪の成分の99%がタンパク質のため、食事は大豆などからアミノ酸を含んだタンパク質を十分に摂取することが重要です。同調査では、21カ国の薄毛総人口も算出。推定2億9,200万人で、米国の人口3億1,500万人にほぼ匹敵します。ところで、英ブリストル大学の研究によると、午後のティーブレイクで一杯の温かいお茶を飲むとストレスが25%減少するとか。普段なかなかきちんとした食事を摂れない忙しい方は、お昼だけでもリラックスタイムを確保した方がよさそうです。 | |
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2009.10.28 明日から上司は外国人
20日、M&A戦略で有名な日本電産は、ほぼ1年ぶりとなる買収戦略を発表。欧州のモーター大手の買収で、エコ対応した家電向けモーターに注力する予定です。グローバル化が進展し、国境を越えた企業の買収はかなり一般的になりました。M&A助言会社レコフの調査によると、2009年1〜9月期のM&Aは減少傾向。特に外資ファンドによる日本企業買収は減少が目立ちますが、それでも前年比6割超の水準を保っています。割安になった日本企業の買収ケースも出てきており、再び増加傾向に入りつつあります。もし明日から上司が外国人になったら。外資系転職サイトを運営するシー・シー・コンサルティングは、日本人部下に対する外国人上司の意識調査を実施。外国人上司の82.6%が日本人部下は「一緒に働きやすい」と回答しました。ただ苦労する点に関する質問への回答は、1位が「他人との衝突を恐れる」、2位が「リスクを避ける」で、協調性を重んじる日本人部下に対する違和感を感じる声が多く挙がりました。日本人独特の遠回しな表現も「イニシアチブに欠ける」と捉えられており、外国人上司対策としてはやはり積極性と創造性のアピールが重要と言えそうです。 | |
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2009.10.27 光の射す方へ、12原色を認識するシャコ
1642年レンブラント作、題名「フランス・バニング・コック隊長の市警団」が完成しました。一般的な作品名は「夜警」。絵画の暗さから夜を描いたと勘違いされ名づけられましたが、左上から斜めに光が差し込んでおり実際は昼間の情景です。薄暗い背景の中で、少し鋭利な光を浴びて浮かび上がる3人。鮮明ながらどことなく暗い光は、あるべき姿を見失いつつあった市警団に自戒を求めているようにも感じられます。後に、その光はレンブラント・ライトと呼ばれます。ヒトは昔から光に目を奪われてきました。25日、英国の研究グループは、オーストラリアのグレートバリアリーフに生息する巨大なシャコの眼の研究を発表しました。このシャコは人間の4倍となる12の原色を認識。DVDなどの映像技術に活かすことが出来れば、取り扱える情報量が飛躍的に向上する可能性を示しました。世界は、ひとつずつ変えることができる。大きな「人間の眼」の研究室セットで印象的な、富士フィルムのTVCM。デジカメなどに搭載された新技術のEXRセンサーは、複雑な人間の眼をお手本にして開発されました。人間の眼はシーンに応じて光を感知。明るいシーンではすい体細胞が、暗いシーンかん体細胞が反応し、人間はこれらの細胞を自然に使い分けています。ただ、それでもまだ人間の眼にはかなわない、とか。となると、実際にシャコの眼の技術が完全に応用されるのはやはり少し先なのか。出口の光はまだ見えませんが、光りは射しています。 | |
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2009.10.26 男性の乳がん
米国がん協会の推計によると、2009年における男性の乳がん発症件数は既に1910件。同協会の推計では、乳がんで亡くなる米国男性は年間440人に達する見込みです。乳腺の発達度合いが低いため男性が乳がんになる可能性は女性の約100分の1ですが、症状はやはりがんで生命に関わります。国立がんセンターによると、日本では2007年のがん部位別死亡数は男女とも肺が1位で女性の乳房は5位。また人口動態統計によると、同年の乳がんによる死亡者数は11,414人で、内91人が男性です。米国では元ハードロックバンド「キッス」の男性メンバー、ピーター・クリスさんが2007年に左胸のしこりを自覚。翌年に腫瘍の摘出と、乳房の切除術を行っています。稀なケースであることは変わりませんが、意識の片隅には残しておいてよさそうです。 | |
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2009.10.25 潰れる銀行、既に100社超
1596年、スペインは世界で最初に破綻を宣言した国家となりました。無敵を誇っていたスペイン艦隊は、1588年アルマダ海戦でイングランドに大敗北。軍事費が増大したスペインは、1596年ついに国庫が破綻しました。当時スペイン帝国に最盛期をもたらしたフェリペ2世の死期が近き、スペインの世紀は終わりを告げました。23日、米連邦預金保険公社(FDIC)は、フロリダ州の地銀パートナーズ・バンクなど計7銀行が破綻したと発表。今年に入ってからの破綻は106社となり、昨年1年の破綻25社の4倍超となりました。大手金融機関ではバンカメを除いて黒字の好決算が発表されましたが、中小金融機関はまだ苦戦を強いられています。金融危機の最悪期は脱したというのが共通認識ではありますが、FDICが問題銀行と指摘したのは6月末時点で416社で破綻行はもう少し増えそうです。アルマダ海戦後、世界貿易の覇権はスペインからイングランドに移りました。経済の覇権が米国から新興国に移る日は、大方の予想より近いのかもしれません。 | |
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2009.10.24 2億4千万円の保険金詐欺
古代オリエント時代。多くの船が航海に出ましたが、自然災害や海賊のリスクに悩まされていました。やがて海上保険の原型となる貸借制度が確立。出港する船に何人かで資金を出し合い、帰港すれば利息を付けて返済、船が戻らなければお金も戻らないシンプルな制度でした。保険の起源です。資金集めが容易になり、保険は交易の発達に大きく貢献しました。現代でも保険は様々な面で産業の発展に貢献。例えば医療の進歩を支えるのもその一つ。保険がなければ多額の治療費がかかり、受診者が激減します。結果、医療機関も治療実績が得られなくなり、医学の進歩が大幅に遅れるからです。21日、イギリスでは約160万ポンド(約2億4千万円)の保険金詐欺事件に対し、禁固4年半の判決が下されました。被告のモハメッド・パテルは、仲間と組み2005年から2008年の3年で約100件の事故をねつ造。保険金額の平均は1件1万7,000ポンド(約255万円)で、様々な名目で保険金を請求し、虚偽申告も多かったようです。事件は不審に思った保険会社が警察へ連絡して発覚、御用となりました。自身の人生には保険を掛けていなかったようです。 | |
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2009.10.23 不況でも増える派手婚、平均433万円
22日、リクルートの結婚情報誌ゼクシィは「結婚トレンド調査2009」を発表。一生に一度の思い出は、2002年を底に派手婚が復活しつつあるようです。同調査によると、結納・婚約から新婚旅行までかかった結婚費用の総額は、全国で平均433万円。首都圏では平均451万円となり、2002年の首都圏平均337万円から約1.3倍に増えました。約8割が親から平均198万円(全国)の援助を受けており自己資金だけでは厳しいようですが、援助額も4年前から微増しており周囲も協力を惜しまない様子がうかがえます。厚生労働省の発表によると、2008年の平均初婚年齢は男性30.2歳、女性28.5歳。2000年は男性28.8歳、女性27.0歳で周知のように「晩婚化」が進んでいます。年齢の上昇により落ち着いた結婚が増えそうなものですが、不況下で様々な費用を削った反動などが勝っているようです。尚、全国で最も平均結婚費用の低かったのは北海道で264万円。最も高かった福島は平均478万円で、北海道の約1.8倍に達しました。 | |
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2009.10.22 近づく平均年棒100万ドル、ただ激務です
石を投げると年間100万ドル(1億円前後)稼ぐ従業員に当たる。そんな会社になるのかもしれません。ゴールドマンサックスは100億ドル(約9,000億円)の公的資金の返済直後、第3四半期に54億ドル(約4,900億円)の報酬引当金を積み増すことが判明。年末までに合計200億ドル(約1.8兆円)の報酬支払いペースとなっています。わずか2カ月前は平均年棒70万ドル(約6,300万円)見込でしたが、更に引き上げられそうです。高額報酬の代償は激務。終電後や始発前にミーティングがセットされるなど、眠らないのが基本です。また眠らないことにより生産性が落ちると、「眠らない意味がない」と叱責されるとか。カリフォルニア大学のクリプぺ博士によると、人間にとって最適な睡眠時間は7〜7.5時間。これより長いのも実は良くありませんが、一般に知られるように短時間睡眠は寿命を縮めます。博士の研究によると7時間睡眠と5時間睡眠とを比較した場合、死亡リスクは男性で11%、女性で5%高まります。7時間睡眠と3時間睡眠との比較では、死亡リスクの上昇は男性19%、女性33%。高額報酬か、長生きか。ただ高額報酬は、自らの寿命を犠牲にした激務の対価とも言えそうです。 | |
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2009.10.21 紅葉シーズン、ヒルと登山と強盗犯
今年4月、神奈川県では拡大する吸血ヤマビル被害に対し、対策マニュアルを配布。食べ物に困って人里方面へ近づいてきたニホンジカが運搬したと見られ、ハイカーの被害が相次いでいました。吸血ヒルは咬みつくため、剥がす時には注意が必要です。タバコの火を利用するのが有効で、尻尾の方にあてると刺激で自ら離れます。また、血を吸う際に血が固まるのを防ぐヒルジンという成分を注入するため、ヒルが離れた後はこの成分をつねって絞り出すことも重要です。19日、オーストラリア。見た目もグロテスクで毛嫌いされる吸血ヒルですが、こちらでは事件解決の切り札となりました。地元紙によると、2001年に71歳の女性が現金500ドルを奪われる強盗事件が発生。この際犯人は吸血ヒルに血を吸われており、金庫の近くにいたそのヒルから血液を捜査局が採取。7年後に麻薬関連の別件で逮捕された被告と、DNA鑑定が一致したため御用となりました。7年越しの大活躍です。 | |
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2009.10.20 生産は全地域改善、日銀さくらレポート
悪材料、出尽くしは買い。有名な相場格言の一つですが、出尽くしはまだ多少先なものの、悪い材料が少しづつ減ってきたことは確かなようです。19日、日本銀行は10月のさくらレポートを発表。生産は9地域全てで改善し、概ね「持ち直し」方向であると報告されました。課題は、引き続き設備投資と雇用。特に設備投資は9地域中5地域が「大幅に減少している」で、以前厳しい状況を示しています。最近の指標はまだら模様であともう一声欲しいところですが、昔から儲けるコツは“魚の頭としっぽはくれてやれ”。 | |
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2009.10.19 エアフォースワン、運航協力は日本航空
第37代米国大統領ニクソンは、エアフォースワン搭乗中での辞任劇となりました。このため、飛行中にエアフォースワンのコールサインは取り消されています。エアフォースワンは特定の大統領専用機を指すのではなく、大統領が登場している航空機を指す通称だからです。日本では「日本国政府専用機(ジャパニーズ・エアフォースワン)」と呼ばれ、現在2機を保有。良識の範囲内で公私の利用が許される米エアフォースワンと異なり、利用は公用に限定されています。このため投入された数百億円の税金に関し、宝の持ち腐れとの批判もあります。運航協力、整備は日本航空で、導入時に日本最大の国際線ネットワークなどが認められました。18日、日本航空の経営再建をめぐり前原誠司国土交通相直轄の「JAL再生タスクフォース」は、日本政策投資銀行など主力取引銀行に2,500億円超の債権放棄を柱とする再建計画を提示しました。銀行側が難色を示したのは言うまでもありませんが、本件、政府はなかなかにご執心です。 | |
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2009.10.18 ガソリンの小分け給油にご用心、支出は増加
高速道路の1,000円乗り放題が定着。紅葉シーズンに入り、ちょっとした遠出の増加が予想されます。気になるのはガソリン価格の再上昇ですが、給油方法に少し注意が必要なようです。総務省は、平成21年8月の家計調査結果を発表。購入頻度は1.59回で、前月の1.39回から1割超増加しました。ガソリンを小分けに給油している様子が伺えますが、支出金額は7月の5,295円に対し8月は6,165円。16.4%増となり、小分けの給油は功を奏していないようです。1年前のガソリン平均価格は175.6円で、今年8月は121.6円。約3割安くなっており財布の紐も緩みがちですが、給油時は少し気をつけた方がよさそうです。 | |
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2009.10.17 死後の1億円か、今の4千万円か
ハゲタカファンドの通称は広く世に知れ渡りましたが、ファンドも様々で強いて言えばハゲタカに当たるのがバイアウト・ファンド(売却ファンド)。ただこちらは既に下火で、昨今の主流は企業再生ファンドです。さっさと転売するかバリューアップ(企業価値向上)に重きを置くかの違いですが、一度途絶えかけた企業の再生は難しく、なかなか地味な作業になります。現場でストップウォッチ片手に細々とした業務改善指導などをするあたりは、マスコミで見る華やかなM&Aの世界とは異質のものです。とはいえ底に流れる血は争えないようで、最近ある種ファンドらしい証券化商品が密かに人気を集めています。その名も「死亡債」。生命保険の死亡保険金が証券化されたものです。仕組みはシンプルで1億円の生命保険があれば、75歳以上の場合4千万円程度で買い取る、というもの。保険加入者は生前に現金が手に入り、保険事故のケースを除いて加入者が亡くなれば投資家はほぼ確実に収益が得られるため、新しい金融商品として注目を集め始めました。日本ではまだ認められていませんが、合理主義の米国では市場を形成しつつあります。問題は倫理面で、ヒトの生死が投資対象になっており根強い批判があります。ただ死期が近づくと何か形あるモノを残したくなるのも人情で、資金はその手助けになります。少なくとも選択の機会はあってよいのかもしれません。 | |
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2009.10.16 4人に1人は上司を解雇したい
「人事問題は経営を左右する」
経営の神様と呼ばれた故松下幸之助も、人事には気を使いました。ただ同氏は立場上配置の視点で人事を考えていましたが、配置される方も思うところがあるようです。13日、スイスに本拠を置く世界最大の人材サービス会社アデコは、調査結果を発表。53%が「上司は正直でない」と答え、4人に1人が「上司を解雇したい」とするなど人間関係の難しさを浮き彫りにしました。これらを踏まえてか、昨今では360度評価の導入が増えました。このシステム自体は20年ほど前に登場したものですが、導入事例は増え続けています。実際に導入してみると、当初は大半のケースでマイナス評価の大合唱になるとか。ただ、しばらくは浄化機能が働くものの注意が必要で、そのうち極端な評価が無くなります。原因は評価し合う者同士が手を結ぶため。このため実際の実施は、数年に1度のペースが推奨されます。非生産的なイタチごっこですが、ヒトが仕事をする以上避けては通れません。やはり、人事問題は経営を左右するようです。 | |
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2009.10.15 心理に翻弄される心理、ぶれるトレーダー
強気相場は絶望のなかで芽生え、懐疑のなかで育ち、楽観のなかで成熟し、幸福のなかで消えていく。1973年、宗教分野のノーベル賞と呼ばれるテンプルトン賞を創設した米ジョン・テンプルトンは、投資家としても有名でした。国際投資の先駆者で新興国に投資して成功したテンプルトンは、様々な格言を残しています。13日、総合電機メーカーの蘭フィリップスは、トレーダーのストレスを測定する試作機器を開発したと発表しました。腕輪のような装置で、感情の高ぶりを読み取りライトが黄色から赤色に変わる仕組み。一般のトレーダーは暴落の恐怖など、一時的な感情に左右され冷静な判断を欠く傾向にあります。装置は自身の心理状況を把握し、客観的な判断を促す効果が期待されています。尚、まだ生産体制ではないとか。ストレス下の葛藤こそ投資の妙味かと思いますが、昨今の情勢ではそれなりに需要がありそうです。 | |
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2009.10.14 男性も別腹?別腹の正体は脳からの分泌
デザートは別腹。男性にとっては不可解な現象と思われてきましたが、リクルートによると科学的な根拠があるそうです。正体は甘いモノなどを見ておいしそうだと感じた時に、脳から分泌される「オレキシン」という物質。これが分泌されると胃の運動が活発になり、内容物が十二指腸へ押し出されます。結果胃に空きスペースが出来、それが別腹の正体だそうです。ちなみにこの反応は女性の方が大きく現れますが、男性の反応が小さい訳ではありません。矢野経済研究所の調査では、2008年度の流通菓子市場の市場規模は2兆1,112億円。前年比1.2%増で、外出を控えたことから家庭内需要が伸びました。その中でも牽引役は大人の男性。コンビニでも男性向けのスイーツが好調で、例えば森永乳業ではコンビニ顧客の約7割が男性です。デパ地下や専門店には入れないことから、コンビニの手軽さが受けているとか。2009年度も流通菓子市場は微増見込み。男性の別腹も貢献しそうです。 | |
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2009.10.13 なぜ“保険屋”は嫌われるのか
同じ業界の人間として残念ですが、業界には漢字生保を中心に悪しき“保険屋”習慣がありました。
GNP(義理・人情・プレゼント)と呼ばれる営業スタイルや、受け取る者がいないのに気弱な独身者から何千万もの死亡保険をとってくるスタイルです。また社内ではそれらが「よく取ってきたね」、と称賛されてさえいました。彼らは除くものの、業界全体として最近はファイナンシャルプランニングが浸透し、かなり変わりました。まだまだ習熟レベルにばらつきがあるものの、基本方針は「お客様にあったものを」で、あるべき姿に少しずつですが近づいていると思います。ところで、本当に保険の担当者は嫌われているのでしょうか?ご契約頂いた方にアンケートをとってみると、現場の人間でさえ予想と異なる結果になります。商品が良かったから、保険料が安かったから、などが大半になると思っていましたが、実際は担当の説明に納得できたから、担当の熱意を感じたから、など担当の人間性に帰属する答えが多いのです。
よく言われることですが、私どものしていることは基本的に感謝されないことです。なぜなら感謝されるタイミングは保険金が支払われた時で、それは同時に何らかの不幸が発生しているタイミングだからです。
金融商品が多様化し、最近(実は昔からですが)の保険販売は単なる保障売りではなくなりました。あるケースは節税面で助かり、あるケースでは保険商品での資産運用、特に元本保証機能のおかげで昨今の世界金融不況を免れたりしています。今後IT化、情報化はより進んでゆきます。昨今の世界金融不況は、インターネットが無ければ恐らく発生しませんでした。また最近はコンピューター取引が増え、一定の条件を満たすと自動的に、且つ同時多発的に売りが発生するため、証券市場において大きな懸念となっています。
私見ですが、上記を踏まえ今後金融の主役は今以上にリスクマネジメントへ移行してゆくと思います。そしてリスクコンサルティングを最も得意とするモノの一つが保険です。中長期的に見た場合、憧れの職業は投資銀行ではなく保険会社になっているかもしれません。 | |
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2009.10.12 無料携帯ゲームで高額請求、教育の機会に
5歳の子供が着せ替えで遊んだら、4日分で10万円の請求が来た。10歳の子の使用で、5万円請求された。最近消費生活センターには、無料携帯ゲームの利用による高額請求に関する相談が急増しているそうです。利用者は小学生など未成年。ゲームそのものは無料ですが、ゲームの中の世界にある「特別なアイテム」などが有料のため。1点数千円のアイテムなどもあり、あっという間に何万円の買い物になってしまいます。親が請求書を見て初めて気付きますが、相談事例では1カ月の間に頻繁な利用があったようです。Benesse教育研究開発センターによると、携帯電話の普及率は小学6年生で既に22.0%。中学校3年生では54.0%に上昇し、高校1年生では急増して92.5%と9割超に達します。今後も普及率は上昇すると考えられ、大切なのはどう付き合うかになってきます。現状は企業主体で有害サイトにフィルターをかけるなどの対応がされていますが、これでは結局受け手が成長せず新たな問題に対処出来ません。どこまでを子どもに求めるかは難しいところですが、実はその前段階にも問題があります。顕著に現れるのはおカネ。早稲田大学のファイナンス研究センターでは春、夏にキッズ・マーケット・キャンプを開き、小学生30人程度が参加します。「マネー」について学ぶ内容ですが、一緒に来たご両親の方が勉強になった、と言うそうです。教える側が理解していなければ、子どもの理解はおぼつきません。無料携帯ゲームに関する相談では、無料と思って安心して遊ばせていた、という声がありました。様々な情報が手に入る携帯電話は、親子ともに勉強する良い機会です。 | |
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2009.10.10 軍は雇用難?韓国、悪質な兵役逃れに罰則
推定110万人。北朝鮮は軍創設以来、兵力数を公開していません。このため推測の域を出ませんが、英ミリタリーバランスや日本の防衛白書では、概ね近い推定値を算出しています。9日、韓国兵務庁は悪質な兵役逃れを犯罪と認定し、軍服務期間を1.5倍とするなどの罰則を与える案を検討する、と発表しました。芸能人や富裕層などの、兵役逃れが急増している為。各国の総兵力情勢を見てみると、米国が144万人、ロシアが113万人。北朝鮮の兵力推定値が正しいとすると、国家の規模に対してバランスを欠いた軍備と言えます。お隣りである韓国の総兵力は69万人。北朝鮮は軍としての力はまだまだですが、陸上戦の可能性がある以上、韓国としては放っておくわけにもいかないのが実情です。そのため兵役を終えたものには、鉄道など公共施設利用の割引優遇なども検討中。方法論に有事対応不安を残しますが、本腰を入れて取り組んでいるようです。尚、日本の自衛隊総兵力数は24万人です。 | |
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2009.10.09 リバランス、豪と英
7日、豪連邦準備銀は政策金利を0.25ポイント引き上げ、3.25%に。8日、英イングランド銀行は政策金利を現行の0.5%に据え置くことを決定。出口戦略はまだ早い。G20でも確認されたことですが、回復が見え始めていたことも事実で結果的にバランスがとれそうです。本格的な低金利バブルが発生すると上げるに上げられなくなりますが、一部が先行したことで据え置くにしろ上げるにしろ大義名分が立ちます。気になるのは豪の経済状況ですが、小売売上高が市場予測の倍近い前月比0.9%増。また企業が年末にかけて雇用拡大を計画していることなどから、内需を伴った力強い回復を見せています。もっともクリスマス商戦を見越した動きもあるため安易には受け止められませんが、先進国も動き出しました。次の国の一手で2対1。実際はしばらくのところ豪の独壇場になりそうですが、G20も1枚岩ではありません。 | |
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2009.10.08 揺れるドル、原油取引のドル利用停止懸念
2008年4月30日、イランの石油省は原油取引における米ドル決済を、それまでのドル通貨比率削減から完全停止へ移行した、と発表しました。産油国においてドル建て決済停止に関する議論はかなり昔からされていましたが、“強い”ドル時代が徐々に終わりを告げようとしていることを再確認した出来事でした。2009年10月6日、英インディペンデント紙はアラブ湾岸諸国が原油取引の決済通貨を、ドルから元や計画されている新しい湾岸統一通貨などで構成される通貨バスケットへ変更する可能性を報道。ドル下落の一因となりました。ドル売りによる換金資金は、先物金市場などへ流入。同6日、NYの金塊先物相場は一時1トロイオンス1,045.0ドルまで上昇し、昨年3月17日の1,033.9ドルを越え史上最高値を記録しました。ただ、国際価格の算定にはドルが利用されており、既に移行したイランですらドル指標を参照しています。このため仮に通貨バスケットへの移行が実現しても、それが即“基軸通貨”としてのドル時代の終焉を意味する訳ではありません。また米国も2010年は緩やかな回復が見込まれており、力を取り戻しつつあります。人生には何度か勝負の時が訪れるそうですが、今回はもう少し見守る必要がありそうです。 | |
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2009.10.07 かんぽのがん保険
モラトリアムを活用せよ
平成19年10月、郵政民営化の際にかんぽ生命はがん保険などへの参入を表明。日本生命と業務提携し、第一弾となるがん保険の共同開発を進めてきました。ところが郵政民営化は見直しが入っており、政令改正の都合から年内の発売はほぼ不可能になりました。まだ政府保有株式が残っており、事実上の政府保証があることから民業圧迫の声もあります。むしろ、良い機会ではないでしょうか。かんぽ生命は複数社の保険商品を取り扱っていますが、銀行と同様に現場の許容量を越えており個別商品の習熟レベルはまだかなり低い状況です。時間をかけて何度も教育する必要があり、今回のモラトリアム(猶予期間)は恵みの雨です。かんぽ最大の脅威は、「かんぽだから」加入の増加による消費者の意識レベルの低下。ファイナンシャルプランニングがようやく浸透しつつある中、冷や水を浴びせかねません。保険は加入期間が長く気付くのに時間がかかるため、巨大な販売網を持つ彼らの責任は重大です。仕事はヒトがします。かんぽは降って沸いたこの時間を、全て現場のヒトの教育につぎ込む覚悟で取り組まなければなりません。 | |
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2009.10.06 忍び寄るスタンフォード監獄、出所を急ぐ銀行
1971年、米国スタンフォード大学では、心理学者フィリップ・ジンバルドーの下で大がかりな実験が行われました。21人の被験者を、11人の看守と10人の囚人にグループ分け。実際の刑務所に近い設備を準備し、看守と囚人、それぞれの役割を演じさせました。時間の経過とともに、看守は看守、受刑者は受刑者らしい行動をとるように変化。立場がヒトを創ることが証明されました。5日、仏のサルコジ大統領は、大手銀行が今週公的資金を返済する予定であることを表明しました。先週既にBNPパリバが50億ユーロ(約6,600億円)の公的資金を返済しており、他行もこれに続きます。米国ではゴールドマン・サックスが100億ドル(約8,900億円)の公的資金を完済しており、看守である政府の監視から早々に逃れました。独自路線をゆきたい金融機関は当然囚人化を嫌いますが、住宅市場のリスクを背負う監獄のジレンマも存在。サブプライム問題の震源となった変動金利型住宅ローンは、利払い負担がまだしばらくは増加傾向だからです。今後損失が再拡大した場合は改めて公的資金を注入することにもなりかねず、このケースでは返済が裏目に出ることになります。ただこれまでの金融機関は、良くも悪くも規制当局との戦いで収益を向上させてきました。囚人根性が染みつく前の出所により、彼らは明確に反撃の意志を示しています。 | |
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2009.10.05 ランダムウォークとじゃんけん、1.7%の心理
株式投資では、相場はしばしば著名アナリストを尻目にランダムウォークと呼ばれます。ランダム、つまり予測不可能である、という意味です。実際の相場ではランダムウォークを踏まえつつ長期的には上昇する、と考えるのが主流ですが、それを掴めるかどうかはわずか1.7%の心理で決まりそうです。桜美林大学の芳沢教授によると、じゃんけんでグーが出る確率は35.0%、チョキは31.7%、パーは33.3%。理論上はどの手も必ず33.3%になるはずですが、僅かな差が現れました。人間は心理的に、警戒している時などは少しこぶしに力が入るようです。2日、日経平均は前日比2.5%下落。9,732円となりました。8月26日の10,640円からの下落率は9.3%に達します。もう一度下げ相場が来るだろう。次の上海市場を警戒する必要性を以前から訴えてきましたが、やはり第二派がきました。グーの選択が急増しています。昨年9月23日、ウォーレン・バフェット氏は苦境にあえぐゴールドマン・サックスの優先株を50億ドル(約5,300億円)引け受ける声明を発表しました。まだ世界不況の底を脱していない頃です。氏はパーを選択しました。その後の2009年4-6月期に、ゴールドマン・サックスは34億3,500万ドル(約3,200億円)の過去最高純利益を計上しています。日経平均はしばらく下値を探る展開となり、その後も急回復は難しいと考えるのが自然です。ただ昔から
“底と天井は狙えない”
もので、狙うのは底付近と天井付近です。今回は、今後突発的な事件が起こらなければようやく最後の底付近を固めることになるでしょう。あなたの選択はグーですか、パーですか。 | |
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2009.10.04 過半数100歳時代、悩める先進国
数年前、ナレッジマネジメント(knowledge
management)が流行りました。知を形式知と暗黙知に分け、暗黙知を集約、形式知化することにより組織は強くなる、と説かれました。形式知は文章などで表現出来るもので、マニュアルがその代表。暗黙知は個人に内在する知で、営業が個々人で持っているノウハウなどを指します。製造現場では、熟練工が持っている独自スキルなども暗黙知にあたります。2日、高齢化を研究するデンマークの機関が論文を発表。現在の平均余命の伸長が継続すれば、先進国や裕福な国で生まれる赤ちゃんの半数以上は100歳まで生きるようになる、と述べました。高齢化は医療費や社会保障費に大きな問題を投げかけますが、彼らには長年蓄積された暗黙知があります。ナレッジマネジメント自体もコンサルティングファームが大企業向けに展開したもので、まだ幅広く浸透しているものではありません。また、グローバル企業でもDNAレベルに至っている企業はあまりありません。知的創造社会の産物の昇華は、20年後に少なからず影響を与えます。 | |
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2009.10.03 シックスシグマ vs
カンバン方式
100万分の3.4。6σ(シックスシグマ)に収まらない確率です。100万回の作業のうち不良品の発生確率はわずか3.4回で、1980年代にモトローラによって体系化されました。一般に知られるようになったのは、GE時代のジャックウェルチが採り入れてからです。品質管理においていかに不良品が発生する“バラつき”を抑えるか、という発想で、業種を問わず幅広い応用が可能です。日本ではソニーや東芝で採用され、特に東芝は独自に改良し昇華してゆきました。これに対しトヨタのカンバン方式の最大の特徴は、仕掛在庫の最小化。「必要なものを、必要な時に、必要な量だけ」生産するもので、ジャストインタイム生産方式とも呼ばれます。仕組みの概要はシンプル。後工程で加工品が使用されればカンバンが前工程に戻され、使った分だけ前工程で生産されます。一般的な大量生産は大量の見込み生産を生みますが、これが極限まで削減されます。シックスシグマはバラつきを抑える具体論に弱みがありますが、その分汎用性があり金融商品にも応用されます。カンバン方式は現場でダイレクトに利用されますが、適用は主に部品点数が多い複雑な製品で限られたモデルです。ある閾値を越えた組織では、状況に応じていかに柔軟に採り入れられるかが鍵となりそうです。 | |
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2009.10.02 米長者番付、ゲイツ氏16年連続首位
1875年。エジプトがスエズ運河の株を売りに出そうとしている情報を入手したイギリスは、フランスに先手を打ってなんとか購入しようとしました。ところが、イングランド銀行からお金を引き出すには、当然国会の承認が必要です。当時の首相ディズレリが「明日までに400万ポンドを貸して下さい」と頼んだ相手が、ライオネル・ロスチャイルド。ライオネルが担保について尋ねると、使いは「イギリス政府です」と答えました。「結構です」。ライオネルは400万ポンドをその場で揃えました。イギリスは晴れてスエズ運河の最大株主となったのです。30日、米経済紙フォーブスは、米国資産家上位400人を発表。ビル・ゲイツ氏が16年連続で首位に輝きました。総資産は約500億ドル(約4兆5,000億円)。金融不況で上位400人の資産は目減りしましたが、それでも合計で1兆2,700億ドル(約114兆円)に達します。IMFの発表によると、2008年のオーストラリアのGDPは1兆107億ドル。400人の合計は規模でオセアニアの優良国家を上回り、また目減り前の資産でみると、ブラジルのGDPに匹敵します。 | |
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2009.10.01 楽天がタイ進出
Eコマース、着実に拡大
「正直なところ、手前どもはまだEコマースに魅力を感じていません。もちろん将来的に拡大し、ゆくゆくは主流になると考えています。また、それに備えてある程度の先行投資もしています。ただ、それが近い将来とは考えておりません。」
こちらの質問に対し、とあるバンクの戦略担当は“銀行さん”らしい地に足のついた回答をしました。紙袋に無造作に札束を入れたまま来店する顧客も多い中で、現在の保守的でITに疎い主力顧客がすぐに転換する姿は思いもよらないのかもしれません。30日、楽天はタイで最大の電子商取引サイトを運営する「タラッド ドット コム」の発行済み株式の67%を取得し、連結子会社化したと発表しました。楽天は昨年台湾に進出しており、海外展開を拡大中です。三木谷氏は旧日本興業銀行(現みずほコーポレート銀行)出身。入社3年で同期初のハーバード留学をするなど、異色の経歴を持ちます。氏の企業家精神は、ここで芽生えました。出身業界は同じでも、触れるものによって考え方は変わります。近い将来をいつと想定するのか。ネットが本格的に普及し始めてから、まだ10年程度です。 | |