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2009.12.30 過熱するドイツ、先進国の二番底が日本の追い風?

負債総額約64兆円。
2008年9月15日、史上最大の倒産劇となった米名門投資銀行リーマン・ブラザーズは、歴史からその名を消しました。
比較的余裕のあったバンク・オブ・アメリカは既にメリルリンチの買収を協議しており、救済出来る体力のあるところはどこもありませんでした。
その後、世界金融不況は更なる混迷に突入してゆきます。

2009年12月28日、ドイツ市場DAX指数は6,003。
1年3カ月ぶりに6,000台を突破し、リーマン・ショックの水準まで回復しました。
2008年9月15日のDAX指数は6,064でした。

ブラジルの回復が目立ちますが、先進国も過熱気味に回復してきました。
ドイツ市場は今年3月6日に、金融危機後最安値となる3,666を記録。
そこから9カ月程度で1.6倍に達しています。
困った動きになってきました。

政府の財政出動が息切れする二番底は、以前から懸念されていました。
そのため各国は政府支援の強弱を調整し協調して回避活動を取り、これまでは「過剰に心配する必要はない」との姿勢を見せてきました。
ただ市場が先走りすると話は変わってきます。
企業の体力が回復し仮に適切なタイミングで政府支援を止めたとしても、それまでに市場が膨張していればはじける材料となるからです。
せっかく構造的な二番底を回避しても、投資家の狼狽売りが結果的に二番底を招きます。

2010年にすぐ政府支援が止まることは考えにくいですが、徐々に軟着陸態勢には入ってゆきます。
NYダウ市場もドイツ市場と近い動きを示しており、相対的に回復が遅れはじけにくい日本。
日本市場は冷静に対応すれば、先頭集団がもつれる隙に最終コーナーから案外楽に巻き返せるかもしれません。
  
2009.12.29 スポーツのピーク、脳のピーク

脳の最高司令センターである大脳新皮質。
思考を司り、メモリーセンターでもあり、高度な精神作用をコントロールしています。
大脳新皮質には46野と呼ばれる部分があり、通常は筋能力を50%程度に抑えるよう調整する働きを担っています。
ところが恐怖など強いショックを与えると、46野は麻痺。
結果50%のリミッターが外れ、普段出ない力が発揮されます。
これがいわゆる「火事場の馬鹿力」のメカニズムです。

種目によるものの、スポーツのピークは概ね10代半ば頃です。
ヒトの肉体がその頃ピークを迎えるためで、脳もその意味では例外ではありません。
ところが最近の研究で、脳はまだピークを迎えていないのではないか、と考えられる状況が分かってきました。

藤田保健衛生大によると、成熟したラットの大脳新皮質において新しい神経細胞が作られる証拠となる神経細胞を発見。
思考を司る大脳新皮質は、大人になっても新しい神経細胞が作られることが分かりました。

一般的に記憶力は若いほど優れており、判断力や思考力は経験に伴って成長してゆきます。
ただこれまでは脳は老いてゆく前提で、豊富な経験が思考力を増してゆくと考えられていました。
今回の発見では、ヒトの脳は時間の経過において、単なる老いではなく進化の過程も並走していることになります。

先進国を悩ます高齢化。
ノウハウの蓄積と脳内進化においては、むしろ歓迎すべきものと言えそうです。
新興勢力は創意工夫において秀でますが、歴史はすぐには築けません。
数字に溺れる投資銀行のレポートではBRICsの台頭が幅を利かせていますが、先進国も着々と成長しています。
  
2009.12.28 フィギュアSPに見る、混沌の先

スポーツの世界に、ミックス・アップという言葉があります。
互いに認め合い、尊敬し、ぶつかり合う結果、己の限界を超えた力が出せる状況を指します。
どの世界も一人のスターが現れれば各々の限界値が一気に高まり、群雄割拠となるようです。

12月27日、バンクーバー五輪代表最終選考会を兼ねたフィギュアスケート全日本選手権が開催。
浅田真央選手が4年連続4度目の優勝を飾り、五輪代表に確定しました。

結果だけ見れば下馬評通りの優勝となりましたが、内容はかなりの肉迫したものでした。
全日本選手権はショートプログラムとフリープログラムの2日構成。
初日のショートプログラムでは、浅田真央選手が自己ベストを6.72点下回るものの今季最高となる69.12点で首位。
ところが4位の鈴木明子選手の得点が67.84点で、1.28点差に4人がひしめく大混戦となりました。
鈴木明子選手はフリープログラムで順位を伸ばし、中野友加里選手や安藤美姫選手を押さえ準優勝を果たしています。
自身の伸びしろが、周囲の様々な環境によって少し伸ばされたようです。

ジャンルを問わず、混沌は新しい何かを産み出します。
同じやり方ではそこを抜け出せないとき、異なるやり方が必要となるからです。
政治、経済、社会。
まだ色々なものが混沌としていますが、だからこそ先へ進めるのかもしれません。
  
2009.12.27 ブルジュ・ドバイ、ほぼ100%完売

米国で不動産王の異名をとるドナルド・トランプは、「一番」にこだわることで有名でした。
1980年代の不動産ブームにのって大成功を収めましたが、景気が芳しくない時もビルの最上階などを売買しています。
一番高いところであれば、必ず買う人間がいる。
ヒトの自己顕示欲を巧みに利用したドナルド・トランプは、純資産30億ドル(約2,700億円)の大富豪になりました。

2010年1月4日、史上最も高いビルが竣工予定です。
場所は一時期の輝きを失い復権を図るドバイ。

高層ビル「ブルジュ・ドバイ」は高さが800メートル以上。
約164階建で、ベッドルーム数1〜3の部屋約1,100戸を擁します。
気になる販売状況は、既にほぼ100%完売。
ドバイショックの影響を微塵も感じさせません。
世界最高のステータスは、100年に1度の不況より強い力を持つようです。

英バークレイズの調査によると、世界で最も富裕層が多いのは香港。
資産1億円以上の富裕層は、人口比で26.4%に達します。
また先進国において不況からの回復が遅れている日本も、2017年には富裕層が21.3%に達し世界6位にランクインする見込み。
1,500兆円にも及ぶ莫大な個人資産は、景気が本格回復に転じた時圧倒的なスケールメリットを発揮します。

「日没とみるか、夜明けとみるか」と問いかける、某証券会社のCMをご存じでしょうか。
実際どうかはさておき、少なくとも気持ちの上では2010年を夜明けとみてゆきたいですね。
 
2009.12.26 寅にまつわるエトセトラ

来年は寅年。
ところが今年は既に、様々なトラにまつわるニュースがありました。

政治では政権が交代。
長い間既得権を謳歌していた独立行政法人の一部は解体。
虎の子の天下り先にメスが入りました。

経済ではBRICsの中でマネーの虎と化したブラジルが躍進。
オリンピック誘致やそれによる巨額のインフラ事業を背景に、一早く世界金融不況から脱しつつあります。

社会的に少し騒がれたのが、絶滅が危惧されているシベリアトラ。
中国北東部やロシア極東部にわずか約400頭が生息するのみですが、密猟が後を絶ちません。
伝統的な医薬品や媚薬になるためで、自然回復は望めない状況です。

スポーツでは、プロ野球の阪神タイガースを真弓監督が指揮。
クライマックスシリーズに突入するも、シリーズ争いに敗れセ・リーグ4位に終わりました。
ここ5年では久しぶりに勝率5割を切り負け越し。
寅年の巻き返しが期待されます。

ところで寅年ですが、簡単な法則があるのをご存じでしょうか。
西暦を12で割って6余る年が寅年です。
2010年を12で割ると、167余り6。
また寅年現象という法則があり、寅年の参議院選挙は投票率が上昇する傾向にあります。
翌年に統一地方選挙を控えることから地方政治家が力を入れるためで、前回寅年である1998年の投票率は58.8%。
自民党が改選議席を大きく下回って大敗し、故橋本首相が選挙の責任をとって辞任しました。

12年ぶりの寅年参院選は来年夏。
現状、民主党は支持率を落とし、様々な逆風が吹いてきました。
ただ世論全体としては、政治の大転換があったばかりでさすがにまたすぐ政権や首相が変わるのはどうか、という風潮があります。
首相の周囲には虎の威を借る狐が無数にいるようですが、来年は周囲の雑音を気にせず強い意志をもって国政に臨んで欲しいところです。
 
2009.12.25 クリスマスプレゼントは離婚相談券

ロンドンのとある法律事務所は、あるモノの販売で問い合わせが殺到しました。
それは「離婚相談券」。
友人など向けにプレゼント出来るようになっており、通常1時間325ポンド(約4万7,000円)の相談が30分125ポンド(約1万8,000円)で受けられます。
販売元の同法律事務所は、予想を上回る反響に驚いているようです。

厚生労働省の人口動態統計によると、離婚件数は平成14年頃にそれまでの増加傾向から減少傾向に転じました。
ただ平成20年の離婚件数は25万1,000件で、ここ数年は25万件程度を維持しています。
熟年離婚が増えたことなどが影響しているようです。
また熟年離婚が増えた結果、最近は熟年再婚がよく見受けられるようになりました。

60歳以上の熟年再婚は、絶対数こそ少ないもののここ10年で倍増しました。
熟年離婚をしても、平均寿命は男性79歳、女性86歳。
その後の何十年という期間を一人で過ごす選択は難しいようです。

「離婚相談」というとマイナスの印象が強いのが実情ですが、気の合わないまま更に何十年と一緒に居続けるのは辛いところです。
離婚相談券によって、話せなかったことが話せるようになるのは悪くないかもしれません。
それまで一緒に連れ添ったパートナーにそのお礼として、新しい人生をプレゼント出来るからです。
もちろんクリスマスに離婚相談券をもらっても、話をするのは年明けで。
 
2009.12.24 なぜ手のひらを返す?マスコミ報道の審査機関を設置せよ

2009年11月15日、朝日新聞社は政治をテーマとした世論調査の結果を発表。
この時の鳩山内閣の支持率は62%で、前回の65%から3ポイント低下したものの高い水準を維持しています。
アンケートにはマニフェストの履行に関する質問が入っており、「必ず実現すべきか、柔軟に見直すべきか」という質問に対し、「柔軟に見直してもよい」が77%に達していました。
マスコミはマニフェストに囚われずに、長期的な視野で財政再建策を打ち立てるべきだ、と政府を口撃しました。

22日、政府は2010年度の税制改正大綱を閣議決定。
焦点の一つであった暫定税率は、名前が無くなるだけで税率が維持され事実上マニフェストは守られないことになりました。
これをもって各メディアは、「点検。守られなかったマニフェスト。」といったテーマで批判報道を開始。
街角インタビューで、「約束は守らないと。」と答える市民の声を選んで流しました。
マニフェストに惑わされるな、という立場はどこへいったのか。

マスコミの怖さはよく語られ、実際に世論はマスコミの「見せ方」をほぼ踏襲します。
謝罪シーンは彼らの編集一つで、時に「潔し」と称賛され、時に「謝罪では済まされない」と酷評されます。

マスコミに対する、第三者審査機関を設置すべきではないでしょうか。
政治家の発言では、「この時にはこのように現在と逆の発言をしていました。」といった形で以前の映像が流されることがあります。
マスコミに対しても似た形にすべきです。

もちろんマスコミには報道の自由があります。
またマスコミは事実の報道という立場のため、その意味では「意見」ではない彼らの報道を審議することは出来ません。
ただ報道は事実上意志を持っており、私達にはその意志が正当なものであるのか「知る権利」があります。
 
2009.12.23 乾いたタオルでも、知恵を絞れば水が出る

「平気で次はこの部品の価格を3割落としてください、と言ってきます。出来ないと外されるから方法を考えるしかありません。手っ取り早い方法は、10人でやっている仕事を7人でやることです。」

旅先でお会いしたトヨタ自動車の下請け会社の一つに勤める担当は、そう漏らしていました。
売上が1千億円単位の企業です。

乾いたタオルでも、知恵を絞れば水が出る。
元々は、何も無いところでもアイデア次第で新しいモノを産み出せる、という教えでしたが、昨今は下請けに対する圧力の象徴になっています。

21日、毎日新聞によるとトヨタ自動車は系列部品メーカに対し、部品価格を3割程度下げるよう要請。
今後3年以内に実施する計画で、増える新興国需要に対し価格競争力を高めます。
お家芸の「ゲンテイ(原価低減)」は、2000年から2006年にかけても大規模に実施。
この時は累計1兆円規模のコスト削減を達成しました。

ゲンテイは単なる下請け圧力ではなく、基本的には生産性向上を促します。
まず目を向けられるのは「居候」で、部品や倉庫、材料など、そしてヒトに居候は存在します。
この部分のゲンテイは企業活動として適正で、この徹底により最強トヨタが築かれました。

今回の期間はわずか3年。
2006年以降も、ゲンテイは継続されています。
またゲンテイするまでもなく、そもそも全く余裕のない経済情勢であったことは周知の通りです。
今度絞られるのは、居候ではなさそうです。
 
2009.12.22 63年前の悪夢、徳政令の足音

昭和21年2月17日、日本で預金封鎖が行われました。
同時に新円切替を実施。
旧紙幣は無効となり、タンス預金など隠れ資産も炙り出されました。
国債は紙くずと化しました。

21日、時事通信によると米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズのディレクターは、日本が国債に依存している現状を「持続困難」と表明。
現時点で格付けを見直すには至っていないものの、日本の信用力は少しずつ低下している認識を示しました。
第2次補正後の国債発行額は53兆4,550億円。
国債依存度は50%を超過し、税収よりも借金が多い国となりました。

徳政令しかないのではないか。
そんな声が聞こえるようになってきました。

借金の返済は、いくつかの方法があります。
手っ取り早いのが返済分の紙幣を増刷すること。
日本の借金は幸か不幸か円建てのため、シンプルな解決策です。
その後、増刷された分だけインフレが発生するため、ようやく日本も貨幣価値という言葉の意味を知ることになります。

過去にない大幅な増税案もあります。
税収が減少しているにも関わらず。

国の財産の割り当て。
国有財産は様々ですが、財産価値の高いものが残っていれば最初から苦労しません。

ある意味では現実的なもう一つのプランが、1,500兆円にも及ぶ個人資産の徴収。
846兆円の借金であれば、お釣りがきます。
ただわざわざ徴収して戻すぐらいなら、無かったことにした方がコストがかかりません。

徳政令しかないのではないか。
そんな声が聞こえるようになってきました。
 
2009.12.21 強まる著作権、変化へのアレルギー

2002年4月15日、東京地裁は匿名投稿でも著作権を認める判決を下しました。
日本初となった匿名インターネット掲示板における著作権訴訟は、原告の完全勝訴となりました。

同掲示板はホテルや旅行に関する情報を、利用者が匿名で投稿するサイト。
被告出版社はそれらをまとめて「世界極上ホテル術」として出版。
匿名であっても著作権はある、と主張する原告らによって訴えられました。

事件は運営側にいくつかの手落ちがあったため、汎用性に乏しい面はあります。
最大の問題は投稿の権利が管理側にあることや投稿の無断転載に関する断りが無かったことで、この点は裁判でも争点の一つになりました。

判決は、投稿には個々人の実体験が多く有用で個性が認められることから、匿名であっても著作権を認める、という結論でした。

18日、ロイターによるとパリ地方裁判所はグーグルが進める書籍電子化サービスに対し、著者の合意が無い電子化の禁止と30万ユーロ(約3,900万円)の支払いを命じました。

著作権保護か、ネット世界における表現の自由か。

今回の判決は、パリ地裁の葛藤をうかがわせるところがありました。
最終的に電子化の禁止や支払いを命じましたが、原告の損害賠償額は1,500万ユーロ(約19億5,000万円)で50分の1の支払い命令にとどまったからです。
ただ、「禁止」は非常に厳しい判決です。

ロングテール。
この言葉はネット書籍販売のアマゾンから産まれました。
通常上位2割の商品による売上が全体の8割を占めますが、ネットビジネスにおいては上位2割以外の商品による売上が全体の過半に達する、という状況を指します。

書籍電子化の禁止は上位2割以外の可能性を潰し、結果として業界全体の成長を妨げます。
今回の判決は、伝統を重んじるフランスが変化に対する根強いアレルギーを持つことを改めて示す結果となりました。
他国が安易に追随しないことを望みます。
 
2009.12.20 生命保険に入った方がいい芸人

医療保険には「1入院あたりの保障日数」という項目があります。
昔の医療保険は1,095日や730日が主流。
保障が手厚い方が良い、という意見が大勢でした。

最近は流れが変わり、各社が競って保障日数を短くしています。
60日タイプが主流ですが、40日タイプも登場しています。

実際の入院にも動きがあり、診療報酬制度が見直されました。
短期入院にポイントが加算されるようになり、入院期間の短期化が進んでいます。
結果、入院の約9割は60日以内になりました。
ただし生活習慣病に関しては長期化傾向にあり、例えば脳血管疾患は平均入院日数が102.1日です。

生活習慣病とは、大雑把に言ってしまうといわゆるメタボ。
メタボは血管を詰まらせ、脳梗塞や心筋梗塞などの怖い病気へ発展します。

18日、SBIアクサ生命は「生命保険加入に関する調査」の結果を発表。
生命保険に入った方がいい芸人1位はイモトアヤコさんで、3位の芋洗坂係長さんなど失礼ながらメタボ傾向にある方がTOP10中半分以上を占めました。

オムロンヘルスケア株式会社の調査によると、昨年末の調査では調査開始以来初めて「メタボリックシンドローム(メタボ)という言葉を聞いたことがない」という回答が0になりました。
また男性は自身を「太っている(44%)」、女性は自身を「標準(46.2%)」と回答する傾向があります。
「ダイエットの必要性を感じているか?」という質問では意外な結果が出ており、男性は「感じていない」が26.9%に対し、女性の「感じていない」は29%。
ダイエットと言えば女性というイメージがありますが、実は女性の方が隠れメタボになりやすい傾向があります。

健康体かどうかを調べる一般的な指標はBMI(ボディ・マス・インデックス)。
計算式はシンプルで、体重を身長で2回割る {体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)} だけです。
標準は18.5以上25未満。
25以上から肥満の層に入ります。
目安は身長150cmの場合、56.3kg以上でBMI25以上です。
 
2009.12.19 紙オムツとビール

データマイニングの考え方が普及し始めたのは、1990年頃からです。
パソコンの普及で、データ量が爆発的に増加し始めたため。
データマイニングとはその大量のデータからビジネスに活かせる一定の法則を見つけ出すことを指し、マイニング(mining)は「採掘する」の意です。

データマイニングで最も有名な事例の一つが、紙オムツとビール。
ある米国の大手スーパーマーケットチェーンで販売データを分析した結果、午後5時から午後7時の間にかけて紙オムツを購入する顧客はビールも一緒に購入する傾向のあることが、浮かび上がりました。
調査の結果、子どもがいる家庭ではかさばる紙オムツの購入は夫に頼む妻が多く、買い物に来た夫がついでにビールを購入することが分かりました。
そこで元々全く異なるコーナーに置いてあった紙オムツとビールを一緒の売り場に置いたところ、売上が上昇したという事例です。

身近でデータマイニングがよく利用されている典型例は、クレジットカードの購入履歴。
カジュアルな衣服を購入すると、その衣服と価格帯が近いカジュアルな時計のカード会員限定案内ハガキが送られてきたりします。

余談ですが、この限定案内ハガキで浮気がばれることがあるそうです。
普段明らかに買わないブランドからの案内ハガキであるため、女性は敏感に反応するとか。
カード会社が適当に送ってきたんだよ。
そう言いたいところですが、抽出方法によるものの昨今のデータマイニング予測精度は概ね92〜96%の範囲に収まるそうです。
 
2009.12.18 レッドブルの缶はなぜ細い?

1998年、ニューヨーク・タイムズスクエアでは、缶の壁を戦車で突破する挑戦的なパフォーマンスがありました。
缶はコカ・コーラやペプシコ。
宣戦布告したのはヴァージン・コーラを引っ提げた、ヴァージン・ドリンクスでした。

ヴァージングループは低価格・高サービスを売り物にした英国の多国籍企業。
日本では馴染みが薄い企業ですが、一時期は日本でも音楽・映像ソフト販売のヴァージン・メガストアを展開していました。
ヴァージン・ドリンクスは以後、アメリカの象徴を相手に奮闘しますが、米国コーラ市場でシェア1%を超えることが出来ませんでした。
コカ・コーラやペプシコが、小売店の棚をがっちりキープしたからです。

その1年前、同じく米国の清涼飲料市場へ参入した会社がありました。
その会社はオーストリア資本のレッドブル。
違いはまず価格で、エネルギー飲料であることからコカ・コーラの2倍に設定。
また缶は細長くデザインされました。
レッドブルも同じく小売店の棚を独占されていましたが、残されたわずかなスペースに潜り込めるよう意図されたものでした。
2005年には、レッドブルは米国のエネルギー飲料市場で65%のシェアを確保しています。

ところで日本では栄養ドリンクとして、リポビタンDが活躍。
栄養ドリンク市場では約5割のシェアをもち、年間生産は8億本に及びます。
開発者によると、レッドブル開発の際最も影響を受けたのが実はリポビタンDだったそうです。

キャッチコピーは、「レッドブル、(あなたに)翼を授ける(Red Bull gives you wings)」。
翼はリポビタンDからレッドブルへ、レッドブルからあなたへ。
 
2009.12.17 元手ゼロ、カジノでレバーを引いただけで5,200万円

レジャー白書2008によると、パチンコの参加人口は1,450万人。
市場規模は22兆9,800億円で、最近のパチンコ台はICチップや液晶画面モニターを装備したハイテク機であることからメーカーの業績にも影響を与えるようになってきました。

少し前のパチンコ台はシンプル。
中央にドラムなどが配置され、大当たり周期は常に一定。
このため、その特定のタイミングを掴めば意図的に大当たりを狙うことも可能でした。
現在はコンピューターによるランダム抽選のため狙うことは不可能ですが、当時は打ち手の技術が影響しました。

15日、ロイターによると、フランスで起きたカジノ賞金200万ユーロ(約2億6,000万円)の分割訴訟が結審。
資金を提供した女性が8割(約2億800万円)、レバーを引いた男性が2割(約5,200万円)を受け取ることになりました。

カジノでは50ユーロ(約6,500円)を女性が支払い、男性がスロットマシンのレバーを引いたところ大当たり。
ところが女性は賞金をすべて持ち帰ってしまったため、男性が分け前を求めて訴訟を起こしていました。
法的な解釈をする場合寄与度に応じて按分することになりますが、スロットマシンに関しては少し事情が異なります。

スロットマシンはコインを入れてレバーを引くだけの仕組みで、あまり戦略性が求められません。
基本的に同一機種のスロットマシンは、同一の配当率に設定されているからです。
配当率はいわゆる期待値で、10ユーロ投入した場合リターンは9ユーロ前後です。
強いて言えば高額マシンほど配当率が高いため、資金に余裕があれば臆せず高額マシンに座るべきと言えます。

金融業界の人間として見ると、女性は証券会社に株の売買注文を出し、男性はそれを仲介しただけのように見えます。
もしここで資金をファンドマネージャーに渡して運用してもらったのであれば話は別ですが、男性の行動は取り次ぎのみで寄与度は低いと言えます。
強いて言えば手数料が発生するだけで、証券会社における国内株式の店頭売買手数料は1%前後です。

もらいすぎでは。
訴えた執念が裁判官に伝わったのでしょうか。
 
2009.12.16 環境に適応する動物、ただし時間をかけて

キリンの首が長いことは周知の通りです。
高いところにある樹木の葉も食べられるように、進化した姿です。
またよく見てみると、前足が後ろ足より長いのも特徴の一つ。
より高く首を持ち上げるためで、こちらも進化した姿です。
走ってもそこまでスピードの出ないキリンは、独特の進化を遂げました。
何世代もの長い時間をかけて。

COP15、国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議が、デンマークで開催されました。
報告によると海水温の上昇や酸化で、シロイルカやコウテイペンギンなどの絶滅の可能性が指摘されているそうです。
同報告では、動植物は環境に適応する力強さを持っている半面、その適応には相当な時間を要するとしています。

酸性・アルカリ性の程度を示すpH値は、海水表面で現在8.05。
産業革命の頃は8.16程度と言われており、約1.3%悪化しました。
pH=7で中性、7未満が酸性。
海水の生物が生きてゆくには8.0〜8.4が望ましいと言われており、徐々にデッドラインに近づいています。
世界には保護地域がいくつもありますが、陸上ではその割合は12%程度。
これに対し海洋は1%未満で、今後は積極的な海洋対策が求められます。

ところでキリンですが、輸入検疫を通り自治体の許可が取れれば法的にペットとして飼育出来ます。
難点は体が大きい分食欲も旺盛なことで、1日65kg程度の食事を摂取。
その代わり、個人が合法的に飼えるペットとしては地上最大です。
ペット可物件にお住まいの方はいかがでしょうか。
 
2009.12.15 「債券」か「債権」か、診療報酬請求債権

長引く低金利。
郵便局に預けておくだけで貯金が倍になる時代は終わり、結果として証券市場を活性化させました。
いち早く不況を脱し、オリンピック開催の追い風も受けるブラジルのレアル債ファンドは好調。
年初から11月までの純資産が45倍に達したファンドもあります。
ところで比較的安全性の高い「債券」人気もさることながら、このところ順調に資産を増やしているファンドが「債権」。
こちらは一時的な特需に左右されずに、順調に成長しているようです。

米国では、1990年代からMARS(診療報酬請求債権:メディカル・アカウント・レシーバブルズ)市場が急速に拡大。
1990年のMARS市場流出量は3,660億ドル(約33兆円)でしたが、2008年には1兆3,720億ドル(約123兆円)に達しました。

MARSビジネスの仕組みは、医療機関が持つ診療報酬請求権の売買。
日本のような健康保険制度がない米国は、診療報酬を保険者と患者の双方に請求する必要があります。
保険制度がないことから請求の仕組みが確立されておらず、米国医療機関独自による平均の回収率は30%程度。
権利がありながら現金を手に出来ないのが、医療機関の大きな悩みとなっていました。
MARSビジネスでは、回収専門会社が請求権を額面より安い金額で買い取り。
独自のノウハウを用いて高い回収率で売却し、収益を上げる仕組みになっています。

気になるのが請求先である保険会社の倒産ですが、こちらは州政府の保証制度があり、各州の定める金額内であれば補償されることになっています。
もちろん買い取り側が補償限度を超える買い取りをした場合は意味が無くなりますが、現状では概ね補償限度内に抑えられているようです。

結果、提供される固定利率は6.0%から最大8.5%。
年利で7.2%あれば、10年で資産は倍になります。

金融商品が増え、投資手段はより多様化してきました。
ただ昨今の金融不況から、個人投資家に関してはミドルリスク・ミドルリターンを好む傾向があります。
本来投資は固定利率を求めるものではありませんが、定額年金保険が資産を増やすなど「最低限確保出来る利益はいくらなのか?」に注目が集まっています。
過度な固定利率競争はいざという時に仕組みそのものの不安を招きますが、現状の固定利率は概ね妥当な範囲で堅実に資金を引き寄せそうです。
 
2009.12.14 技術デューデリジェンス

2008年における、サプリメントなどの機能志向食品市場は5,978億円で前年比0.8%減見込み。
これに対し美白効果市場は722億円で前年比5.7%増。
コラーゲンなどの成分認知度が高まり、引き続き高成長しています。
ところで効能が分かりやすいことから各社が参入していますが、その中に毛色の異なる企業があるのをご存じでしょうか。
その企業はデジカメなどで有名な、電機メーカーです。

70年以上のコラーゲン研究を武器に数年前この市場に参入したのは、「写ルンです」や「FinePix」などで知られた富士フィルム。
実はフィルムの半分はコラーゲンで出来ており、同社は長らくその研究を続けてきました。
フィルムは皮脂の角質層とほぼ同じ厚みで、元々化粧品に近い研究内容であったそうです。
また写真が色あせる現象は、老化現象と同じで原因は酸化。
このため同社が持つ抗酸化テクノロジーが、アンチエイジング効果を発揮します。

「あり」だと思う、フジフィルムの化粧品。
そんなキャッチで拡販する商品は「ASTALIFT(アスタリフト)」。

以前、トイレタリーメーカーの花王がフロッピーディスク事業を展開したことがありました。
同社が持つ界面活性技術が活かせる事業だったそうです。
フロッピーディスクはCDやDVDに取って代わられ事業として成り立たなくなりましたが、市場が飽和している昨今では企業は洗練されたコア技術の転用先を求めています。

資源を持たない日本が、世界で戦える数少ない武器の一つが技術。
今のところ技術は企業単位で計られ、M&Aの対象になるのはせいぜいライセンスです。
デューデリジェンス(買収先企業の価格査定)は古くからありますが、大半が財務デューデリジェンスか大規模システムのITデューデリジェンスで、単体の技術そのものが対象になることはあまりありませんでした。

近い将来、技術M&Aが活発化するかもしれません。
技術の流出とみなすか、自らスタンダードを築く契機とみなすか。
経営者の器が試されます。
 
2009.12.13 デフレ時代の救世主は番組内宣伝?

情緒的価値をもった財。
学問的には「ブランド」はそのように解されます。
またそれは予測可能な経験をもたらします。
あまりピンときませんが、ポルシェに乗ればスポーティーなイメージを与え、カルティエのジュエリーを身につければ気品のあるイメージを与えるのがそれに当たります。
時に商品価値を超えた成果をもたらすこの「イメージ」は、少し変革期を迎えているようです。

11日、都心に初めてアウトレットモールが開業しました。
お台場の「ヴィーナスフォート」の1フロアにジョルジオ・アルマーニやハンティング・ワールドなどの高級ブランドも入居し、最大6割程度安くなるそうです。

総務省の発表によると、2006年の消費者物価指数は前年比0.1%増。
2007年は前年比0.3%増。
2008年は前年比1.2%増。
2009年は3月から8カ月連続前年割れです。
生鮮を除く総合指数のため限定的な側面ですが、いわゆるデフレ声明の根拠の一つになっています。

現金給与総額が減少していることもあり、消費者はより安いモノを求めるようになりました。
企業が大量に広告を投入してブランドイメージを創り上げ、そのブランドをもって高付加価値サービスを展開するモデルは通用しなくなってきています。
10月の広告扱い高は前年比12.7%減。
世界全体でも落ち込んでおり、WPPの予測では2009年の世界広告費は前年比5.5%減の4,179億ドル(約37兆6,000億円)見込みです。

広告側も手をこまねいている訳ではなく、新しい手法を産み出してきました。
その一つが実は番組内宣伝。
最近お昼の時間帯なのに、夜の番組の宣伝をよく見かけたりしないでしょうか。
視聴層が違うこともありますが、意外に効果が高いとか。

ホンダ自動車の実験によると、あるテレビ番組内で知名度の低い車種Aの宣伝を流したところ途端にホームページのアクセスが跳ね上がったそうです。
アクセスログを秒単位でとったところ、アクセス集中時間帯はCM放送時間とほぼ一致。
これまでのように通常のCMでブランドイメージを時間をかけて積み上げる手法とは異なり、CMを感じさせない番組内での宣伝は効果が高いことが分かりました。

大量露出広告ではない性格から費用対効果も高く、今後も増える見込み。
もっともやりすぎて番組内宣伝を消費者が明らかに宣伝と感じるようになると、また効果が無くなりますが。
 
2009.12.12 原子力自動車?

アラブ諸国では、ガソリン1リットルは20〜30円程度。
最も安い国では5円程度です。
これに対し水1リットルは200円。
日本では水を「湯水のごとく」使いますが、彼らは「油のごとく」使います。
どちらも貴重な資源ですが、枯渇が早いのは油です。

フォード社は、過去に非現実的な自動車のプロジェクトを実施しました。
車の名は「フォード・ニュークレオン」。
原子力自動車です。
走行距離は補給なしでなんと8千キロメートル。
交通事故1回で街が封鎖されることから現実的ではありませんでしたが、フォード社はそれなりに本気だったのかもしれません。
プロジェクトではインフラ構想まで打ち出され、原子力スタンドを整備しそこで使用済み燃料を交換することになっていました。

ベトナムで、大型インフラ事業が確定しました。
東南アジア最大規模の高速鉄道の敷設で、総事業費は約五兆円。
また方式は、日本の新幹線が採用されることになりました。

モーダルシフト(貨物輸送の転換)が、少しずつですが浸透してきました。
排出権の問題もあり、各国はグリーンインフラとしての鉄道を求めています。
世界の鉄道敷設率はまだまだ低く、シフトは今後より増加します。

ただ、自動車業界も負けてはいないようです。
こちらは確たる話ではありませんが、フォード社は同プロジェクトにおいて交通システムの変革にまで言及していた節があるようです。
当時は現実的ではありませんでしたが、原油が枯渇する頃やその少し前では状況が変わってきます。

1908年、フォード社は「T型フォード」を発売。
1913年には世界初となるベルトコンベアによる流れ作業で大量生産を実現し、全米自動車の半数がT型フォードという時期もありました。
また全米規模でのアフターサービス体制網も構築し、現代自動車産業の基礎を築きました。
新しい自動車社会の盟主に返り咲く資格があると言えます。

モーダルシフトか、究極の自動車社会か。

現状原子炉は自動車より何百倍も大きく、重さの問題から空母や潜水艦にしか搭載出来ません。
仮に超小型原子炉が登場しても、今度は莫大な費用と安全性の問題があります。
よっぽどの技術革新が無ければ難しそうですが、暮らしに最も身近なところの一つで活用される原子力は夢があります。
 
2009.12.11 ホッキョクグマと投資

1802年、地球の人口は10億人と推計されています。
125年かけて、1927年に20億人になりました。
1961年に30億人となり、人口増加は加速。
1971年にはわずか10年で40億人となりました。
以後、10年で7.4億人ペースで人口は増加しています。
2009年の推計人口は、68億人です。
アメリカ合衆国統計局によると、2050年の人口は95億人です。

アグリビジネスが、改めて注目されるようになってきました。
アグリは「Agriculture=農業」の略で、物流などを含めた農業関連ビジネスを指します。
アグリファンドも増えてきており、ファンドにもよるものの構成銘柄の過半数が農業・食品企業であることが特徴。
その資金は企業や政府を通じ、市民へ還元されていきます。
背景には食糧難があり、人口増から需要は今後も確実に増えてゆきます。

国連食糧機構によると、食糧支援人数は毎年1億人に上るそうです。
また、アフリカでは毎年1,800万人の方が餓死されているそうです。

気候変動の影響で、北極では新たな異変が起こりました。
ホッキョクグマ同士の共食いです。
氷原が溶け狩り場が減ったことから、食糧難に陥ったようです。

自動車が無くなっても、ヒトが生きるのには困りません。
飢えは悲惨です。

アグリファンドは、投資を通じた世界の食糧問題に対する取り組みと言えます。
 
2009.12.10 時給550万円

少し古いデータですが、2005年の厚生労働省の調べで各国の最低賃金(時給)が発表されました。
「1位:フランス1,080円 2位:イギリス1,001円 3位:日本668円 4位:アメリカ557円 5位:韓国291円 6位:フィリピン78円 7位:インドネシア53円 8位:中国(上海)52円」で、当時の中国は日本の10分の1以下でした。
中国には既に3万社程度の日系企業が進出しているようですが、GDO成長見込みが大きく今後もまだしばらくの間は増えそうです。

日本の最低賃金は、最低賃金法によって定められています。
最低賃金が高いか低いかの判断は難しく、地域格差や生活保護基準以下であることなどがよく議論されています。
あまり取り上げられませんでしたが、民主党は以前から最低時給を1,000円に引き上げることを検討しています。
消費低迷の一因は現金給与総額の減少のため流れは自然ですが、多くの中小企業が負担増に耐えられず逆効果となることが懸念されます。

プロ野球のシーズンが終わり、通信簿を渡される時季となりました。
浮き沈みが大きく厳しい世界ですが、日本ハムのダルビッシュ投手は6,000万円増。
来季の年棒は3億3,000万円プラス出来高となり、史上最年少の3億円突破となりました。

ダルビッシュ投手は今季、20試合に登板。
来季も同数の登板とすると、1試合あたり勝ち負けに関係なく1,650万円の計算になります。
また1試合あたりの平均時間は3時間と少し。
時給に換算すると550万円に達します。

尚、イチロー選手の年俸は約15億円。
バッターのため試合数が146と多く、1試合あたりは1,027万円。
ただし今季のヒット数は225本で、1試合あたり1.5本。
ヒット1本667万円です。
 
2009.12.09 クラウドコンピューティング、ヒトが鍵

暗室のハエは、独自の成長を遂げるそうです。
においを感じる感覚毛が約10%伸長し、嗅覚が発達。
オスはフェロモンの違いでメスを感知し、生殖するようになります。
京都大学の研究によると、この変化は長い年月をかけてDNAにまで及びます。
50年をかけたこの調査で発見されたDNA配列の変異は、約40万カ所。
ハエの進化です。

グーグルのエリック・シュミットCEOは、英エコノミスト誌で「私たちはクラウドコンピューティングの時代にいる。それはやがて真のコンピューターになるだろう。」と述べました。
2006年11月のことです。
以後、クラウドに関する研究が一斉に始まりました。
米メリルリンチは、2013年にクラウドコンピューティングの世界市場規模は950億ドル(8兆5,500億円)に達すると予測しています。
捉え方は人それぞれですが、2008年の世界IT支出動向は3兆4,000億ドル(約306兆円)であることを考えると随分低い数字です。

クラウド(cloud)は日本語で雲。
ネットワーク上の仮想空間を指します。
ピンと来ませんが、それもそのはずでサーバーのように具体的に存在するものではありません。
ASPサービスを利用したことのある方は、ASPのサーバーが無いバージョンと言えばまだしも分かりやすいでしょうか。
ASPはネットワーク上で利用できるサービスであるものの、データ処理は特定のサーバーで行われていました。
クラウドはサーバーを持たず、ネットワークそのものがデータ処理を行います。
この実体を感じない不思議な空間が、クラウドコンピューティングのクラウド(雲)たる所以です。

ハエは進化に50年を要しました。
実験に使われたハエの寿命は約50日で、ハエ1,400世代、ヒトなら3〜4万年に相当するそうです。
世界初のウェブサーバーによりインターネットが稼働したのは、1991年8月6日。
WEBの進化は、まだ20年すら経っていません。

リナックスが産まれた頃、大企業のIT幹部の中には「あれはオモチャですから」の一言で取り合わなかった方もおられました。
むしろ本能的にその脅威を悟っていたのではないか、と思われます。
優れたシステムは、ヒトをより必要としないからです。

リナックスがフィンランドの大学生によって開発されたのは、インターネットの稼働と同じく1991年です。
ITという最先端の部門であっても、それを活かせるかはそこにいるヒト次第です。

イギリスの思想家、トーマス・カーライルはこんな言葉を残しました。
大多数の人は保守的で、なかなか新しいものを信じようとしない。
 
2009.12.08 UFO一筋50年

Unidentified Flying Object。
略がUFOです。
元々は米空軍で、未確認飛行物体を指す言葉として使われていました。
一般では地球外生命体の乗物の意でよく用いますが、本気にするかどうかはさておき可能性の追求は大きな夢を感じます。
ところが人間の好奇心とは尽きないもののようで、この研究に50年以上もの月日を費やした政府組織がありました。

英国防省は、未確認飛行物体調査部門の廃止を決定。
不況による予算削減の一環で、長く続いた名部門に終止符が打たれました。
調査において国防上のメリットは見つけられず、部門予算は今後アフガニスタンでの治安維持活動などに割り当てられるそうです。

科学は万能ではありませんし、ヒトが知り得る宇宙の範囲はごくわずかです。
ただその狭い科学や物理学の範囲で考察すると、UFOはなかなか存在し得ないようです。

地球外生命体が人類の知る範囲外から来訪してくる場合、極端な長寿生命体を除いてUFOは光以上の速度で飛行する必要があります。
この場合UFOはいわゆるワープ(宇宙空間歪曲航法)をする必要がありますが、ワープはいわば離れた空間と空間を無理やりひっつける作業で、この作業には膨大なエネルギーが必要になります。
その量は、宇宙に存在する全エネルギーの100億倍。
このためワープは理論上不可能とされています。

ところで気になる研究結果ですが、同省は包み隠さず50年の成果を明かしました。
「英国にとって、脅威となる地球外生命体の存在は発見されなかった。」
 
2009.12.07 予算という名の大人買い、誇りなき官僚

辞書で「大人買い」を引くと、『食玩(玩具付きの菓子)などの子供向けの商品を、大人が一度に大量に買うこと。転じて、子供向け商品に限らず、単に通常人が1回に買う平均を大幅に上回る数量の物やサービスを購入すること。』と出てきます。
一般に対象はちょっとした趣味の物品ですが、予算という名のもとになされた大人買いは分かっただけでも桁違いでした。

マスコミが連日報道した日本の事業仕分けが終了しました。
財務省が議論の流れをうまく主導している面もあり「劇場型」と揶揄もされましたが、一部の犠牲となった事業を除いて必要な過程であったと言えます。
洗い出された無駄は約1.7兆円。
基金からの国庫返納には法改正も必要なため最終的な削減額はまだ分かりませんが、随分と大人買いしたものです。

大人買いの正確な語源は不明ですが、いわゆるオタク用語に由来するようです。
ある程度の年齢層であれば、誰しもボトルキャップのおまけやトレーディングカードのレアモノの収集をした経験があるのではないでしょうか。
出現率が低いものは大量に購入する必要があり、ここから「大人買い」が産まれました。
自身の欲求を満たすためで、本当に好きでどうしてもというケースを除けば行動レベルとしては低いものです。

官僚の「大人買い」は、税金という他人のお金で自らの天下り先を買うものでした。
そうしなければ行く先が無いと自ら認めたようなものでもあり、国に仕える能力も低いことが露呈されました。
 
2009.12.06 最近目覚めが悪い、原因は上司との関係?

偉大な功績を残しているスポーツ選手は、睡眠を時間を長くとる傾向があります。
イチロー選手は平均9時間程度、タイガー・ウッズ選手は平均10時間程度の睡眠をとるそうです。

睡眠の重要性は言うまでもありませんが、忙しいサラリーマンはなかなかそうもいきません。
そのため十分な睡眠時間をとれないまでも目覚めぐらいは快適にいきたいものですが、ついついニ度寝。
ぎりぎりの時間に飛び起きるのが、ありがちなケースです。
この目覚め、睡眠時間もさることながら原因は他にもあるようです。

5日、北里大学は日本ストレス学会で調査結果を発表。
目覚めの良さは仕事のストレスと関係し、20代は上司との関係、30代は仕事の満足度、40代はリラックス出来る時間の有無、が最も影響していることが分かりました。

目覚めの悪さは医学的には起床障害と捉えられ、いくつかの型に分類されます。
多いのは「体内時計故障型」で、不規則な生活が続くとそうなります。
精神状態が強く影響するのが「緊張型」で、今回の調査結果ではサラリーマンにこのタイプが多いようです。
緊張型は強いストレスによって脳からアドレナリンが分泌され、半覚醒状態になってしまうことが原因。
眠りが浅くなり、結果目覚めも悪くなります。

あまり知られていませんが、睡眠は食事よりも重要です。
人は水さえあれば食べなくても1カ月程度生きられますが、ラットによる実験では完全に睡眠を遮断すると10日程度で死亡してしまうからです。

目覚めが悪い程度で生き死にの問題に発展することは恐らくありませんが、最近目覚めの悪い方は少しご用心を。
 
2009.12.05 原油の次は金、金の次は?

東芝のRupo「JW-R10」というと、中高年のビジネスマンが喜ぶそうです。
Rupoは、1985年発売当時に爆発的にヒットしたワープロ。
といっても私も含め、今の若い世代はワープロを知りません。
タイプライターと言われるとイメージが湧かなくはありませんが、映画で見たような気がする程度です。

ワードプロセッサーは文章をコンピューターに入力し、活字で印刷するシステム。
1980年代に普及し、その後パソコンにワープロソフトが入った為取って代わられました。
短命なビジネスで、高性能プリンターの登場もあり1990年代には急速に市場が縮小。
2001年にはほぼ製造が中止されました。

メーカーの憂鬱。
比較的身近なモノはポケベルでしょうか。
モノは移り変わり、いずれ無くなります。
これに対しマネービジネスは無くならないため、金融工学は格好の受け皿になりました。
実際には存在しないマネーを「レバレッジ」の名であたかも存在するように見せかけ、巨額の利益と、損失を産みました。

金価格が天井知らずで上昇しています。
先週のニューヨーク金先物相場は、1トロイオンス1,200ドルを突破。
史上最高値を更新し続けています。
ドル安やドバイショックの緩和が原因ですが、投機資金が流れ込み危険な膨張を繰り返しています。

ただ元々金は金としての価値そのものがあまり変わらないことから、安全なモノとみなされてきました。
高度経済成長期を経てモノが溢れる豊かな時代を築き、たどり着いた先はリスクマネーという見えない壁による大不況です。
一連の動きは実態不明な代物から、安全性が比較的高く、且つ存在し続けた「モノ」への回帰とも言えます。

最近、特定の権利を金融商品化した投資商品に再び資金が流入し始めました。
原油がピークに達してから崩れ落ちたように、金もその時がきます。
次の安全な「モノ」は、“権利”になりそうです。
 
2009.12.04 「買いません」で出入り禁止1年間

昔から訪問販売は悪名高い商売の一つです。
本当は良質業者が多いのですが、悪質業者の強烈なイメージがそれを打ち消してしまいました。
本来「契約」とは双方の意思が合致して成立する法律行為で契約者にも一定の責任がありますが、実際の現場ではそうも言っていられないようです。

12月1日、改正特定商取引法が施行。
契約を結ばない意思表示をした消費者には数カ月から1年間の再勧誘禁止項目があり、業界は対応に苦慮しているようです。
何をもって意思表示とするか、などがかなり難しい判断になるからです。

ガイドラインでは、基本的に「買いません」と言われれば拒絶の意思表示に該当。
業者は、最長1年間出入り禁止になってしまいます。
法外な値段で二束三文のモノを売る業者には足りないくらいですが、これまで足しげく通っていた自動車販売員や百貨店の外商などは難しい対応を迫られます。

ところで消費者はより守られるようになったのかというと、そうでもありません。
消費者契約法などは企業と消費者の間に大きな情報格差があることを前提とし、そのことから消費者に著しく不利な契約などは契約そのものを無効とする条項が存在します。
この格差を埋めるのは営業の役割でしたが、今後企業側が慎重になることから消費者は現場の人間から活きた情報を得る機会を少し減らすことになります。

結果的に、消費者は自ら動くことを求められます。
自発的な意思表示は自己責任です。
 
2009.12.03 ハイブリッド・エージェンシー いいモノ、安いモノ、安くていいモノ

世の中には多くの代理店が存在します。
一般にイメージしやすいのは広告代理店、自動車販売代理店、フランチャイズ代理店など。
逆にそう言われてみれば代理店というのが百貨店、ディスカウントストア、スーパーなどです。
最近増えてきた自社生産のプライベートブランドを除けば、いずれも自社製品をもたず、同じカテゴリー内の複数の会社の商品を一カ所に集めて消費者への利便性を高めています。

代理店の歴史は、産業の歴史に重なります。

仕入形態やブランドショップの入り方によって異なりますが、百貨店を一つの代理店と捉え題材にしてみます。
誕生は1852年まで遡ります。
この年、パリにボン・マルシェ百貨店が誕生。
背景には産業革命がありました。

産業革命によって市場に様々な商品が流入し、「いいモノ」を扱う専門店が急増しました。
百貨店は、それらの専門店を集約することを目的に誕生しました。
現在のワンストップ・サービスの原型とも言えます。

大量生産時代に入るとモノの質は安定し、また価格も普及価格となります。
現代に入ってくると更にモノが溢れ、またちょっとしたものでも高機能化していることからいいモノより「安いモノ」が求められるようになりました。

情報化、そして不況の逆風。
インターネットの普及により、誰でも情報が手に入るようになりました。
安いモノが求められるのは当然ですが、賢い消費者は「安くていいモノ」を求めるようになります。
不況はそれに拍車をかけました。

今年の10月30日、三越池袋店の跡地にヤマダ電機の国内最大店がオープンしました。
約1カ月経過した今も開店前に人が並ぶほど、好評のようです。
ヤマダ電気の2009年3月期決算では、売上が1兆8,718億円。
三洋電機の同決算では売上が1兆8,411億円。
百貨店は創業時から高級志向であったため現代には合わなくなりましたが、一般消費者向けの代理店はメーカーを上回り、価格決定権は既に代理店へ移っています。
消費者は「安くていいモノ」を求め、代理店は比較検討を促すからです。

先述したように、最近はプライベートブランドが増えました。
各社のノウハウが自然に集まる代理店は、代理店機能とメーカー機能を併せ持ったハイブリッド・エージェンシーとなりつつあります。
代理店が急拡大し始めたのは、ここ10年程度。

販売機能が弱まる以上、今後メーカーは単体でよりメーカー機能に特化せざるを得なくなります。
鉄鋼業が鉄の時代の終わりと供に存在感を失ったように、近い将来メーカーはその存在感を一つ下げるかもしれません。
 
2009.12.02 裸の王様、EUの大統領

3位中国、4兆4,020億ドル(約396兆円)。
2位日本、4兆9,240億ドル(約443兆円)。
1位米国、14兆2,650億ドル(約1,284兆円)。

IMF発表による、2008年GDPランキングです。
この上があります。
ボクシングのランキングは不思議で1位の上にチャンピオンがいますが、それにならうとチャンピオンはEU。
18兆3,940億ドル(1,655兆円)で、中国の4.2倍に達します。

12月1日、リスボン条約が発効されました。
新EU体制が動きだし、初代EU大統領にはファンロンパイ・ベルギー前首相が就任しました。

歴史的な出来事ですが、巷の反応は今一つ。
アイルランドが国内の意見統一でもめたり、新EU体制人事で各国調整が図られるなど妥協の産物の印象があり、何をするのかは見えてきません。

経済成長においてはBRICsの台頭が目覚ましく、2008年のGDP合計は8兆8,610億ドル(約797兆円)。
様々な試算がありますが、仮にEUの成長率を年3%、BRICsの成長率を年10%とした場合、2020年には早くもBRICsがEUを逆転し首位に躍り出ます。
メガ市場でありながら、ますますEUの存在感は薄れてゆくことが予想されます。

日本時間2日未明、初代大統領の就任式典が行われます。
各局の番組表には記載がなく、特集も組まれないようです。
 
2009.12.01 サメの気持ち

海でスキューバダイビングをしていると、その魅力に引き込まれ、また不思議な感覚に囚われます。
浮いているため空を飛んでいるような感覚、壮大な地形に圧倒される感覚、そして生態系が逆転する感覚。

陸上ではヒトは生態系のトップですが、水中では最下層に位置します。
潜ってみるとよく分かりますが、普段食卓に上る魚でも2メートル級のそれが水中で近づくとなんとも言えない恐怖感に襲われます。
ヒトが本能的に謙虚になる瞬間です。

水中の生態系トップの一角はやはりサメ。
サメは現在確認されているだけで世界に約500種類存在しますが、その中のシュモクザメに関して最近新しい報告がされました。

シュモクザメはハンマーのようなT字型の頭が特徴で、目がその両端についています。
ナショナルジオグラフィックによると、この構造のおかげでシュモクザメは対象を立体的に捉えることが出来、人間に近い認識能力があることが分かりました。

物体を立体的に捉えるには両眼の視野の重複割合が重要ですが、シュモクザメは他の頭の尖ったサメに比べ3倍程度の重複視野があるそうです。
人間のように目が前向きに付いている場合、当然重複が大きくなり立体感のある視野が得られますが、シュモクザメもこれに近い認識をしているようです。

ところでダイビングというとサメに襲われる心配をされる方がたくさんいらっしゃいますが、実際にダイバーがサメに襲われる例は極めて稀です。

意外に思われる方は、一呼吸置いてからサメの気持ちになってみてください。
普段見るものは流線形をした魚ばかりです。
不意に現れた生き物は、足に見慣れないヒレをつけ、ごついタンクを背負い聞いたことのない空気音を出しています。
ヒトで言えば、アフリカのジャングルで未知の生物に遭遇するようなものでしょうか。
普通の生き物は理解出来ないものに接すると、まず距離を置くか、逃げます。
襲われるかも、と考えるのはヒトの勝手な解釈です。

自然ってなんだっけ。
そんな素朴な気付きを与えてくれるのも、ダイビングの魅力の一つです。

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